視神経症 原因
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視神経症 原因 多発性硬化症 脱髄疾患
視神経症(臨床現場では「視神経炎」や「視神経障害」を含む概念として扱われることが多い)で最初に押さえるべき原因群は、脱髄疾患を背景とする視神経炎です。MSDマニュアルでは、視神経炎は20~40歳に多く、原因の多くが脱髄疾患(特に多発性硬化症)で、視神経炎が多発性硬化症の初発となることも多いと整理されています。
脱髄性視神経炎を疑う根拠として、眼球運動痛、視力低下に比して強い色覚異常、中心暗点などが臨床的に典型とされます。
また、視神経炎と一言で言っても、MS(多発性硬化症)・NMOSD(視神経脊髄炎スペクトラム)・MOGAD(MOG抗体関連疾患)で再発率や視力予後、長期治療方針が変わりうる点が医療従事者にとって重要です。
検査では、脳と眼窩のガドリニウム造影MRIが推奨され、視神経の腫脹や信号変化を確認するだけでなく、MSを示唆する脳室周囲の脱髄病変(FLAIR)を拾う目的もあります。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/e60df728ba45dbac9e51c08c76573ba3d2c3caea
非定型(重症、両眼、再発、経過が通常と異なる等)が疑われる場合には、血清のNMO抗体(AQP4抗体)やMOG抗体検査で病型分類を進めるべきと記載されています。
治療はコルチコステロイド(ステロイドパルス等)が選択肢となり、回復を早める可能性がある一方、特発性視神経炎やMS関連では「最終視力」は経過観察と大差ないことがある、という点は患者説明やチーム内合意形成で役立ちます。
参考:視神経炎の病因(MS/NMO/MOGAD、薬物・毒素など)と、MRI・抗体検査、ステロイド/血漿交換の位置づけ

視神経症 原因 視神経炎 症状 所見
視神経炎タイプの視神経症では、症状が数日でピークに達し、眼痛(とくに眼球運動時痛)と視力障害が組み合わさる形が典型です。
視野障害は中心暗点などがみられ、色覚異常は視力低下の程度に比して強いことがあるため、診察室での「色の違和感」聴取と簡便な色覚評価が鑑別の糸口になります。
眼底所見は球後視神経炎(視神経乳頭に目立つ変化がない)も多く、所見が乏しいからといって視神経炎を除外しない、という姿勢が必要です。
一方で「視神経症」という枠に入る疾患は視神経炎だけではなく、虚血性視神経症・圧迫性・外傷性・中毒性・遺伝性など幅が広いことが日本眼科医会の一般向け解説でも整理されています。
このため、症状(急性/亜急性/慢性、疼痛の有無、片眼/両眼)だけで決め打ちせず、背景(年齢、生活習慣病、薬剤、外傷、副鼻腔疾患、家族歴)を“原因カテゴリ”に沿って系統立てて拾うことが、診療の再現性を上げます。
医療従事者向けには、初療の段階で「治療可能で時間依存の原因(炎症・虚血・圧迫・感染)」を優先し、遺伝や栄養などは並走で評価する、という優先順位付けが実務的です。semanticscholar+1
視神経症 原因 虚血性視神経症 高血圧 糖尿病
虚血性視神経症は、視神経を栄養する血管の循環障害で生じ、ある日突然の視力低下や視野欠損として発症しやすい病型として説明されています。
危険因子として高血圧、糖尿病、高脂血症、心疾患、血液疾患など全身のリスクを伴うことが多い、と日本眼科医会の解説に明記されています。
さらに、まれに側頭動脈炎など膠原病が原因になったり、大きな開腹手術後など長時間の循環不全を契機に起こりうる、という記載は、病棟や周術期管理チームが見落としやすいポイントです。
