医療事故、医療紛争が起きた時に備える保険が、医師賠償責任保険です。
初期研修医以外は、民間医局の保険は民間医局が最安でおすすめ。
目次
医師賠償責任保険の比較/種類と特徴
医師賠償責任保険は、団体加入保険が団体割引で保険料が20%引きになるため、お得。
- 民間医局の保険
- 日本医師会の保険
- 日本医学会(日本外科学会、循環器内科学会など)の保険
民間医局などの、ネット登録だけで加入できる団体保険が登場してからは、個人加入保険は割高で、特に加入者側にメリットがありません。
民間医局の保険
- 民間医局への登録が必要(ウェブ登録可能)
- 保険料に年齢による区別なし。研修医からベテラン医師まで全て同じ保険料
- 1事故につき、5,000万円~3億円までの4プランあり
- 保険料は業界最安。2億円プランで月額・約3,900円
プラン数と保険料の安さ、加入条件の易しさが特徴。研修医以外の一般勤務医は保険料が最安。
>>>民間医局の評判と登録
日本医師会の保険
- 日本医師会への加入が必要(有料・現在の医師の加入は50%ほど)
- 保険料は、医師会の会費に含まれ、研修医、30歳以下の一般勤務医、30際以上の一般勤務医で金額が異なる。
- 1事故につき1億円補償の1プランのみ。日医医賠責特約保険加入で補償を3億円に増額可能。
- 保険料。支払い時には、免責金額100万円(自己負担金)
- 研修医の保険料…医師会費・年15,000円(月1,250円)
- 30歳以上…月約5,666円。免責金額は100万円。
医師会に入会=保険加入となっています。
研修医は最安で加入できますが、免責金額100万円がネック。保険が支払われたときにも100万円は自分で負担する必要があります。
日本医学会の保険
- 特定の日本医学会会員のみ加入可能
- 保険料は、年齢に限らず保険料は同じ。
- 1事故につき1億円、2億円、3億円の3プランあり。
- 補償金額1億円、2億円、3億円の3プランあり。免責額なし。
- 1億円プラン…40,660円(月約3,388円)
- 2億円プラン…51,570円(月約4,294円)
- 3億円プラン…62,400円(月約5,200円)
株式会社カイトーが取り扱っています。特定学会員のみ加入できるという点がネック。保険料は民間医局についで安いです。
対象の日本医学会は、以下の通り。
- 日本脳神経外科学会
- 日本整形外科学会
- 日本眼科医会
- 日本胸部外科学会
- 日本神経学会
- 日本糖尿病学会
- 日本消化器内視鏡学会
- 日本外科学会
- 日本循環器学会
- 日本消化器病学会
- 日本産科婦人科学会
医師の賠償責任保険を比較/保険って必要?
一般の会社では、会社員個人が訴えられることはほとんどありません。個人を訴えても、賠償金を取れる可能性が低いからです。単純に支払い能力の問題ですね。だから、個人でなく、企業を訴えるケースが多いんですね。
しかし、医師の場合は別です。年収から逆算して、数千万円の賠償金も支払い可能と判断されるケースが多いわけです。
このため、医療事故等の場合には、病院と医師個人を連名で訴える…というケースが増えてきているんですね。もちろん、バイト医師であっても同じ。
さすがにバイト医師個人が100%賠償金を支払うというケースはまれですが、病院と個人が賠償金を折半というケースも増えてきています。
医師賠償責任保険とは?
日本医師会に加入している医師は、強制的に「日医の医師賠償装責任保険」に加入させられるようになっています。自動車の自賠責保険のようなものですね。
日本医師会に加入していない勤務医や、クリニックは民間の任意保険に加入するケースが多いようです。
医師保険の補償金額はどのくらいが良い?
もちろん、補償額は多い方が良いに決まっていますが、保険料金との兼ね合いもあります。加入者がもっとも多いのは、1事故2億円の補償タイプ。全体の59%が2億円プランを選択されているようですね。
医療事故や医療紛争は、完全に避けることはできません。日医でも民間でも構わないのですが、医師賠償責任保険に加入しておくことが賢明と言えるでしょう。
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