上部消化管出血 原因 割合 胃潰瘍 十二指腸潰瘍

上部消化管出血 原因 割合

上部消化管出血の原因を「割合」で掴む
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頻度の高い原因は限られる

十二指腸潰瘍・びらん・静脈瘤・胃潰瘍などが主要因で、割合を知ると初期対応の優先順位が明確になります。

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薬剤背景が「原因の顔」を変える

NSAIDs、低用量アスピリン(LDA)、抗凝固薬などは出血を起こしやすく、原因病変の構成比にも影響します。

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割合は「施設・患者集団」で動く

一般集団の目安と、自施設の患者背景(高齢、肝硬変、抗血栓薬内服)を重ねると、鑑別が実務的になります。

上部消化管出血 原因 割合:十二指腸潰瘍 胃潰瘍 びらん 静脈瘤

 

上部消化管出血の「原因の割合」を押さえると、救急外来や病棟での初動(想定すべき出血源、準備すべき止血手技、輸血・薬剤の段取り)が速くなります。MSDマニュアル(プロ向け)には、上部消化管出血の一般的な原因として、十二指腸潰瘍(20~30%)、胃または十二指腸びらん(20~30%)、静脈瘤(15~20%)、胃潰瘍(10~20%)、マロリー-ワイス症候群(5~10%)、びらん性食道炎(5~10%)などの目安がまとまっています。出血を見た瞬間に「最頻は潰瘍とびらん、次に静脈瘤」という地図が頭にあるだけで、問診の掘り方が変わります。

また、この表は“病名の頻度”であって“重症度”とは別物です。たとえば静脈瘤は原因全体の中で一定の割合でも、循環動態が崩れやすく、気道管理・感染予防(抗菌薬)・血管作動薬・内視鏡的結紮など、必要なリソースが多い病態です。頻度がそこまで高くなくても「見逃せない」原因が混じる点が、上部消化管出血の難しさです。

📌臨床の小技として、同じ「吐血」でも、鮮紅色かコーヒー残渣様かで想定する出血速度が変わり、緊急内視鏡の優先度判断に直結します(コーヒー残渣様嘔吐は緩徐または止血傾向の可能性)。このあたりの症候の整理もMSDマニュアルにまとまっています。

上部消化管出血 原因 割合:マロリーワイス症候群 食道炎 血管病変

「潰瘍・びらん・静脈瘤」以外でも、一定割合で遭遇するのがマロリー-ワイス症候群やびらん性食道炎、血管性病変です。MSDマニュアルの目安では、マロリー-ワイス症候群が5~10%、びらん性食道炎が5~10%、血管腫(血管性病変の一部)が5~10%とされ、主要因に次ぐ“準メジャー群”として位置づけられます。

マロリー-ワイスは「嘔吐・レッチングの後に吐血」という教科書的経過が有名ですが、MSDマニュアルでは約50%にその病歴がない可能性にも言及されており、問診所見だけで除外しにくい点が実務上の落とし穴です。つまり、アルコール多飲や胃腸炎がなくても、内視鏡で裂創が見つかることはあります。

🩺現場で役に立つ視点:びらん性食道炎やマロリー-ワイスは、内視鏡で出血が止まっている/止まりやすいケースもある一方、抗血栓薬内服があると“止まりやすいはずの出血”が遷延することがあります。原因の割合だけで安心せず、「止血しにくくする背景」を同時に評価すると安全です。

上部消化管出血 原因 割合:NSAIDs 低用量アスピリン H. pylori

原因疾患の内訳(潰瘍・びらんが多い)を理解したら、次は「なぜその病変ができたか」を掘る必要があります。薬剤性とH. pyloriは、上部消化管出血の“原因の上流”にある要因で、再発予防にも直結します。Mindsのガイドライン要約では、NSAIDsとH. pyloriが上部消化管出血リスクを相加的に高めることが示され、海外メタ解析ではNSAIDs(+)/H. pylori(+)で上部消化管出血リスクが上がるデータがまとめられています。

さらに低用量アスピリン(LDA)についても、Minds要約に「LDAを服用する患者では上部消化管出血リスク・頻度が高い」こと、そして抑制には酸分泌抑制薬が有効とされることが記載されています。臨床で重要なのは、原因病変が胃潰瘍でも、背景としてLDA・NSAIDs・抗凝固薬があるだけで再出血や輸血必要性が変わる点です。

💊意外に見落としやすいポイント:MSDマニュアルは、消化管出血に関連する薬剤として、抗凝固薬(ワルファリン、DOACなど)、血小板機能に影響する薬剤(アスピリン、NSAIDs、クロピドグレルSSRI)、粘膜防御に影響する薬剤(NSAID)などを挙げています。つまり「痛み止め(NSAIDs)」だけが薬剤性ではなく、SSRIのように一見GIと無関係に見える薬も、背景因子として拾う価値があります。

上部消化管出血 原因 割合:肝硬変 静脈瘤 出血

静脈瘤出血は、原因の割合としては目安15~20%とされますが、インパクト(致死性・対応の複雑さ・再出血リスク)の面で別格として扱うのが安全です。MSDマニュアルでは、肝硬変や慢性肝炎の既往がある場合に食道静脈瘤を示唆すると整理されており、病歴から鑑別の初速を上げられます。

また、肝疾患患者では原因に関わらず出血が起こりやすく重症度も高くなり得る点がMSDマニュアルに明記されています。これは「静脈瘤だから危ない」だけでなく、同じ胃潰瘍出血でも肝硬変があるとコースが重くなり得る、という意味でも重要です。

🧠臨床の独自視点(検索上位に出にくい実務論点):静脈瘤“らしさ”は、吐血の色や量だけでは決めにくいことがあります。むしろ、門脈圧亢進の身体所見(腹水、くも状血管腫、脾腫など)をルーチンで拾う仕組みを作ると、内視鏡前の準備(血管作動薬、気道確保の判断、専門科コール)が安定します。MSDマニュアルには慢性肝疾患や門脈圧亢進の所見に触れた診察ポイントが整理されています。

上部消化管出血 原因 割合:黒色便 100~200mL

原因の割合を考える際、実は症状の“出方”も出血源推定の精度を左右します。MSDマニュアルでは、黒色便には約100~200mLの上部消化管出血が必要で、止血後も数日続くことがあると説明されています。これは、黒色便があるからといって「今も活動性に出血している」とは限らない一方、ある程度まとまった出血が起きたサインである、という両義的なメッセージです。

さらに、下血は通常下部消化管出血を示唆しますが、激しい上部消化管出血で血液が腸管を急速に通過することで生じる場合もある、とMSDマニュアルは述べています。つまり「下血=下部」と短絡すると、上部の大出血を見落とすリスクがあります。

🧾現場で使えるチェックリスト(簡易)

  • 🩸黒色便:出血量の目安はあるが、活動性とは限らない(便のタイムラグを意識)
  • 🚽下血:上部の大出血でも起こり得るため、ショック所見があれば上部評価を優先
  • 🧪薬剤歴:NSAIDs/LDA/抗凝固薬/SSRIまで拾うと“原因の上流”が見える

薬剤性潰瘍(NSAIDs/LDA)と上部消化管出血リスクの考え方(ガイドライン要約)

https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00140_chapter4.pdf

上部消化管出血の原因割合(十二指腸潰瘍20~30%、びらん20~30%、静脈瘤15~20%など)と症候(黒色便100~200mLなど)の整理

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