虚血性では、炎症性(脱髄性)視神経炎と治療戦略が大きく異なる可能性があるため、患者背景のリスク評価と、症状の時間経過(「突然」なのか「数日かけてピーク」なのか)を丁寧に統合します。semanticscholar+1
また、日本眼科医会は、循環不全が徐々に進行した場合には視機能障害が少しずつ進行し、緑内障との見分けが重要になると述べています。
外来で「視野がじわじわ欠ける」を訴える症例では、眼圧や視神経乳頭所見だけでなく、循環・血管リスクの観点からの再評価が臨床的に有益です。
参考:虚血性視神経症の特徴(突然発症、危険因子、側頭動脈炎や術後循環不全など)
視神経症 原因 薬剤 中毒 メタノール エタンブトール
視神経障害は「真の視神経炎」ではなく、薬物・毒性による視神経症(視神経障害)として出現することがあり、MSDマニュアルは鉛、メタノール、キニーネ、ヒ素、エタンブトール、抗菌薬などを例示しています。
さらにTNF-α阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬が視神経炎を引き起こす可能性がある、という記載は、眼科単独では把握しにくい薬剤歴(リウマチ、炎症性腸疾患、がん免疫療法など)を確認する重要性につながります。
日本眼科医会も、中毒性視神経症として抗結核薬(エタンブトールなど)が有名で、抗菌薬や抗癌薬の一部でも報告があること、薬物投与中に視力・視野障害が出たら申告が必要で、疑い薬の減量・中止が基本であると述べています。
薬剤性・中毒性が疑われるときの実務ポイントは、患者が「目の薬」だと思っていない薬(内服・点滴、サプリ、職業曝露、シンナー等)を短時間で洗い出すことです。
とくにメタノールや有機溶剤は、救急や産業医領域の文脈で見落とされやすく、眼科の診察室では“生活歴の深掘り”が診断の鍵になります。semanticscholar+1
また、薬剤性視神経症では、症状の進行が必ずしも急性炎症のカーブに乗らないことがあるため、「発症様式の違和感」があれば原因カテゴリを切り替える柔軟性が求められます。
視神経症 原因 独自視点 検査 MRI 抗体 再発
検索上位の一般的な解説は「原因の列挙」で終わりがちですが、臨床では“原因そのもの”よりも「再発させない設計」と「誤治療の回避」が価値になります。
MSDマニュアルは、NMOやMOGADでは再発率が高く、特にNMOでは視力回復が不良となる可能性があること、またNMO/MOGADの患者にMSの特定の疾患修飾薬を投与すべきではなく、無効または転帰悪化の可能性がある点を強調しています。
この一文は実務上かなり重く、眼科・神経内科・救急の境界で「視神経炎らしいからステロイド」だけで止まらず、抗体検査や画像所見で病型を見極める動機付けになります。
独自視点として、視神経症の原因鑑別を“診断名”ではなく“患者安全の観点”で並べ替えると、チーム医療に載せやすくなります。
- 今すぐ除外したい:圧迫(腫瘍等)、重度炎症(NMO/MOGAD含む)、感染性、重篤な毒性曝露(メタノール等)semanticscholar+1
- 早期に再発予防へつなげたい:MS/NMOSD/MOGADなど脱髄性疾患
- 生活習慣病管理と連動させたい:虚血性視神経症(高血圧・糖尿病・脂質異常など)
さらに、日本眼科医会は「視神経症の10~20%は原因不明がある」とし、すべてが単回の診断で決着しない現実も示しています。
この“原因不明”を放置しない工夫として、①初診時データ(視力・視野・色覚・瞳孔所見・OCT等)を固定化して追える形で残す、②再燃時の比較ができるように検査プロトコルを院内で統一する、③薬剤歴の更新を毎回行う、の3点は現場運用として効果が出やすいです。semanticscholar+1
最後に、治療反応が乏しい重症例で血漿交換が用いられることがある点は、紹介のタイミングを決める“行動指針”になり、病診・科間連携の設計に直結します。
