小指球を押すと痛い原因と潜む病気、対策としてのストレッチ

小指球を押すと痛い

小指球が痛む原因と対策
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考えられる原因は?

単なる筋肉痛から、神経の圧迫や骨の異常まで様々な原因が考えられます。

💆‍♀️

すぐにできるセルフケア

簡単なストレッチやマッサージで、痛みの緩和が期待できます。

🏥

病院に行くべき?

p class=”slide-description”>痛みが長引く、しびれを伴う場合は専門医への相談が重要です。

小指球が押すと痛い場合に考えられる原因と潜む病気

 

手のひらの小指側にある膨らんだ部分、「小指球(しょうしきゅう)」。この部分を押すと痛みを感じる場合、その背後には様々な原因が隠れている可能性があります。医療従事者として、患者さんから同様の訴えを聞く機会も少なくないでしょう。単なる手の使いすぎによる筋肉疲労であることも多いですが、中には注意すべき病気が潜んでいるケースもあります。ここでは、小指球の痛みを引き起こす可能性のある主な原因と病気について、詳しく解説します。

✋ 手の使いすぎによる筋肉の炎症

最も一般的な原因は、手を酷使することによる筋肉の炎症や疲労です。小指球は、小指を動かすための「小指内転筋」「短小指屈筋」「小指対立筋」といった複数の筋肉で構成されています。パソコンのタイピングやマウス操作、スマートフォン(スマホ)の長時間利用、楽器の演奏、スポーツ(特にテニスやゴルフ、野球などグリップを強く握る競技)などで指や手首を繰り返し使うことで、これらの筋肉に負担がかかり、炎症を起こして痛みが生じることがあります 。この場合、痛みは押した時や特定の動作をした時に強くなる傾向があります。

🩺 ギヨン管症候群(Guyon管症候群)

小指球の痛みとともに、小指や薬指の小指側にしびれや感覚の鈍さを伴う場合、「ギヨン管症候群」の可能性が考えられます 。これは、手首の小指側にある「ギヨン管(Guyon管)」というトンネル内で尺骨神経(しゃっこつしんけい)が圧迫されることで発症する神経障害です 。長時間の自転車運転(ハンドルによる圧迫)、大工仕事で工具を叩きつける動作の繰り返し、骨折後の変形などが原因となり得ます。圧迫される部位によって症状は異なり、痛みやしびれだけでなく、手の筋肉が痩せてしまう「筋萎縮」を起こすこともあります。

🦴 有鉤骨鉤骨折(ゆうこうこつかぎこっせつ)

あまり聞き慣れないかもしれませんが、「有鉤骨」という手首にある小さな骨の骨折も、小指球の痛みの原因となります 。特に、ゴルフで地面を叩いてしまう「ダフり」や、野球のバットスイング、転倒して手のひらを強くついた時などに、有鉤骨からフックのように突き出た「有鉤骨鉤」という部分が骨折することがあります 。骨折に気づかず、「治りにくい打撲」だと思い込んでいるケースも少なくありません。小指球の付け根あたりに限定した圧痛や、手首を小指側に曲げた時の痛みが特徴です。レントゲンでは見つかりにくいこともあり、確定診断にはCT検査が必要になる場合があります。

その他の可能性のある病気

  • 腱鞘炎(けんしょうえん): 指の使いすぎで、腱とそれを包む腱鞘がこすれて炎症を起こす病気です 。特に指の付け根で起こりやすく、曲げ伸ばしの際に痛みや「ばね現象(指がカクンと引っかかる)」が見られることがあります 。
  • 手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん): 手首の中央にある手根管で正中神経が圧迫される病気で、主に親指から薬指にかけてしびれや痛みが出ますが、手のひら全体の痛みとして感じることもあります 。
  • 変形性関節症: 加齢などにより関節の軟骨がすり減ることで痛みや変形が生じます。母指(親指)の付け根に起こる「母指CM関節症」が有名ですが、他の指の関節に起こる可能性もあります 。
  • 関節リウマチ: 自己免疫疾患の一つで、関節に炎症が起こり、腫れや痛みを引き起こします。手指だけでなく、足の指にも症状が出やすいことが知られています 。

