ファモチジン注射 添付文書 用法用量 副作用

ファモチジン注射 添付文書

この記事で押さえる要点
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まず見るべきは「適応」と「投与期間」

侵襲ストレス目的は“誰にでも”ではなく、対象と期間が明確に限定されています。

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腎機能で用量が大きく変わる

Ccr区分ごとの目安が添付文書に具体的に書かれており、減量・間隔調整が必須です。

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重大な副作用は“まれでも致命的”

QT延長/心室頻拍、意識障害・痙攣、血液障害など、見逃すと対応が遅れやすい項目があります。

ファモチジン注射 添付文書 適応

ファモチジン注射(H2受容体拮抗剤)の添付文書では、適応として「上部消化管出血消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍出血性胃炎による)」「Zollinger-Ellison症候群」「侵襲ストレスによる上部消化管出血の抑制」「麻酔前投薬」が明記されています。

このうち侵襲ストレスの適応は、手術後に集中管理を要する大手術や、集中治療を必要とする脳血管障害頭部外傷多臓器不全・広範囲熱傷など、ストレス潰瘍が起こり得る状況に限って使用する、という条件付きの書き方になっています。

さらに「広範囲熱傷」はBurn Index 10以上を目安とする、と具体的に補足されており、適応判断の“線引き”が添付文書内に存在する点が重要です。

臨床現場では「PPIが使えない/入院直後で経口不可だから、とりあえずH2ブロッカー」という流れが起こりがちですが、侵襲ストレス予防としての使用は“適応の条件”を満たすかの確認が前提になります。

適応の解釈が曖昧なまま投与すると、必要最小限の治療という原則(後述)から逸脱しやすく、投与の継続が惰性になりやすい点も、医療安全上の論点になり得ます。

したがって、添付文書の「効能又は効果に関連する注意」まで含めて読み、適応欄だけで判断しない姿勢が実務上のポイントです。

ファモチジン注射 添付文書 用法用量

上部消化管出血・Zollinger-Ellison症候群・侵襲ストレス目的では、通常成人にファモチジンとして1回20mgを1日2回(12時間毎)緩徐に静脈内投与、または輸液に混合して点滴静注する、とされています。

また、ガスター注射液の添付文書では筋肉内投与(1回20mgを1日2回)も用法として記載されており、製剤により記載のされ方が微妙に異なるため、自施設採用品の添付文書を確認することが実務上は大切です。

上部消化管出血およびZollinger-Ellison症候群では、一般的に1週間以内に効果発現をみるが、内服可能となった後は経口投与に切り替える、という“出口戦略”が添付文書内で明確化されています。

侵襲ストレスによる出血抑制では、術後集中管理または集中治療を要する期間の投与とし、「手術侵襲ストレスは3日間程度、その他の侵襲ストレスは7日間程度」と、投与期間が目安レベルで具体化されています。

参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00062760.pdf

ここは見落とされやすい一文で、オーダーが継続されやすい患者(ICU滞在が長い、転棟が多い等)ほど“いつまで続けるか”が曖昧になりやすい部分です。

麻酔前投薬としては、成人に1回20mgを麻酔導入1時間前に緩徐静注(製剤によっては筋注の記載もあり)とされています。

実務では「緩徐に静注」がどの程度の速度か、現場手順書や投与プロトコルと整合しているかを確認し、急速投与にならない運用(ルート確保、希釈、投与時間の明示)を作ることが事故予防に直結します。

また、輸液混合で点滴静注できると書かれている一方で、混合手順・配合変化の確認は製剤ごとのIF(インタビューフォーム)や院内資料に委ねられることが多く、添付文書だけで完結しない領域がある点も押さえどころです。

参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00005529.pdf

「添付文書=投与の全手順が全部書いてある」という前提で動くと、混合・投与ライン・前後フラッシュ等の情報不足で現場差が生まれやすいので、運用設計側は注意が必要です。

ファモチジン注射 添付文書 禁忌

禁忌はシンプルで、「本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者」には投与しない、と記載されています。

