出血性胃潰瘍 原因 NSAIDs ピロリ 薬

出血性胃潰瘍 原因

出血性胃潰瘍 原因の臨床整理
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原因は「ピロリ」と「NSAIDs」が中核

H. pylori感染と低用量アスピリンを含むNSAIDsは、出血性消化性潰瘍の成因として重要です。両者が重なるとリスクがさらに上がるため、問診と薬剤歴が初動の質を決めます。

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初期対応は重症度評価→24時間以内内視鏡

非静脈瘤性上部消化管出血(NVUGIB)では、血行動態を安定化したうえで24時間以内の上部消化管内視鏡が推奨されます。止血後の管理設計も同時に考えます。

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再出血予防はPPIと原因介入

内視鏡的止血後は酸分泌抑制(PPI投与など)が推奨され、H. pyloriの評価・除菌、NSAIDs/抗血栓薬の最適化をセットで行うと再出血リスク管理が現実的になります。

出血性胃潰瘍 原因 NSAIDs

 

出血性胃潰瘍の原因として、低用量アスピリンを含むNSAIDsは中心的で、超高齢社会の進行とともに薬剤起因性が増えている、という臨床背景がガイドラインで明確に述べられています。

NSAIDs関連潰瘍は「粘膜防御低下(プロスタグランジン低下)」に加え、局所刺激や血小板機能・凝固に絡む要素(特に抗血小板薬併用)も重なり、少量出血を繰り返してから顕出血に至るケースもあります。

医療従事者向けに重要なのは、“原因がNSAIDsでも症状が乏しいまま進行しうる”点で、黒色便やふらつきなど非特異的主訴で来院する高齢者では、鎮痛薬・解熱鎮痛薬の頓用歴まで具体的に確認する必要があります。

実務上のチェックポイント(薬剤歴)

出血性胃潰瘍 原因 ピロリ

H. pylori感染は消化性潰瘍の主要なリスク因子であり、除菌治療は潰瘍の治癒促進・再発予防に寄与すると整理されています。

一方で近年は、ピロリに起因する潰瘍が減少傾向にある一方、アスピリンなど薬剤起因の割合が増えているという疫学的転換が示されており、「ピロリだけ見ていればよい」時代ではなくなっています。

臨床で見落としやすいのは、出血で来院した時点ではPPI/PCABが開始されていて、検査によっては偽陰性が混じり得ることです(検査タイミングと前処置の設計が重要になります)。

ピロリ評価を“出血対応の一部”として組み込むコツ

  • まず止血と循環動態の安定化を優先し、落ち着いた段階でピロリ診断計画を立てる(薬剤影響を考慮)。​
  • 「除菌して終わり」ではなく、背景薬剤(特にNSAIDs/抗血栓薬)が残る場合は再出血予防の設計を継続する。​

ピロリと潰瘍の位置づけ・最近の整理(学術レビュー)

H. pyloriと消化性潰瘍のup-to-date(感染と潰瘍、近年はNSAIDs/アスピリン対策も重要と述べる)

出血性胃潰瘍 原因 内視鏡

非静脈瘤性上部消化管出血(NVUGIB)の大半は胃十二指腸潰瘍に由来し、内視鏡的止血術が第一選択として位置づけられています。

高リスク例では血行動態を整えたうえで24時間以内の上部消化管内視鏡が強く推奨され、治療と同時に原因推定(薬剤、背景疾患、病変形態)の情報を回収するのが実装上の要点です。

また、活動性出血や非出血性露出血管を有する症例には内視鏡的止血術を行うことが強く推奨され、止血法は状況に応じて局注・機械的止血・熱凝固などを選択し、局注単独に依存しない方針が示されています。

内視鏡所見を“原因推定”に結びつける視点(現場向け)

  • 露出血管を伴う深掘れ潰瘍:再出血リスク評価と、止血後のPPI投与設計が重要になる。​
  • 多発びらん・浅い病変:NSAIDs、ストレス関連、併用薬の影響も含めて整理する(「単発の典型潰瘍」だけが出血源ではない)。​
  • 内視鏡治療後の人工潰瘍からの出血(EMR/ESD後)は、臨床現場で遭遇が増えておりガイドラインでも扱われています。​

内視鏡止血の基本方針がまとまった指針(第2版ガイドライン本文)

非静脈瘤性上部消化管出血における内視鏡診療ガイドライン(対象・内視鏡の位置づけ・止血法・止血後管理)

出血性胃潰瘍 原因 輸血

上部消化管出血の初期治療では、輸液・輸血を含む全身管理でバイタルサインを安定化させることが基本に置かれています。

輸血戦略については、心血管疾患のないUGIB患者ではHb 8g/dLを目標に“制限的輸血”が全死亡と再出血リスクを低下させる可能性が示され、過剰輸血を避けることが強く推奨されています。

さらに凝固異常への対応として、PT-INRや血小板数の目標管理の考え方も示されており、止血処置だけでなく「止血が効く身体条件」を整えるのが実務上のカギになります。

輸血・凝固補正を“原因”とつなげて考える(医療従事者向けの落とし穴)

  • 抗凝固薬・抗血小板薬内服は、出血の“誘因”であると同時に、止血後の再出血・血栓イベントのバランス設計を難しくする“背景要因”です。​
  • 出血源が潰瘍であっても、凝固異常(肝機能、DIC、薬剤)があると、同じForrest所見でも臨床経過が重くなり得ます。​
  • 重要なのは「輸血したら安心」ではなく、輸血閾値・循環動態・止血成功の見込みをセットで評価して、内視鏡・IVR・外科の選択肢に早めにつなぐことです。​

出血性胃潰瘍 原因 特発性

あまり一般向け記事で前面に出にくい一方、臨床では“ピロリ陰性・NSAIDs非使用”の消化性潰瘍(いわゆる特発性潰瘍)が増加傾向にあり、一定割合で見られることがガイドラインで触れられています。

この群は「原因が見つからない」のではなく、背景に重篤な併存疾患、虚血、ストレス、見落とされた薬剤(漢方・OTC含む)などが潜むことがあり、再出血予防の設計が“除菌・NSAIDs中止”だけでは完結しません。

独自視点として、現場で役立つのは“原因ラベリングを急がず、診断ラグを前提にフォロー計画を組む”ことで、例えば止血後PPI投与の継続判断、セカンドルックの適応、外来化の条件をリスク因子から逆算して決める発想です。

特発性を疑うときの実務メモ(深掘りのための質問例)

  • NSAIDs「なし」でも、頓用・貼付剤・配合剤・市販薬の取りこぼしはないか。
  • 抗血栓薬の変更歴(最近の開始・増量)はないか。​
  • 高齢、入院中、ショック、凝固異常など再出血リスクを持つか(止血後管理を厚くする根拠になる)。​

ガイドライン全体像(出血性胃潰瘍・出血性十二指腸潰瘍の章立てが確認できる)

消化性潰瘍診療ガイドライン2020(改訂第3版)Minds掲載(出血章の設計、CQ/BQ一覧)

胃潰瘍の説明に適した模型,萎縮性胃炎や出血性胃潰瘍などを再現しています,胃潰瘍モデル – 3B Scientific