腱鞘炎 治し方 マッサージ 腕
腱鞘炎の治し方:安静と固定の腕の使い分け
腱鞘炎の大原則は「使い過ぎで起きた炎症に、さらに摩擦を足さない」ことです。腱鞘炎は、腱を包む腱鞘で炎症が起き、痛み・腫れ・動かしづらさが出るため、まずは患部に負担をかけない行動設計が必要になります。特に利き手の親指〜手首が痛いケースでは、作業を完全に止められない現場も多いので、現実的には「負荷の総量を減らす」方向に落とし込みます。
安静の具体策は、単に“何もしない”ではなく、次の3層で考えると臨床で説明しやすいです。
- ①原因動作を止める:スマホ片手操作、強い把持、同じ角度でのクリックなど、反復刺激をまず外します(反復負荷が長引くと治りづらいとされるため)。
参考)https://assets.cureus.com/uploads/technical_report/pdf/210037/20240126-10788-1h008m0.pdf
- ②患部の動きを減らす:サポーター等で関節の動かせる範囲を限定し、腱鞘部の摩擦を減らします(完全固定ではなく“覆うタイプ”が一般的とされています)。
- ③代償を用意する:痛い側をかばって反対側や肩・肘を酷使すると、別のオーバーユースに波及します。外来では「代償動作の指導」を最初に入れると、セルフケアの継続率が上がります。
「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」が疑われる場合、病態としては短母指伸筋腱・長母指外転筋腱が手背第一コンパートメントを通る部位で炎症が生じ、母指側手関節の疼痛・腫脹が出るため、母指の使用量と手関節肢位の調整が要になります。
参考)「ドケ&#x30E…
このタイプでは、保存療法として局所安静(シーネ固定を含む)・投薬・腱鞘内ステロイド注射(トリアムシノロンが有効と記載)などが提示されているため、セルフマッサージのみで粘るより「どこまで自己管理し、どこから医療介入に切り替えるか」の線引きを先に示すのが安全です。
腱鞘炎のマッサージ:急性期と慢性期の禁忌とコツ
腱鞘炎にマッサージが「いつでも正義」かというと、答えは否です。炎症が強い初期(急性期)に強いマッサージをすると悪化する可能性がある、という注意喚起は複数の解説で共通しています。
そのため、医療従事者向けには「痛みの原因部位(腱鞘)を直接揉む」よりも、「周辺(腕=前腕)の筋緊張を落として滑走環境を整える」発想へ誘導するのが現実的です。
段階別に、患者説明で使える目安を整理します。
- 急性期(発症〜2、3日が目安):冷却が推奨され、薄いタオル越しに15分程度のアイシングで炎症性の腫れ・痛みを抑える、という整理が実用的です。
- 亜急性〜慢性期:症状が落ち着いてきたら温熱療法へ切り替え、血行促進と柔軟性回復を狙う方針が示されています。
- マッサージ導入の条件:痛みが落ち着いたら、血流改善を目的とした軽いマッサージを取り入れるが、痛みが強い時期は控える、という注意が明確です。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10894662/
セルフマッサージの“力加減”は指導が難しいので、次のようにルール化すると事故が減ります。
- 痛みが「増える」刺激は中止(揉んだ直後〜数時間で疼痛増悪するなら、その刺激は強すぎる)。
参考)腱鞘炎は何日くらいで治る?放置しても治る?|枚方市駅前やまし…
- “点”で押さず“面”でさする(炎症部位を狙って押し込むより、前腕全体の軽擦に寄せる)。
- 施術後は同じ作業にすぐ戻らない(血流が上がる=「動かしやすい錯覚」で負荷を上げがちなので、作業量は別管理にする)。
腱鞘炎の腕のストレッチ:前腕と手首の滑走を作る
腱鞘炎のケアでは、マッサージと並んで「ストレッチ」が指導しやすい選択肢です。指や手首のストレッチは、筋肉をほぐして痛みを和らげ、血行を促す効果があると説明されており、痛みが強すぎない範囲で導入しやすいのが利点です。
臨床では、ストレッチを「関節可動域を増やす運動」ではなく、「腱の滑りを邪魔している筋緊張を落とす行為」として説明すると納得されやすいです。特に前腕屈筋群・伸筋群の過緊張が強い人は、手首の局所(腱鞘)だけに注意が向き、腕のコンディションが見落とされがちです。
記事内で紹介しやすい具体例として、指のストレッチ手順が明確に提示されています。
- 手掌を下に向け、指を1本ずつ反対の手で持ち、手背側へゆっくり反らし、10〜30秒キープして戻す(痛みが強いときは無理をしない)。
この手順は「強制可動域」になりやすいので、医療従事者向けの補足としては、次の観察点を付け足すと有用です。
- どの指(母指・示指など)で誘発されるかで負荷動作を推定しやすい。
- 痛みが“腱走行に沿う”のか、“関節そのもの”なのかで鑑別のヒントになる(関節痛優位なら別病態も考える)。