一方で、禁忌が少ない=安全という意味ではなく、むしろ“慎重投与・重要な基本的注意・重大な副作用”の欄に実務上の地雷が多いタイプの薬剤です。

具体的には、腎機能障害患者では血中濃度が持続するため、投与量を減らすか投与間隔をあける、と明記されています。

加えて、心疾患のある患者では心血管系の副作用が起こるおそれがある、とされ、QT延長や心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)などが重大な副作用として記載されています。

この“心疾患+QT延長”の組み合わせは、入院患者でよく見られるポリファーマシー抗菌薬抗精神病薬、制吐薬などQT延長リスク薬の併用)と重なりやすく、添付文書の注意喚起が現場で活きる代表例です。

また、「本剤の投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるため、悪性でないことを確認のうえ投与」との記載もあり、症状改善=診断確定ではない、という診療上の注意点が含まれています。

ファモチジン注射 添付文書 副作用

重大な副作用として、ショック/アナフィラキシー、血液障害(再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少など)、皮膚障害(TEN、Stevens-Johnson症候群)、肝機能障害・黄疸、横紋筋融解症、QT延長・心室頻拍・心室細動、意識障害・痙攣、間質性腎炎・急性腎障害、間質性肺炎などが列挙されています。

特に意識障害・痙攣は「腎機能障害を有する患者であらわれやすい」とされており、腎機能に応じた投与設計が“有害事象回避”に直結することが読み取れます。

頻度分類の「その他の副作用」には、発疹、便秘、下痢・軟便、口渇、悪心・嘔吐、顔面潮紅、徐脈/頻脈/房室ブロック、肝酵素上昇、眠気、不眠、可逆性の錯乱状態、女性化乳房、月経不順などが記載されています。

ここで“意外に効く”のは、添付文書が検査モニタリングにも言及している点です。治療にあたっては経過を十分に観察し、病状に応じ治療上必要最小限の使用にとどめ、血液像・肝機能・腎機能等に注意する、と明記されています。

つまり「副作用が出たら止める」だけでなく、「出そうな患者に、短期間で、必要最小限に、検査も見ながら」という運用を想定した書き方になっています。

H2ブロッカーは“胃薬”というイメージで軽く扱われがちですが、注射薬は重症患者に使われやすく、重症患者ほど副作用の兆候が原疾患や併用薬に埋もれやすい点が落とし穴になります。

参考:ガスター注射液(ファモチジン)添付文書の全文(禁忌・用法用量・相互作用・副作用の原典)

https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00050642.pdf

ファモチジン注射 添付文書 腎機能低下 投与法(独自視点)

ファモチジンは主として腎臓から未変化体で排泄され、腎機能低下では血中未変化体濃度が上昇し尿中排泄が減少するため、Ccrに応じた投与法(減量・間隔延長)が“表”として添付文書に提示されています。

具体的には、通常の基準(1回20mg 1日2回)に対し、Ccr 60未満では「1回20mg 1日1回」または「1回10mg 1日2回」、Ccr 30以下では「1回10mg 2日に1回」または「1回5mg 1日1回」などの目安が示され、透析患者では「1回10mg 透析後1回」等の選択肢も記載されています。

この“透析後に1回”の発想は、単なる減量ではなく「除去されるタイミング」と「次回投与」をセットで考える必要があることを示唆しており、注射薬運用の現場力が問われます。

独自視点として強調したいのは、腎機能調整が「副作用を減らす一般論」ではなく、添付文書上で“神経症状(意識障害・痙攣)”のリスクと結び付けられている点です。

腎機能が落ちている患者は、せん妄、低酸素、感染、電解質異常、鎮静薬など、意識レベルが揺れやすい要因が同時多発しやすいため、ファモチジンの影響が評価されずに投与が続くケースが起こり得ます。

だからこそ、添付文書の投与目安表を“処方監査で見るだけ”にせず、①初回オーダー時点でCcr確認、②腎機能が動いたらオーダー見直し、③神経症状が出たら減量/中止も含め鑑別に上げる、という運用に落とし込むことが安全対策になります。

参考:ファモチジン静注の添付文書(腎機能低下患者への投与法の表、重大な副作用の記載がまとまっている)

https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00062760.pdf