ツートラム錠50mg効果と慢性疼痛
ツートラム錠50mg効果と作用機序の特徴
ツートラム錠50mgは、一般名トラマドール塩酸塩徐放錠であり、オピオイド受容体刺激作用とモノアミン再取り込み阻害作用を併せ持つことが最大の特徴である。
具体的には、μオピオイド受容体への部分アゴニスト作用により侵害受容性疼痛を抑制しつつ、脊髄後角や下行性疼痛抑制系におけるセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害により、慢性疼痛や神経障害性疼痛に関連する痛みの増幅を抑える。
ツートラム錠は速効部と徐放部を組み合わせた1日2回投与設計で、内服後比較的早期に血中濃度が立ち上がり、その後徐々に放出されることで12時間前後の鎮痛効果が持続するよう調整されている。
参考)https://www.saitama-pho.jp/documents/540/pctvol22024.pdf
このため、従来のトラマドール速放製剤と比べて血中濃度の変動が小さく、効果の途切れやピーク時の副作用(悪心、ふらつきなど)をある程度緩和できる点が臨床的なメリットとなる。
参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00070317.pdf
さらに、トラマドールは典型的な強オピオイドに比べ呼吸抑制が相対的に少ない一方で、痙攣・セロトニン症候群のリスクがあるという独特の安全性プロファイルを有している。
そのため、既往歴としててんかんやてんかん性素因のある患者、SSRI・SNRI・三環系抗うつ薬・MAO阻害薬などセロトニン作動薬を併用中の患者には、慎重な投与とモニタリングが求められる。
参考)ツートラム錠50mgの基本情報(作用・副作用・飲み合わせ・添…
この総説ではトラマドールの薬力学・薬物動態、安全性プロファイルが詳しく解説されており、ツートラムの基礎理解の参考になる部分である。
ツートラム錠50mg効果と適応疾患・用量用法
ツートラム錠50mgは、非オピオイド鎮痛剤(NSAIDsやアセトアミノフェンなど)で十分な鎮痛が得られない中等度〜高度の慢性疼痛および非がん性慢性疼痛を対象として使用される。
近年のがん疼痛ガイドラインでは、WHO三段階ラダーの記載が整理され、トラマドールの位置づけも変化しているものの、非がん性慢性疼痛領域では依然として実臨床で多用されている。
通常、成人ではトラマドールとして1回50〜150mg(ツートラム錠50mgで1〜3錠)を1日2回、朝・夕に投与する。
参考)ツートラム錠50mgの効能・副作用|ケアネット医療用医薬品検…
症状に応じて増減可能だが、最大用量は1回200mg、1日400mgを超えないように管理し、増量・減量は1回50mg、1日100mg刻みで調整することが推奨されている。
参考)ツートラム錠25mgの基本情報(作用・副作用・飲み合わせ・添…
腎機能障害や肝機能障害のある患者、高齢者では血中濃度上昇や蓄積のリスクがあるため、開始用量を低めにし、投与間隔の延長や最大用量の制限を検討する必要がある。
慢性疼痛では「スタート低用量・ゆっくり増量」が原則であり、急な増量は悪心・嘔吐・めまい・傾眠などによる服薬中断を招き、結果として鎮痛効果の評価が難しくなる。
基本的な効能・効果、用量用法、副作用の一覧を確認したい場合に有用であり、本節の用量設定の参考になる。
ツートラム錠50mg効果と副作用・禁忌とモニタリング
ツートラム錠50mgで比較的頻度が高い副作用は、傾眠、悪心・嘔吐、めまい、便秘などであり、これらはいわゆるオピオイド関連副作用にトラマドール特有の中枢神経症状が加わったパターンを示す。
重篤な副作用としては、ショック・アナフィラキシー、呼吸抑制、痙攣、セロトニン症候群、依存・乱用などが報告されており、初期症状として「息苦しさ」「意識もうろう」「筋けいれん」「高体温・発汗亢進・振戦」などに注意が必要である。
禁忌として、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害薬投与中または中止後14日以内、てんかん発作コントロール不良例、急性アルコール中毒、急性中毒性精神病などが挙げられる。
また、他の中枢抑制薬(ベンゾジアゼピン系、他のオピオイドなど)との併用は呼吸抑制や傾眠の増強を招きうるため、用量調整や漸減計画を含めた慎重な併用が求められる。