このように、小指球の痛み一つをとっても、原因は多岐にわたります。症状を正確に把握し、適切な鑑別診断を行うことが重要です。

ギヨン管症候群や尺骨神経に関する詳しい解説は、こちらの専門医のサイトでご覧いただけます。
「手のひらを押すと痛い」原因とは?膨らみを押すと痛い場合も – Medicalook

小指球の痛みへの対策と自分でできる簡単なストレッチ

小指球に痛みを感じた場合、症状が軽度であればセルフケアで改善が期待できます。特に、手の使いすぎが原因である場合は、適切なケアを行うことで症状の悪化を防ぎ、早期回復を促すことができます。ここでは、すぐに取り組める対策と、専門家も推奨する簡単なストレatch方法をご紹介します。

基本的な対策:まずは安静とアイシング

最も大切なのは、痛みの原因となっている動作を特定し、可能な限り避けて手を休ませることです 。痛みを我慢して使い続けると、症状が悪化し、回復が遅れる原因となります。また、痛みや熱感がある場合、それは炎症が起きているサインです。保冷剤や氷嚢などをタオルで包み、1回15分程度、痛む部分を冷やす「アイシング」を行いましょう 。これにより、炎症を抑え、痛みを和らげる効果が期待できます 。

今日からできる!小指球周辺の簡単ストレッチ

筋肉の緊張を和らげ、血行を促進するために、ストレッチは非常に有効です。ただし、強い痛みを感じる場合は無理に行わず、中止してください 。気持ちいいと感じる範囲で、ゆっくりと行いましょう。

1. 指反らしストレッチ 🧘‍♀️
このストレッチは、指を1本ずつ丁寧に伸ばし、手のひら全体の筋肉をほぐします。

  1. 伸ばしたい方の腕を前に出し、手のひらを上に向けます。
  2. 反対の手で、指を1本ずつ掴み、ゆっくりと手の甲側へ反らせます。
  3. 小指から親指まで、1本ずつ15〜30秒かけてじっくり伸ばしましょう。特に小指は入念に行います 。
  4. ポイントは、小指の付け根(小指球)が伸びているのを感じながら行うことです。

2. 手のひら開きストレッチ 🖐️
縮こまりがちな手のひらの筋肉を広げ、指の間の筋肉も同時にストレッチします。

  1. 片方の手の親指と小指をくっつけるように、手のひらを縮めます 。
  2. 反対の手の指を、縮めた手の指の間(人差し指と中指の間、中指と薬指の間など)に入れます。
  3. ゆっくりと指の間の抵抗を感じながら、縮めていた手を開いていきます 。これを数回繰り返します。

3. グーパー運動 ✨
最も手軽で、血行促進に効果的な運動です。

  1. 両手を胸の前に突き出します。
  2. 指を力いっぱい開き、5秒キープします。
  3. 次に、親指を中にしまい込むようにして、ぎゅっと強く握りこぶしを作り、5秒キープします 。
  4. これを10回程度繰り返します。仕事の合間などにも簡単にできます。

4. 押し合いストレッチ 💪
指の筋肉を強化し、安定性を高める効果も期待できます。

  1. 片手の指を軽く曲げます。
  2. 反対の手を小指側から差し込むように、手のひら同士を合わせます。
  3. お互いの指で軽く押し合うように力を入れ、10秒ほどキープします 。

これらのセルフケアは、あくまで症状緩和のための一時的な対策です。症状が改善しない、または悪化する場合は、自己判断で続けずに専門医に相談することが不可欠です。

指のストレッチ方法について、動画で確認したい場合は以下のサイトが参考になります。
【ばね指・腱鞘炎】すきま時間の10分で指の痛みやこわばりをセルフケア!指のストレッチやマッサージで腱鞘炎の予防と改善 – YouTube

