急性胃潰瘍 入院 絶食 点滴 内視鏡 止血

急性胃潰瘍 入院

急性胃潰瘍 入院:臨床の要点
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入院は「出血・穿孔・全身状態」で決まる

吐血・黒色便、ショック兆候、Hb低下、抗血栓薬内服などは入院管理で安全域が広がります。

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内視鏡は24時間以内が軸

高リスク上部消化管出血では、循環動態を安定化したうえで24時間以内の上部内視鏡が強く推奨されます。

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止血後はPPI投与+再出血監視

内視鏡的止血後はPPI投与が推奨され、再出血は早期(数日)に多い点を踏まえて観察と食事再開を計画します。

急性胃潰瘍 入院の適応:出血・貧血・穿孔リスク

 

急性胃潰瘍で「入院」を考える場面は、単に腹痛が強いかどうかよりも、出血の有無(吐血・黒色便)や貧血、循環動態、穿孔の可能性をどれだけ否定できるかで決まります。胃潰瘍で出血を来した場合は吐血や黒色便(タール便)が出現し得るため、症状だけで軽症と判断しないことが重要です。

病院サイトでも、症状が強い・潰瘍が大きい・出血を伴う場合には、数日間の絶食と点滴治療、経過観察のために1~2週間程度の入院が必要となり得る、と具体的に説明されています。

また、放置により「出血」「穿孔(急性腹膜炎)」「がんが隠れる可能性」が問題になり得るため、救急受診~入院判断の場面では“潰瘍=良性”という思い込みをチームで排除しておくと安全です。

【現場で使える観察ポイント(入院初期)】

急性胃潰瘍 入院の検査:胃カメラ・血液検査・重症度評価

急性胃潰瘍の確定には、病変を直接確認する内視鏡(胃カメラ)が中心で、必要に応じて血液検査などを組み合わせます。

出血を伴う非静脈瘤性上部消化管出血(多くは消化性潰瘍)では、高リスク患者に対して「血行動態を安定化した上で24時間以内の上部消化管内視鏡」を行うことが強く推奨されています。

さらに、UGIB(上部消化管出血)で患者リスクを層別化するスコアとしてGlasgow-Blatchford scoreやRockall scoreが知られており、低リスク症例の絞り込みに役立つと整理されています。

【意外と見落としやすい点】

  • 🧴 経鼻胃管は“ルーチンで行わない”方向性:UGIB疑い患者でルーチン検査として行わないことを弱く推奨、という記載があり、施設慣行の見直し余地があります。​
  • 🩻 造影CTは万能ではない:NVUGIBを疑う患者に造影CTを行うことは明確な推奨ができない、とされる一方、内視鏡で出血源同定困難な場合に有用なこともある、と整理されています(「使いどころ」を共有すると良い)。​

急性胃潰瘍 入院の治療:絶食 点滴 PPI 内視鏡 止血

入院治療の基本は、絶食・補液(点滴)で全身を安定化させ、酸分泌抑制薬(PPI等)を用いながら、必要時は内視鏡的止血を行う、という流れになります。

胃潰瘍の部位から出血が認められる、または露出血管を認める場合には、内視鏡検査と同時にクリップや焼灼などで止血処置を行うことが説明されています。

ガイドラインでは、活動性出血や非出血性露出血管を有する症例に対し内視鏡的止血術を行うことが強く推奨され、止血後にはPPI投与を行うことが強く推奨されています。

【止血法の選択:現場の会話を揃える】

  • 🔧 止血法は局注法・機械的止血法(クリップ等)・熱凝固法・散布法に大別され、局注法は単独より併用が望ましいという整理です。​
  • 🧷 クリップは組織変性が少ない一方、接線方向や線維化が強い潰瘍では難しいなど、適応のクセを前提にチームで準備すると手技が安定します。​
  • 🧯 標準的手技で止血困難な場合、OTSCや局所止血材(Hemospray等)といった“次の一手”もガイドライン上で触れられています(施設導入状況は差が出ます)。​

急性胃潰瘍 入院期間と食事:再出血監視と退院基準

入院期間は病態で大きく変わりますが、出血を伴う・症状が強い・潰瘍が大きい場合に、絶食と点滴管理+経過観察で1~2週間程度の入院が必要となることがある、と病院情報として示されています。

一方で、内視鏡的止血後の経口摂取開始については、止血が得られれば「止血の24時間後以降に経口摂取を開始することを弱く推奨」とされ、早期再開が可能なケースも整理されています。

「再出血は内視鏡的止血後3日以内に多い」点が指摘されているため、食事再開の順序だけでなく、再出血の監視計画(バイタル、Hb、便色、ふらつき)を退院基準とセットで運用すると事故が減ります。

【退院基準を“文章化”する例(病棟運用向け)】

  • ✅ バイタル安定(起立時の症状含む)
  • ✅ Hbが安定(短時間で低下しない)
  • 腹膜刺激症状なし(穿孔を疑う所見なし)
  • ✅ 経口摂取が可能(少量でも継続できる)
  • ✅ 退院後の薬(PPI等)と禁忌薬(NSAIDs等)を理解している

急性胃潰瘍 入院の独自視点:NSAIDs・抗血栓薬の「中止と再開」説明テンプレ

検索上位の記事では「入院」「内視鏡」「止血」「食事」が中心になりがちですが、実臨床で再出血や再入院を減らす鍵は、NSAIDsや抗血栓薬の扱いを“患者が自宅で再現できる形”に落とすことです。

ガイドライン本文でも、超高齢社会とともにアスピリンなど薬剤起因の潰瘍が増加している背景が述べられており、原因薬の継続は再出血リスクの温床になり得ます。

ここで重要なのは「勝手に全部中止」でも「何となく継続」でもなく、①中止の要否、②再開時期、③代替(疼痛ならアセトアミノフェン等)、④胃粘膜保護(PPI/PCAB等)の四点を、退院時サマリーと同じ内容で患者説明書に反映することです。

【説明テンプレ(患者向けに言い換え可能)】

  • 💊 痛み止め:NSAIDsは胃潰瘍の原因になり得るため、自己判断で再開しない(再開は主治医と相談)。

    参考)胃潰瘍【いかいよう】

  • 🩺 血液さらさら薬:出血が止まった後も再出血の可能性があるので、再開のタイミングは主治医が決める(“飲まない方が安全”とも限らない)。​
  • 🔁 胃薬:止血後もPPI投与が推奨されるため、退院後もしばらく継続する意義がある。​

【院内で共有すると強い“落とし穴”】

  • 患者が「症状が消えた=薬をやめてよい」と解釈しやすい(潰瘍は症状と一致しないことがある)。​
  • 退院後に市販NSAIDsへ置換され、再出血で再搬送、というループが起きる(退院指導の質が直結)。​

内視鏡診療(上部消化管出血)の推奨や止血後管理の根拠。

非静脈瘤性上部消化管出血における内視鏡診療ガイドライン(第2版)

胃潰瘍の症状、入院(絶食・点滴)や内視鏡止血、入院期間の目安。

胃潰瘍【いかいよう】(くるめ病院)

胃潰瘍の説明に適した模型,萎縮性胃炎や出血性胃潰瘍などを再現しています,胃潰瘍モデル – 3B Scientific