- 10〜30秒保持中にしびれが出るなら、末梢神経由来の要素も疑い、手根管周囲の負荷も再評価する。
腱鞘炎の治し方:温冷療法と薬と注射と手術の位置づけ
腱鞘炎の「治し方」を医療従事者向けにまとめるなら、セルフケアに寄せすぎず、標準的な治療選択肢の位置づけをセットで示す方が誠実です。治療は安静が基本で、段階に応じた温冷療法、ストレッチ、装具、薬物療法などが組み合わされます。
温冷療法は、急性期は冷却、落ち着いたら温熱に切り替える、という整理が実務的で、患者のセルフマネジメントにも落とし込みやすいです。
薬物療法については、外用の鎮痛消炎薬(湿布・塗り薬等)や内服薬が用いられ、痛みが増すときに外用と内服を併用するケースもある、と説明されています。
装具は、完全固定というより「指や手首の関節を覆い、動かせる範囲を限定して負担を軽減する」目的で使われることが多いとされています。
保存療法で強い痛みが続く場合の選択肢として、腱鞘内ステロイド注射が挙げられ、効果は個人差があるものの2〜3週間程度で症状緩和が見られ、3カ月〜半年続くことが多いという説明があります(糖尿病患者では血糖上昇リスクに注意)。
さらに、改善しない・再発を繰り返す場合には手術(腱鞘切開)も検討され、局所麻酔で10〜20分程度のことが多い、という情報も提示されています。
ドケルバン病に関しても、保存療法(安静・投薬・腱鞘内ステロイド注射)から、難治・再発例では腱鞘切開へ、という治療の流れが整理されています。
腱鞘炎の腕の独自視点:前腕の徒手療法と“休ませ方”の設計
「腕のマッサージ」は、患部を直接揉む行為として語られがちですが、医療従事者向けに一段深く書くなら、“徒手療法”を「刺激」ではなく「組織環境の調整」として扱うのがポイントです。反復負荷による上肢障害モデルにおいて、前腕への徒手療法(皮膚のローリング、筋のモビライゼーション、手関節のモビライゼーション、上肢牽引などを含む)を休息と組み合わせることで、感覚過敏や炎症関連指標などの改善を検討した研究が報告されています。
この論文は動物モデルであり、ヒトの腱鞘炎へ単純に一般化はできませんが、「手首だけでなく前腕〜上肢全体への介入」「休息とセットで考える」という発想自体は、実臨床の患者教育に転用しやすい“意外性のある示唆”になります。
ここで強調したいのは、休ませ方の設計です。多くの患者は「仕事を休めない」ため、完全安静が現実的でないことが多いです。そこで、医療者側が提案できる“休息の分割”を、具体的な処方として提示します。
- ⏱️マイクロ休憩:30〜45分作業したら1〜2分「母指の把持をゼロ」にする(スマホ・マウスを一旦置く)。
- 🧰道具の工夫:片手スマホ操作を避けて両手保持へ変更する(片手操作は母指・手首への継続負担になりやすいと説明されている)。
- 🧊🔥セルフケアの順番:急性期は冷却、落ち着いたら温熱、という“フェーズ管理”を徹底する。
- 🛡️装具で負荷を制御:関節を覆うタイプで可動域を制限し、腱鞘の摩擦を減らす。
また、ドケルバン病の病態では、手背第一コンパートメント内に隔壁が存在し狭窄が生じやすい、という構造的背景が説明されています。
この「構造の狭さ」があると、腕の筋肉をほぐしても“最後のボトルネック”は残り得るため、症状が長引く場合に「セルフマッサージの継続」ではなく、画像評価や注射・手術を含む治療戦略へ早めに接続する判断が重要になります。
受診の目安としては、以下のような項目が整理されており、現場での説明にそのまま使えます。
- 痛みが数週間以上続く
- 指を動かすだけで激痛が走る
- 腫れがひどくなってきている
- サポーターや冷却で改善しない
(参考:ドケルバン病の症状・病態・治療の要点)
日本整形外科学会:ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)—どの腱がどこで炎症を起こすか、保存療法(安静・投薬・腱鞘内ステロイド注射)と手術(腱鞘切開)の位置づけが簡潔にまとまっています。
(参考:急性期の温冷療法とセルフケアの順序)
腱鞘炎の治し方—急性期は冷却、落ち着いたら温熱へ切り替える考え方、ストレッチ手順、装具・薬・注射・手術までの選択肢が一通り整理されています。
(参考:ドケルバン病のセルフケアと受診の目安)
ドケルバン病の解説—安静、サポーター、冷却・温熱、痛みが落ち着いたら軽いマッサージ、そして受診すべきサインが具体的に書かれています。
(論文:前腕への徒手療法+休息という“腕から攻める”考え方の背景)
Barbe et al., 2021. Manual Therapy With Rest as a Treatment for Established Repetitive Strain Injury(ラットの反復負荷モデルで、前腕の徒手療法と休息を組み合わせた介入を検討)

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