続発性網膜剥離と増殖性硝子体網膜症
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続発性網膜剥離の原因と牽引性網膜剥離
続発性網膜剥離は「裂孔原性」だけでは説明できない背景(牽引・滲出・炎症・術後変化など)で生じる網膜剥離を、臨床上まとめて扱う場面が多く、原因の見立てが治療の分岐点になります。
牽引性網膜剥離は、増殖膜や硝子体の収縮による“引っ張り”で網膜が持ち上がる病態で、糖尿病網膜症などで典型的ですが、網膜剥離の放置や術後再剥離の経過でも牽引成分が前景化します。
増殖性硝子体網膜症(PVR)は、網膜表面や硝子体を足場に膜が形成され、それが収縮して網膜の再接着を難しくする難治化パターンとして説明されます。
症状は網膜剥離全般に共通しやすく、視野欠損(黒いカーテン様)や黄斑到達時の急な視力低下など、訴えから重症度を推定する力が求められます。
続発性網膜剥離と増殖膜の診断とOCT
診断は眼底所見に加え、画像で「牽引が主か、滲出が主か、裂孔の関与が疑わしいか」を補強し、手術適応の説明責任につなげます。
OCTは網膜浮腫・網膜剥離の検出に有効とされ、剥離の存在だけでなく、黄斑形態(外網膜の保たれ方)や牽引所見の言語化に役立ちます。
滲出性網膜剥離は、ぶどう膜炎などで網膜下に液体が貯留して生じるタイプとして整理され、牽引性と異なり「炎症の制御」が軸になることがあります。
実務では、紹介状や手術説明で「OCTで何が見えたか」を短文で残すだけでも、後医が続発要因(炎症・牽引)を追いやすくなります。
続発性網膜剥離の手術と硝子体手術
難治例や再発例では硝子体手術が選択され、眼内の空気・ガス・シリコーンオイルなどの置換材を状況で使い分ける、という流れで説明されます。
ガスや空気が眼内に入っている期間は、気圧変化で眼圧が上がる可能性があるため、飛行機搭乗や登山を控える指導が重要とされています。
術後はガスが残るため体位制限(うつ伏せ等)が必要になることがある、という患者説明は、合併症予防だけでなく再手術の回避にも直結します。
再発例や難治性の増殖性硝子体網膜症に進展したケースでは、再手術時に輪状締結術や強膜内陥術(バックリング手術)を追加することがあるとされ、初回で“次の一手”を想定した説明が望まれます。
続発性網膜剥離の予後と再剥離
続発性網膜剥離の予後は、黄斑の障害程度や原因(牽引・炎症・PVR)で大きく変わるため、単純に「手術で戻る」と言い切らない情報提供が安全です。
増殖性硝子体網膜症は「非常に難治な病態になりうる」と説明されており、膜形成と収縮が網膜の再接着を困難にする点が、再剥離リスクの中核になります。
術後にいったん復位しても、網膜と脈絡膜の接着が弱いと術後数日〜数週間で再剥離を起こし得て、その場合は再度の硝子体手術が必要になることがある、とされています。
患者指導としては、「術後すぐに視力が戻るわけではなく、数ヶ月かけて回復するケースが多い」という時間軸を共有すると、不要な受診中断や自己判断を減らせます。
続発性網膜剥離と急性網膜壊死の独自視点
続発性網膜剥離を語る際、感染・炎症がトリガーとなる“別ルート”を意識しておくと、救急外来や当直での判断が安定します。
急性網膜壊死は、ヘルペスウイルス(単純ヘルペス、帯状疱疹など)の眼内感染が原因と考えられ、急性に進行して続発性網膜剥離や視神経萎縮を来し、予後不良になり得る疾患として記載されています。
ここでの実務的なポイントは、「網膜剥離=機械的に戻す」だけに思考を固定しないことです。
網膜壊死が疑われる状況(強い炎症所見、急速進行、眼痛や前房/硝子体炎症の強さなど)では、剥離の“続発要因”を見落とさない姿勢が、治療の初動と紹介の質を変えます。
原因(感染・進行・続発性網膜剥離との関係)の参考。
難病情報センター:急性網膜壊死(原因ウイルス、続発性網膜剥離などの経過と重症性)
画像診断(OCTの位置づけ)の参考。