前立腺肥大症治療薬一覧と種類別の特徴と使い分け

前立腺肥大症治療薬の種類と選択

シロドシンは射精障害が22.3%も発生します。

この記事の3つのポイント
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第一選択薬はα1遮断薬

タムスロシン、シロドシン、ナフトピジルなどのα1遮断薬が前立腺肥大症治療の第一選択として広く使用されており、1~2週間で効果が期待できます

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5α還元酵素阻害薬の特性

デュタステリドは前立腺体積が30mL以上の症例に有効で、PSA値を約50%低下させるため前立腺がん検査時には測定値を2倍にして評価する必要があります

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併用療法の活用

α1遮断薬単剤で効果不十分な場合、前立腺体積や症状に応じて5α還元酵素阻害薬、PDE5阻害薬、抗コリン薬などとの併用療法が推奨されます

前立腺肥大症治療薬の基本分類と作用機序

 

前立腺肥大症の薬物療法は、症状の改善と生活の質向上を目的として行われます。治療薬は作用機序によって大きく6つのカテゴリーに分類され、それぞれ異なるメカニズムで排尿障害を改善します。

α1遮断薬は前立腺や尿道平滑筋のα1受容体を遮断することで尿道抵抗を低下させ、即効性が期待できる薬剤です。一方、5α還元酵素阻害薬はテストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)への変換を阻害し、前立腺の縮小を促進します。効果発現まで3~6か月を要しますが、前立腺体積が30mL以上の症例では特に有効性が高いことが報告されています。

PDE5阻害薬であるタダラフィルは2014年に前立腺肥大症治療薬として承認され、前立腺・膀胱・尿道の平滑筋を弛緩させるとともに、血流改善効果も持ち合わせています。保険適用となるのは前立腺肥大症治療目的の場合のみで、ED治療目的では自費診療となる点に注意が必要です。

抗コリン薬β3作動薬は、過活動膀胱症状を伴う症例に対してα1遮断薬との併用で使用されることが多い薬剤です。膀胱の過剰な収縮を抑制し、尿意切迫感や頻尿の改善に寄与します。

日本泌尿器科学会の男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドラインでは、各薬剤の使い分けと併用療法に関する詳細な推奨が示されています

植物製剤や漢方薬は、軽症例や他剤との併用で使用されることがあります。セルニルトンやエビプロスタットなどが代表的で、抗炎症作用や血流改善作用を有しますが、エビデンスレベルは他の薬剤と比較すると限定的です。

前立腺肥大症のα1遮断薬の選択基準

α1遮断薬は前立腺肥大症治療の第一選択薬として最も広く使用されており、タムスロシン、シロドシン、ナフトピジルが代表的な薬剤です。これらは共通してα1受容体を遮断しますが、各サブタイプ(α1A、α1D、α1B)への選択性が異なり、それが臨床効果や副作用プロファイルの差として現れます。

タムスロシンはα1A受容体とα1D受容体の両方に作用し、バランスの取れた効果を示します。排尿症状と蓄尿症状の両方に有効で、1日1回0.2mgの投与が標準です。射精障害の発生頻度は約2~3%と報告されていますが、α1遮断薬の中では比較的低い方に位置づけられます。

シロドシンはα1A受容体への選択性が最も高く、前立腺と尿道への作用が強力です。排尿困難の改善効果は優れていますが、射精障害の発生頻度が22.3%と高いことが特徴的です。これは添付文書にも「副作用の発現率が高く、特徴的な副作用として射精障害が高頻度に認められている」と明記されており、患者への事前説明が必須となります。

つまりシロドシンは特に注意が必要です。

ナフトピジルはα1D受容体への選択性がやや高く、膀胱機能への影響が大きいとされています。夜間頻尿や尿意切迫感が強い症例で選択されることが多い薬剤です。射精障害の発生頻度は約3%とタムスロシンと同程度であり、性機能への影響を懸念する患者には選択肢となります。

各α1遮断薬で効果が不十分な場合、別のα1遮断薬への変更が有効なケースも報告されています。ただし、複数のα1遮断薬の併用投与は原則として認められていないため、薬剤変更の際は前薬を中止してから開始する必要があります。

起立性低血圧やめまいといった血圧関連の副作用は、α1B受容体への影響が少ないタムスロシン、シロドシン、ナフトピジルでは比較的少ないとされています。高齢者や降圧薬を服用中の患者では、初回投与時に特に注意が必要です。

前立腺肥大症における5α還元酵素阻害薬の使用法

5α還元酵素阻害薬であるデュタステリドは、前立腺体積が30mL以上の中等度から大きな前立腺肥大症例で特に有効性を発揮します。テストステロンからDHTへの変換を阻害することで、前立腺細胞の増殖を抑制し、前立腺体積を約23~33%縮小させる効果が報告されています。

