crps とは 医療 診断 治療 リハビリ 疼痛

crps とは 医療

CRPSを最短で押さえる要点
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診断は「臨床」中心

CRPSは検査で確定する病気というより、疼痛・自律神経症状・運動/栄養変化を総合して診断する症候群です(Budapest基準など)。

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治療の中心は「機能回復」

早期からの運動療法(脱感作、可動域、段階的活動)を軸に、薬物・神経ブロック・心理的介入を組み合わせます。

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説明の仕方で経過が変わる

「難治」「治らない」だけを強調すると恐怖回避や不活動を助長しうるため、セルフマネジメントと活動の重要性を具体的に共有します。

crps とは 医療 定義 病態 疼痛

 

CRPS(Complex Regional Pain Syndrome:複合性局所疼痛症候群)は、外傷や手術などの組織損傷後、創傷が治癒した後も痛みが遷延し、疼痛の強さが受傷の程度と釣り合わないことを特徴とする症候群です。

典型的には四肢に生じ、痛みだけでなく、皮膚温・皮膚色の変化、発汗異常、浮腫、運動障害、皮膚・爪・毛の栄養変化など「自律神経・運動・栄養」をまたぐ所見が混在します。

病態生理は単一ではなく、末梢侵害受容器と中枢神経系の感作、神経ペプチドの放出、交感神経系の関与などが、痛みと炎症の持続に寄与すると説明されています。

CRPSは従来、神経損傷が明らかでないものをtype I、明らかなものをtype IIと整理してきましたが、病態が複合的で、分類や診断は慎重な運用が求められます。jspc+1​

特に医療現場では「単一疾患」というより「複数の病態の集合体(病態)」として捉え、症例ごとに関与因子を推測して治療戦略を立てるべきだと日本の指針でも述べられています。

参考)https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/pdf/shi-guide06_14.pdf

“意外な点”として、CRPSでは交感神経ブロックが奏効するのが一部にとどまることが指摘されており、「交感神経=原因」と短絡しない姿勢が重要です。

参考)複合性局所疼痛症候群(CRPS) – 07. 神経疾患 – …

crps とは 医療 診断基準 Budapest 基準

CRPS診断の国際的な中核はBudapest基準で、臨床評価によって、(1)不釣り合いな持続痛、(2)4カテゴリー中3つ以上に症状(患者申告)がある、(3)4カテゴリー中2つ以上に徴候(診察で確認)がある、(4)他疾患で説明できない、を満たすことが求められます。

4カテゴリーは「感覚(痛覚過敏・アロディニア)」「血管運動(温度左右差や皮膚色変化)」「発汗運動/浮腫」「運動/栄養(可動域低下、筋力低下、振戦、ジストニア、皮膚/毛髪/爪変化など)」です。

臨床での落とし穴は、患者の訴え(症状)と診察時の所見(徴候)を区別して記録できていないことです(後から判定しようとしても情報が欠ける)。

日本では、厚生労働省研究班が作成した「判定指標」(臨床用・研究用)があり、CRPSが単一疾患ではなく病態の集合体という考えから「診断基準」ではなく「判定指標」として整理された経緯があります。

この判定指標には、萎縮性変化、関節可動域制限、不釣り合いな痛み/知覚過敏、発汗異常、浮腫などが含まれ、自覚症状と他覚所見それぞれで一定数を満たす設計です。

また「紹介の判断や研究対象の絞り込み」などに用い、補償・訴訟・重症度判定に安易に使わない注意点が明記されています(臨床コミュニケーション上も重要)。

crps とは 医療 検査 画像 骨シンチ

CRPSは基本的に臨床診断で、画像や検査は「鑑別」と「支持所見」の位置づけです。

X線での脱石灰化や、3相骨シンチでの集積亢進などの骨変化が検出されることはありますが、外傷後にはCRPSがなくても骨の異常が描出されうるため、所見は非特異的とされています。

したがって、画像や検査で“確定”を狙うほど、診断が遅れたり、逆に誤診したりするリスクが上がります。

一方で実務上は、蜂窩織炎深部静脈血栓症骨髄炎、痛風/偽痛風、関節炎、末梢神経障害、血管障害など、治療が大きく変わる鑑別を除外する目的で、血液検査や画像が必要になる場面があります。