小指球の痛みで病院へ行く目安と整形外科での治療法

セルフケアを試みても小指球の痛みが改善しない、または特定の症状が見られる場合には、専門医である整形外科の受診を強く推奨します。放置することで症状が悪化し、治療が困難になるケースもあるため、適切なタイミングで医療機関を頼ることが重要です。ここでは、病院を受診すべき目安と、整形外科で行われる一般的な検査・治療法について解説します。

🏥 こんな症状は病院へ行くサイン

以下のような症状が一つでも当てはまる場合は、早めに整形外科を受診しましょう。

  • 痛みが1週間以上続いている。
  • 何もしなくてもズキズキと痛む(安静時痛)。
  • 小指や薬指にしびれや感覚の麻痺がある 。
  • 痛む部分が赤く腫れていたり、っぽさを感じる。
  • 指の曲げ伸ばしがスムーズにできない、引っかかる感じがする(ばね指)。
  • 手の筋肉が痩せてきた、または力が入りにくくなった(例:ボタンがかけにくい、物をよく落とす)。
  • 転倒やスポーツなど、明らかな原因があってから痛みが始まった 。

🔍 整形外科で行われる検査

整形外科では、原因を特定するために以下のような検査が行われます。

  1. 問診・触診: いつから、どのような時に痛むのか、しびれの有無、職業やスポーツ歴など、詳細な聞き取りが行われます。医師が直接患部を触ったり、動かしたりして痛みの部位や程度、可動域を確認します。
  2. レントゲン検査: 骨折や脱臼、関節の変形など、骨の異常の有無を確認するために行います。特に有鉤骨鉤骨折が疑われる場合に有効です 。
  3. 超音波(エコー)検査: 腱や神経の状態をリアルタイムで観察できます。腱鞘炎における腱の肥厚や炎症、神経の圧迫などを評価するのに非常に有用です。
  4. MRI検査: レントゲンでは写らない軟部組織(筋肉、腱、神経、靭帯など)の詳細な状態を描出できます。TFCC損傷や、より詳細な神経の評価が必要な場合に用いられます 。
  5. 神経伝導速度検査: ギヨン管症候群や手根管症候群が疑われる場合、神経に微弱な電気を流して、その伝わる速度を測定します。これにより、神経障害の有無や程度を客観的に評価できます。

💉 整形外科での主な治療法

検査によって診断が確定したら、その原因に応じた治療が行われます。多くの場合、まずは保存療法から開始されます。

  • 保存療法
    • 薬物療法: 痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬NSAIDs)の飲み薬や湿布、塗り薬が処方されます 。
    • 装具療法: テーピングやサポーター、スプリント(固定具)を用いて患部を安静に保ち、負担を軽減します 。
    • 注射療法: 痛みが強い場合や、炎症がなかなか治まらない場合には、患部に直接ステロイド注射を行うことがあります 。ステロイドは強力な抗炎症作用があり、劇的に症状が改善することも少なくありません。特に腱鞘炎やばね指に有効な場合があります 。
    • 物理療法・リハビリテーション: 温熱療法や電気治療、専門家(理学療法士作業療法士)によるストレッチ指導や運動療法が行われます。
  • 手術療法

    保存療法を数ヶ月続けても改善が見られない場合や、神経麻痺が進行している場合、骨折がある場合などには手術が検討されます 。

    • ギヨン管症候群/手根管症候群: 神経を圧迫している靱帯を切開し、神経への圧力を取り除く「神経剥離術」が行われます。
    • 有鉤骨鉤骨折: 折れた骨片が神経や腱を刺激している場合、骨片を摘出する手術が行われます。
    • ばね指: 腱の通り道である腱鞘を切り開いて、腱の動きをスムーズにする「腱鞘切開術」が行われます。

