出血性胃炎 治療
出血性胃炎 治療 の 初期対応 と 禁食 点滴
出血性胃炎を疑う状況(吐血、コーヒー残渣様嘔吐、タール便、立ちくらみ、冷汗など)では、診断より先に「循環が保てているか」を最優先で評価します。特に、見かけのHbが保たれていても急性出血では希釈前で“まだ下がっていない”ことがあるため、バイタル、末梢循環、尿量、乳酸、Hbのトレンドが重要です(単回値で安心しない)。
疼痛や出血がある急性胃炎/急性胃粘膜病変では、禁食と点滴を含む保存的加療が選択されることがあり、同時に酸分泌抑制薬(PPIやP-CAB)を開始する運用が一般的です。これは「原因除去+粘膜防御」の土台を早期に整え、内視鏡止血の必要性が下がる症例もあるためです。
一方、吐血量が多い、頻回の再吐血、頻脈/低血圧、意識障害がある場合は、保存的加療のみで粘るよりも、早期に緊急内視鏡・止血手技を想定した導線(人員・鎮静・輸血・同意・抗血栓薬確認)を整える方が安全です。
出血性胃炎 治療 の 薬 PPI P-CAB と NSAIDs 中止
薬物治療の中核は「原因を外す」ことと「酸分泌抑制」です。急性胃粘膜病変(急性胃炎)では、原因除去を第一に行いながら、PPIまたはP-CABで酸分泌を抑える治療が並行して行われ、保存的に軽快することが多いとされています。
NSAIDsが関与している場合は、原則としてNSAIDsの中止または変更が基本で、PPI/P-CABの使用が治療として位置づけられます。現場では「鎮痛が必要で中止できない」事情も起こるため、漫然継続ではなく、代替鎮痛への切替や、継続する場合の再発予防(酸分泌抑制の併用、用量・期間の最小化、相互作用の確認)をセットで設計します。
意外に見落とされやすいのが「患者が市販薬としてNSAIDsを追加している」ケースです。問診では処方薬だけでなく、市販鎮痛薬、かぜ薬、湿布の内服同等薬の併用、サプリ(出血傾向を増やしうるもの)まで具体名で確認し、原因除去の精度を上げます。
出血性胃炎 治療 の 内視鏡 止血 クリップ APC
出血が持続する、活動性出血が疑われる、あるいは内視鏡で出血点や露出血管を確認できる場合、内視鏡的止血術が治療の柱になります。内視鏡的止血術には機械的止血(クリップ)、熱的止血(APCなど)、薬剤散布・局注などがあり、病変の形態(動脈性か滲出性か、局在、視野確保の可否)で選択します。
クリップ止血は、出血点や露出血管を直接把持して止血する方法として説明されており、太い露出血管や動脈性出血でまず検討されやすい手技です。一方で、胃全体に広がるような滲出性出血では、APCなど熱的止血や散布を組み合わせた方が効率的な場面があり、「局所をつまむ」発想だけでは止まらないことがあります。
実務上のコツとして、出血で視野が悪いときは「洗浄して出血口を同定する」工程が止血成否を分けます。クリップは“見えている血管に正しく当てる”手技なので、吸引・送水・体位変換・必要なら補助具で視野を作ってから手を出す方が、結果的に処置時間と再出血を減らします。
内視鏡的止血の考え方と選び方(クリップ/APCなどの整理に有用)
出血性胃炎 治療 の 輸血 Hb と ショック
輸血の判断はHb“だけ”で決めないのが鉄則ですが、目安となるトリガーは臨床で役立ちます。厚労省の「血液製剤の使用指針」別添では、Hb 10 g/dL超では輸血を必要とすることはない、6 g/dL以下が一つの目安といった趣旨が示されています。
また、消化管出血など急性貧血ではHb 7~8 g/dLをトリガー値として扱う資料もあり、6~10 g/dLの範囲は出血量・症状・合併症で最終判断する整理がされています。つまり、同じHb 7.5 g/dLでも、頻脈が持続する患者、冠動脈疾患がある患者、起立で失神しそうな患者では、輸血の位置づけが変わります。
さらに重要なのが「出血性ショックはHbに関係なく輸血開始を検討する」という考え方です。急速出血ではHbが追いついて下がる前に循環が破綻するため、臨床像(血圧、頻脈、意識、末梢循環、乳酸)で先に動き、輸血・大量出血プロトコルや止血へのアクセスを優先します。
輸血の目安(Hb 6 g/dL、10 g/dLなど)を確認できる公的資料
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000127995.pdf
出血性胃炎 治療 の 独自視点:透析 と 炭酸ランタン 胃粘膜
検索上位の一般向け記事では、出血性胃炎の原因としてNSAIDs、アルコール、ストレス、ピロリ菌が中心に語られがちですが、医療者が意識したい“盲点”として、透析患者の内服薬による胃粘膜変化があります。維持透析患者の高リン血症治療薬である炭酸ランタンは、長期服用を背景に胃・十二指腸粘膜への沈着が報告され、内視鏡で白色微細顆粒状の粘膜を呈することがあると概説されています。
この所見は「白苔」「びらん」「炎症」と紛らわしく、出血源検索の邪魔になり得ます。実際の診療では、出血性胃炎として治療を進める一方で、透析・腎不全の背景、リン吸着薬の内服歴、内視鏡所見(白色調変化、NBI拡大での所見)まで押さえると、鑑別と説明が一段クリアになります。
“意外な情報”としては、ランタン沈着自体が必ずしも出血原因とは限らず、むしろ「背景粘膜の見え方が変わる」ことで他病変の見落としリスクが上がる点です。したがって、出血性胃炎の治療アルゴリズム(酸分泌抑制+必要時止血)に加えて、「薬歴で内視鏡所見のノイズ源を潰す」という発想を持つと、再検・再出血のコストを下げやすくなります。
透析患者・炭酸ランタンと胃粘膜病変(白色微細顆粒状など)の概説
出血性胃炎 治療 の 再発予防:ピロリ菌 除菌 と 服薬指導
急性期を乗り切った後に差がつくのが再発予防です。ピロリ菌感染が背景にある場合、除菌療法(PPIまたはP-CAB+アモキシシリン+クラリスロマイシンを1週間内服)が基本で、一次不成功時は抗菌薬を変更した二次除菌が行われます。除菌成功により関連病態の進行抑制や、胃潰瘍再発リスクの低下が期待できるため、出血性病変の既往がある患者ほど「治ったら終わり」ではなく、原因精査と介入が重要です。
また、NSAIDs起因が疑われる場合は、再発予防としてNSAIDsの見直し(中止・変更)と酸分泌抑制の継続を、出血リスクと鎮痛ニーズのバランスで個別化します。ここでの実務ポイントは、患者が“痛み止めは危ない”と理解しても、生活に痛みが残れば自己判断で市販薬に戻ることがある点で、代替案(アセトアミノフェン等、整形外科・ペイン連携)まで提示して初めて予防策として機能します。
服薬指導では、PPI/P-CABの中断が再燃につながること、吐血・タール便・ふらつきの再出現時は早期受診が必要であることを、短い言葉で繰り返し伝えるのが効果的です。特に高齢者や独居では「症状が軽いと様子を見る」傾向があるため、受診のしきい値を具体化(例:黒い便が1回でも出たら連絡)すると安全域が上がります。
ピロリ菌除菌(PPI/P-CAB+抗菌薬2剤、1週間)を整理するのに有用
https://cloud-dr.jp/medical-navi/disease/1474/

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