効果発現には時間を要し、有意な体積減少が認められるのは投与開始24週後以降です。52週間の継続投与で最大の効果が得られるため、患者には長期的な服用継続の必要性を説明することが重要です。即効性を求める患者には、α1遮断薬との併用療法から開始し、デュタステリドの効果が現れた段階でα1遮断薬の減量や中止を検討する戦略が有効です。

結論はα1遮断薬との併用です。

デュタステリドは前立腺特異抗原(PSA)値に影響を与え、投与6か月後には約50%低下させます。前立腺がんのスクリーニングにおいてPSA値は重要な指標であるため、デュタステリド服用中の患者では測定値を2倍にして基準値と比較することが推奨されています。処方開始前および服用中には定期的にPSA検査と前立腺がん検診を実施し、がんの見逃しを防ぐ必要があります。

副作用として性機能障害(勃起不全、性欲減退、射精障害)が報告されており、発生頻度はタダラフィルと比較して同等とされています。患者の年齢や性生活の状況を考慮し、性機能への影響を十分に説明した上で処方を決定することが求められます。

前立腺縮小薬の使い方については、クロルマジノンとの比較を含めた詳細な解説が日本医事新報に掲載されています

妊娠中の女性や妊娠の可能性のある女性がデュタステリドを服用すると、男子胎児の生殖器官の発達に影響を及ぼす可能性があるため、家族内での取り扱いにも注意が必要です。カプセルが破損した場合は直接触れないよう指導し、献血も服用中および中止後6か月間は避けるよう説明します。

前立腺肥大症のPDE5阻害薬と併用療法の実際

タダラフィル(商品名:ザルティア)は、前立腺肥大症治療薬として保険適用されるPDE5阻害薬です。1日1回5mgまたは2.5mgを服用することで、前立腺・膀胱・尿道の平滑筋を弛緩させ、排尿障害を改善します。血管拡張作用による血流改善効果もあり、前立腺組織の酸素供給改善にも寄与すると考えられています。

タダラフィルの特徴は、男性機能への影響が少なく、むしろED症状の改善も期待できる点です。実際、同成分のシアリスはED治療薬として別途承認されていますが、前立腺肥大症治療目的で処方されるザルティアとは用量が異なります。前立腺肥大症には5mg、EDには10~20mgが標準用量であり、適応外使用とならないよう注意が必要です。

保険適用の条件には厳格な規定があります。

超音波検査による前立腺体積の測定、残尿検査、尿流量測定などの検査で前立腺肥大症と確定診断されていることが処方の前提条件です。また、硝酸薬やNO供与剤との併用は禁忌であり、狭心症治療中の患者では使用できません。降圧薬との併用で血圧低下が増強される可能性もあるため、循環器疾患の既往や併用薬の確認が必須です。

併用療法では、α1遮断薬で効果不十分な症例にタダラフィルを追加する方法が一般的です。両剤は作用機序が異なるため、相加・相乗効果が期待できます。前立腺が大きく、過活動膀胱症状も強い症例では、α1遮断薬、5α還元酵素阻害薬、タダラフィルの3剤併用も検討されることがあります。

過活動膀胱症状を伴う前立腺肥大症では、α1遮断薬と抗コリン薬またはβ3作動薬の併用が推奨されています。抗コリン薬は膀胱の過剰な収縮を抑制しますが、尿閉のリスクがあるため、残尿量が多い症例では慎重投与が必要です。β3作動薬であるミラベグロンは尿閉リスクが低く、残尿がある症例でも比較的安全に使用できる利点があります。

併用療法を開始する際は、まずα1遮断薬を先行投与し、効果を評価した上で追加薬剤を導入する段階的アプローチが推奨されます。初めから複数薬剤を併用すると、副作用発現時にどの薬剤が原因かの判別が困難になるためです。

前立腺肥大症治療薬の副作用と注意すべき相互作用

前立腺肥大症治療薬の副作用は薬剤クラスごとに特徴的なパターンがあり、処方時には患者の背景や併用薬を考慮した選択が求められます。

α1遮断薬の主な副作用は、めまい、起立性低血圧射精障害です。めまいや立ちくらみは服用開始初期に多く、高齢者では転倒リスクにつながるため、起床時や立ち上がり時にゆっくり動作するよう指導します。射精障害は逆行性射精(精液が尿道ではなく膀胱に逆流する)が主体で、健康上の問題はありませんが、挙児希望のある患者では重要な考慮事項となります。

シロドシンの射精障害発生率は22.3%と高いです。

5α還元酵素阻害薬であるデュタステリドでは、性機能障害(勃起不全、性欲減退、射精障害)と女性化乳房が報告されています。肝機能障害の既往がある患者では、定期的な肝機能検査が推奨されます。また、PSA値を約50%低下させるため、前立腺がん検診時には測定値を2倍にして評価する必要があります。