    小指球の痛みは、患者さんの日常生活動作(ADL)やQOLに大きく影響します。正確な診断と適切な治療介入が、早期回復への鍵となります。

    小指球の痛みとデスクワーク環境の見直し、意外な改善策

    現代人にとって、小指球の痛みの大きな原因の一つが、長時間のデスクワークです。毎日何時間もパソコンに向き合う中で、無意識のうちに小指球に過度な負担をかけている可能性があります。ここでは、医療従is者として患者さんに指導できる、デスクワーク環境の見直しポイントと、あまり知られていない意外な改善策について深掘りします。見過ごされがちな日常の癖が、痛みの引き金になっているかもしれません。

    🖥️ デスクワークが小指球を痛めるメカニズム

    なぜデスクワークで小指球が痛くなるのでしょうか?主な原因は以下の3つです。

    1. マウス操作による圧迫: マウスを握る際、手のひらの小指側、つまり小指球がマウス本体やデスクに常に接触し、圧迫されています。特に「かぶせ持ち」スタイルの場合、手のひらの付け根全体に体重がかかりやすくなります。
    2. キーボードのタイピング: EnterキーやShiftキーなど、小指でタイプするキーはキーボードの外側に配置されています。これらのキーを打つ際に、手首を小指側にひねる動作(尺屈)が繰り返され、小指球から手首にかけての筋肉や腱にストレスがかかります 。
    3. 不適切な姿勢: 机や椅子の高さが合っていないと、手首が不自然に反ったり、曲がったりした状態で作業することになります。このような無理な姿勢は、手首の神経や腱への負担を増大させ、ギヨン管症候群などの原因にもなりえます。

    ergonomic改善策:快適な環境作り

    これらの負担を軽減するためには、作業環境を整える「エルゴノミクス(人間工学)」の視点が非常に重要です。高価な機材を導入しなくても、少しの工夫で大きな違いが生まれます。

    • 🖱️ エルゴノミクスマウスの活用: 手首をひねらずに自然な角度で握れる「縦型マウス」や、手のひらの形状にフィットするエルゴノミクスマウスは、小指球への圧迫を軽減するのに効果的です。トラックボールマウスも、腕を動かさずに操作できるため、手首への負担が少ない選択肢です。
    • ⌨️ パームレスト・リストレストの設置: キーボードやマウスの手前に、クッション性のある「パームレスト」や「リストレスト」を置きましょう。これにより、手首の下に空間ができ、小指球がデスクに直接当たるのを防ぎ、圧力を分散させることができます。
    • 📏 正しい姿勢の維持:
      • 椅子に深く腰掛け、足裏全体が床につくように高さを調整します。
      • 肘の角度が90度前後になるように、机や椅子の高さを保ちます。
      • 手首がまっすぐになるように、キーボードやマウスの高さを調整します。必要であれば、キーボードスタンドなども活用しましょう。

      😲 意外な改善策:”左手デバイス” と “ショートカットキーの活用”

      さらに一歩進んだ対策として、あまり知られていない改善策を2つ紹介します。

      1. 左手デバイスの導入: イラストレーターやデザイナーが使うイメージの強い「左手デバイス」ですが、実はデスクワーカーにも非常に有用です。多用するEnterキー、Shiftキー、Ctrl+C/Vなどのショートカットを左手デバイスに割り当てることで、右手の小指や手首の負担を劇的に減らすことができます。プログラマブルな製品が多く、自分の作業に合わせて自由にカスタマイzできます。

      2. ショートカットキーのカスタム: ソフトウェアによっては、キーボードショートカットを自分好みに変更できる機能があります。例えば、小指で押しにくいキーを、より押しやすい位置のキーに割り当てることで、無理な指の動きをなくすことができます。

      小指球の痛みは、日々の小さな負担の蓄積によって引き起こされます。患者さん自身にその原因となる癖や環境に気づいてもらい、具体的な改善策を提示することが、根本的な解決に繋がります。これらの対策は、TFCC損傷や手首の腱鞘炎の予防にも繋がるため、積極的に指導していくことが望まれます 。


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