交感神経依存性疼痛の評価として、フェントラミン投与で疼痛が軽減するかをみる方法や、診断/治療目的の交感神経ブロックが言及されますが、偽陽性・偽陰性が起こり得る点も押さえるべきです。

“意外に見落とされる”のは、ブロックが効いた=CRPS確定、ではなく、「一部患者で交感神経が関与しうる」程度の情報にとどまるという整理です。

crps とは 医療 治療 リハビリ 運動療法

治療は集学的で、薬物療法、理学療法、交感神経ブロック、心理学的治療、ニューロモジュレーション、鏡療法などを組み合わせ、第一目標は「患肢の可動性を高め使用を増やすこと」とされています。

日本のペインクリニック指針でも、治療目標は痛みの完全消失より「機能回復」を重視し、運動療法が治療の根幹で、必要に応じて物理療法・薬物療法・心理療法・神経ブロック等を併用すると整理されています。

特に早期介入が重要で、効果の乏しい治療を漫然と継続しない(副作用・侵襲・医療資源の観点)という姿勢が明確に述べられています。

運動療法の具体例として、脱感作(弱い刺激から段階的に強くする)、可動域訓練、筋力/協調運動の再獲得、職業的リハビリなどが挙げられます。jspc+1​

GMI(graded motor imagery:左右識別→運動イメージ→鏡療法の段階的実施)は有効性を示す報告がある一方、効果が得られなかった報告もあり、症例選択と運用が鍵になります。

鏡療法は、幻肢痛や脳卒中後CRPS I型で有益だった報告があり、脳の身体表象(ボディイメージ)への介入として説明されます。jspc+1​

薬物療法は、急性期の炎症/浮腫が目立つ場合にNSAIDsやステロイドなどが合理的とされる一方、無効なら中止するなど、効果判定を前提に扱うことが推奨されています。

三環系抗うつ薬やプレガバリンなどは神経障害性疼痛の第一選択として知られますが、CRPSに対するエビデンスは乏しいため、病態を疑う症例で試みつつ、漫然投与を避ける考え方です。

侵襲的治療(脊髄刺激など)は有効性が報告される一方、導入は慎重に検討する、とされています。

crps とは 医療 心理社会的因子 説明(独自視点)

CRPSは外傷を契機に発症することが多く、不安・抑うつ・怒りなどの心理的苦痛が併存しやすいとされ、これらは「原因」そのものではなくても症状や治療意欲に影響し得ます。

日本の指針では、発症早期に患者と家族へ「不動化の悪影響」「活動の重要性」「セルフマネジメント」を教育することが強く推奨されています。

さらに実務的に重要なのが、外傷後に痛みの訴えが強い患者へ安易に「CRPS疑い」「難しい病気」と告げると、不必要な不安・恐怖を招き、痛み回避行動の強化につながる可能性があるという注意喚起です。

この“説明の設計”は検索上位記事では軽視されがちですが、医療者向けには極めて実装価値が高いポイントです。

具体的には、患者説明では「痛みの正当性を認める(気のせいではない)」→「安全に動かすための段階的計画(何をどこまで、いつ増やすか)」→「悪化サインと受診目安」をセットで提示すると、恐怖と不活動の悪循環を断ちやすくなります。msdmanuals+1​

また補償や訴訟が絡むケースでは、医学的判定と制度上の認定基準が別であることを早期に明記しておく重要性も指針で触れられており、トラブル予防の観点で“意外に効く”運用です。

【権威性のある日本語の参考リンク:診断(Budapest基準)や病態・治療(理学療法、鏡療法、脊髄刺激など)を臨床向けに体系立てて確認できる】

複合性局所疼痛症候群(CRPS) – 07. 神経疾患 – …

【権威性のある日本語の参考リンク:厚労省研究班の「判定指標」の位置づけ、治療戦略(機能回復重視、早期介入、漫然治療を避ける等)を具体的に確認できる】

https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/pdf/shi-guide06_14.pdf

【論文引用:Budapest基準の妥当性(感度・特異度の検討)を一次文献で確認できる】

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2914601/

写真集 CRP FOTO TOKYO 旧古河庭園~飛鳥山