PDE5阻害薬のタダラフィルは、頭痛、ほてり、消化不良、鼻閉などの血管拡張に関連した副作用が特徴的です。硝酸薬やNO供与剤との併用は著しい血圧低下を引き起こすため絶対禁忌であり、狭心症治療中の患者には処方できません。降圧薬との併用でも血圧低下が増強される可能性があるため、循環器疾患の既往がある患者では慎重な経過観察が必要です。

抗コリン薬の副作用には、口渇、便秘、排尿困難、視覚障害などがあります。残尿量が多い症例では尿閉を誘発するリスクがあるため、残尿測定を行った上で慎重に使用します。認知機能への影響も報告されており、認知症や認知機能低下のある高齢者では避けることが望ましいとされています。

相互作用に注意が必要な組み合わせは複数存在します。総合感冒薬抗ヒスタミン薬に含まれる抗コリン成分は、前立腺肥大症の排尿障害を悪化させる可能性があります。また、CYP3A4阻害薬(イトラコナゾール、リトナビルなど)はタダラフィルやデュタステリドの血中濃度を上昇させるため、併用時には減量や慎重投与が必要です。

複数のα1遮断薬の併用は原則として認められていません。作用が重複し、副作用リスクが増大するためです。薬剤変更の際は前薬を中止してから新薬を開始し、ウォッシュアウト期間を設けることが推奨されます。

患者が市販薬やサプリメントを使用する際にも注意が必要です。ノコギリヤシサプリメントはPSA値を低下させる作用があり、前立腺がん検診の精度に影響を与える可能性があります。受診時には必ず併用しているすべての薬剤やサプリメントを申告するよう指導することが重要です。

前立腺肥大症薬物療法の効果判定と手術への移行タイミング

前立腺肥大症の薬物療法では、定期的な効果判定と適切なタイミングでの治療方針見直しが重要です。治療開始後は症状スコア、尿流量測定、残尿量測定などを用いて客観的に効果を評価し、薬物療法の継続または手術療法への移行を判断します。

国際前立腺症状スコア(IPSS)は症状の重症度評価に広く用いられる指標で、7問の質問項目から0~35点で評価します。0~7点が軽症、8~19点が中等症、20点以上が重症とされ、治療前後の変化を追跡することで治療効果を客観的に判定できます。IPSSスコアが3点以上改善すれば臨床的に意味のある効果があったと判断されます。

尿流量測定では、最大尿流率が10mL/秒未満の場合は排尿障害が強いと評価されます。薬物療法により最大尿流率が増加し、排尿時間が短縮すれば改善の指標となります。残尿量は100mL以上が手術を検討する一つの目安とされており、残尿が多い状態が続くと膀胱機能の二次的変化や腎機能障害のリスクが高まります。

薬物療法で効果が不十分な場合、手術療法への移行が検討されます。手術適応となる条件は、中等度から重度の症状があり薬物療法で改善しない場合、急性尿閉の既往がある場合、繰り返す尿路感染や肉眼的血尿、膀胱結石の合併がある場合、腎機能障害を伴う場合などです。

急性尿閉は前立腺肥大症の重要な合併症で、完全に尿が出なくなる状態です。カテーテル留置による一時的な対処は可能ですが、尿閉を繰り返す症例では手術療法が強く推奨されます。尿閉の既往がある患者は、そうでない患者と比較して将来的に手術が必要になるリスクが約4倍高いとされています。

膀胱結石や繰り返す尿路感染は、残尿の存在と関連しています。残尿が多い状態では膀胱内に尿が停滞し、細菌感染のリスクが高まります。また、尿中の成分が結晶化して結石を形成しやすくなります。これらの合併症がある場合、薬物療法だけでは根本的な解決が困難であり、手術療法の適応となります。

腎機能障害は前立腺肥大症の重篤な合併症です。

長期間の排尿障害により膀胱内圧が上昇し、尿管から腎臓への逆流が生じると、水腎症や腎機能低下を引き起こします。血清クレアチニン値の上昇や推算糸球体濾過量(eGFR)の低下が認められる場合、早期の手術療法が必要です。適切な時期に治療すれば腎機能は回復しますが、長期間放置すると不可逆的な障害が残り、最悪の場合は透析が必要になることもあります。

薬物療法の長期継続を希望しない患者や、薬剤の副作用が強く服用継続が困難な患者も手術の適応となります。特に若年患者では、数十年にわたる服薬負担や医療費を考慮すると、早期に手術療法を選択することが総合的に有利な場合があります。

手術方法には経尿道的前立腺切除術(TURP)、ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)、経尿道的水蒸気治療(WAVE)などがあり、前立腺の大きさや患者の全身状態に応じて選択されます。近年は低侵襲な手術法の発展により、入院期間の短縮や合併症リスクの低減が実現しています。


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