モニタリングのポイントとしては、導入初期1〜2週間の鎮痛効果と副作用のバランス評価に加えて、長期使用時の耐性・依存の兆候(用量増量要求、早期追加内服の訴え、医療機関の頻回受診など)に注意する必要がある。
参考)トラマドールの臨床
特に高齢者では、軽度の傾眠やふらつきが転倒・骨折につながるリスクがあるため、日常生活動作(ADL)の変化や家族からの情報も含め総合的に評価することが重要である。
副作用一覧、禁忌、相互作用などが詳述されており、副作用モニタリングのチェックリスト作成に活用できる。
ツートラム錠50mg効果と他鎮痛薬(トラムセット配合錠など)との違い
トラムセット配合錠やトアラセット配合錠は、1錠中にトラマドール塩酸塩37.5mgとアセトアミノフェン325mgを含む配合剤であり、急性疼痛〜亜急性疼痛に対して速やかな鎮痛を得る目的で設計されている。
一方、ツートラム錠50mgはトラマドール単剤の徐放製剤で、慢性疼痛に対する持続的な鎮痛維持を目的としており、アセトアミノフェン由来の肝毒性リスクを避けたい症例にも選択しやすい。
薬物動態的には、配合錠は6時間おき程度の反復投与が基本となるのに対し、ツートラム錠は1日2回投与で血中濃度の安定化を図る設計であり、患者アドヒアランスと夜間の痛みのコントロールの観点でメリットが大きい。
一方で、配合錠ではアセトアミノフェンが持つ解熱・鎮痛作用により、炎症性痛や術後痛、抜歯後疼痛など短期的な疼痛において優れた鎮痛効果が示されている試験もあり、疼痛の病態や期間に応じた使い分けが重要となる。
参考)https://med.mochida.co.jp/interview/trc_n14.pdf
臨床上「NSAIDs+アセトアミノフェンでも不十分だが、強オピオイドにはまだ抵抗がある」というケースでは、ツートラム錠をベースに、状況に応じてアセトアミノフェンの頓用を組み合わせる戦略も取りうる。
ただし、総トラマドール量・総アセトアミノフェン量がガイドライン推奨量を超えないよう、併用薬を含めた一日の総量チェックを徹底する必要がある。
配合錠とトラマドール単剤の比較試験や副作用プロファイルが記載されており、本節の他剤との違いを検討する際の資料となる。
ツートラム錠50mg効果と実臨床での使いこなしのコツ(独自視点)
実臨床でツートラム錠50mgの効果を最大限活かすためには、単に用量を増やすのではなく「疼痛の性質」と「患者の生活リズム」に合わせて投与設計を行うことが重要である。
例えば、朝と夕方に痛みが強く、夜間は比較的落ち着く患者では、朝50〜100mg、夕50mgといった非対称投与により日中活動時間帯のQOLを高めつつ、夜間の過鎮静を避ける工夫が考えられる。
また、神経障害性疼痛を合併している症例では、プレガバリンやデュロキセチンなど他の鎮痛補助薬との併用が行われることが多いが、トラマドールのSNRI様作用とデュロキセチンなどのセロトニン作動薬が重なるとセロトニン症候群のリスクが増す。
そのため、併用時はデュロキセチンの用量調整や、代替としてプレガバリン・ミロガバリンを優先するなど「機序の重なり」を意識した薬剤選択が、思いのほか重要なポイントとなる。
意外な点として、ツートラム錠の徐放性にもかかわらず、導入初期に悪心が目立つ患者では、少量の制吐薬(ドンペリドンやメトクロプラミドなど)を1〜2週間だけ併用することで、その後の長期継続率が大きく改善するという報告がある。
「トラマドールは気持ち悪くなる薬」という先入観を持つ患者も多いため、事前に副作用の可能性と対処法を説明し、初期症状を一緒に乗り越えるスタンスを示すことが、医療者側に求められる心理的ケアの一つといえる。
参考)ツートラムの効果・効能/飲み合わせ・併用禁忌を解説~一緒に使…
さらに、がんサバイバーや長期透析患者など複雑な背景を持つ慢性疼痛症例では、疼痛日誌や簡易PRO(患者報告アウトカム)ツールを用いて、ツートラム錠開始前後の痛み・睡眠・活動性を定量的に追跡することが有用である。
数値化されたデータをもとに「何mgでどの程度QOLが改善したか」を患者と共有することで、漫然とした増量を避けつつ、本人の納得感のある鎮痛戦略を構築しやすくなる。
少量から使用できるトラマドールの1日2回製剤 ツートラム
実臨床での位置づけや投与設計の考え方が紹介されており、本節の「使いこなし」のヒントとなる内容が含まれている。