上斜筋腱鞘症候群の原因と症状と診断と治療

上斜筋腱鞘症候群の診断と治療

上斜筋腱鞘症候群を短時間で把握
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まず「内上転制限」を言語化

上斜筋腱鞘症候群(Brown症候群)は、内上転位で上転しにくい運動制限が核です。頭位異常や複視の訴えを含め、眼球運動の特徴から疑いを立てます。

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診断の山場は「ひっぱり試験」

麻痺性斜視と違い、機械的な制限を示す所見が重要です。必要に応じてひっぱり試験や画像検査で病態(炎症・瘢痕・腫瘤など)を詰めます。

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治療は「経過観察〜原因治療〜手術」

自然軽快もあり得るため、急がず観察が基本になりやすい一方、後天性で炎症が疑わしければステロイドなどが選択肢になります。正面視の偏位や頭位異常が強ければ手術も検討します。


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上斜筋腱鞘症候群の原因(先天性と後天性)

 

上斜筋腱鞘症候群(Brown症候群)は、上斜筋腱—滑車(trochlea)複合体の「滑走不全」や「伸展障害」により、内上転位で上転しにくくなる制限性斜視として理解すると臨床で迷いが減ります。

原因は大きく先天性と後天性に分けられ、先天性では上斜筋腱の短さ・動きの悪さなどが背景として挙げられ、後天性では外傷や術後、炎症性疾患(関節リウマチ甲状腺眼症など)、副鼻腔感染、腫瘍など多彩です。

後天性は「なぜ突然起きたか」を説明できると対応が整理され、例えば炎症・浮腫が主なら原因治療(炎症コントロール)を優先し、瘢痕や腫瘤が関与するなら外科的含めた方針が見えます。onlinelibrary.wiley+1​

また、成因の考え方として、上斜筋腱に線維性の索状物(fibrotic strand)が関わるという比較的新しい説明が整理されており、典型例だけでなく「非典型的な挙上障害」の説明材料にもなります。

参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10893837/

上斜筋腱鞘症候群の症状(内上転制限と頭位異常と複視)

症状の中心は、内上転位で上転しにくい(内上転制限)ことで、これを避けるために顔を回す・顎を挙げるといった頭位異常が出やすい点が重要です。

横視で片眼が上下にずれて見える、後天性では複視を自覚する、といった訴えが加わると「日常生活で困っている場面」を具体化しやすく、治療目標(正面視の複視回避、頭位異常の軽減)が定まります。

所見としてはV pattern、正面視でのhypotropia、頭位異常などが挙げられますが、すべてが揃うわけではないため、まずは眼球運動のパターン記載(どの方向で、どの程度制限されるか)を丁寧に残すのが有用です。

後天性の一部では「痛み」や「クリック感」を伴い得ることが整理されており、問診で見落とさないと炎症性(trochleitis/周滑車炎)を疑う材料を失います。

上斜筋腱鞘症候群の診断(ひっぱり試験と画像検査)

診断は、眼球運動検査・眼位検査で内上転制限を確認し、必要に応じて「ひっぱり試験(forced duction test)」などで機械的制限を評価し、筋電図や画像検査も組み合わせて総合判断します。

特に「麻痺」ではなく「制限」であることを押さえると鑑別が進み、画像は後天性・非典型例で原因(炎症、腫瘤、外傷/術後変化)を探る位置づけになります。

CTは骨性変化や外傷/術後の評価に、MRIは軟部組織(炎症、腫瘤、滑車周囲)の評価に役立つとされ、正常画像でも炎症性を否定できない点が臨床上の落とし穴です。

鑑別としては、下斜筋麻痺、上斜筋過動、double elevator palsy、眼窩骨折の筋絞扼、先天線維症候群などが挙げられ、制限パターン(内転だけか、内転+外転か)と外傷歴の有無が整理の軸になります。

参考:原因・症状・診断(ひっぱり試験、画像検査)と治療(経過観察・原因治療・手術)の全体像

特殊型の斜視 | 日本弱視斜視学会

上斜筋腱鞘症候群の治療(経過観察とステロイドと手術)

治療は「経過観察」「原因治療」「手術」を並列に持つのが現実的で、先天性では自然軽快があり得るため、正面視での眼位と頭位異常、両眼視機能への影響を見ながらの観察が基本になりやすいです。

後天性は原因により自然軽快の見込みが変わるため、炎症性疾患や感染、外傷・術後など背景因子の評価が治療選択そのものになります。

炎症が疑わしい後天性では、NSAIDsや全身ステロイド、滑車部への局所ステロイド投与が選択肢として整理されており、早期の滑車内ステロイドで改善した報告群もレビューにまとめられています。

手術は、正面視のhypotropiaや顕著な頭位異常がある場合などに検討され、上斜筋腱のtenotomy/tenectomy、silicone tendon expander など複数手技が整理されています。

一方で、自然軽快の可能性がある疾患である以上、「手術で何をどこまで改善したいか」(頭位異常、正面視、整容、複視)を術前に明確化し、過矯正(上斜筋麻痺様)などの合併症も含めて説明の筋道を作ることが重要です。

医療従事者向けの説明では、「観察を選ぶ根拠(自然軽快の存在)」と「待ちすぎない条件(正面視の偏位が強い、頭位異常が固定化、両眼視や生活支障が大きい)」を同時に提示すると合意形成がスムーズです。onlinelibrary.wiley+1​

上斜筋腱鞘症候群の独自視点(痛み・頭痛と周滑車部)

検索上位の一般解説では「内上転制限」「頭位異常」「複視」に焦点が当たりやすい一方、現場では“痛み”があるかどうかが初期対応を変えることがあります。

後天性では、周滑車部の炎症(tendon–trochlear inflammation)により制限が生じ得ると整理されており、痛みやクリック感を伴うケースがあることが示されています。

この文脈で、眼窩滑車部の炎症は、上斜筋が関わる眼球運動で増悪しうる眼痛や前頭部痛を起こしうる、という整理があり、単なる「斜視の運動制限」ではなく「疼痛疾患」として拾う視点が役立ちます。

参考)https://www.jhsnet.net/pdf/ICHD3_up/011_02057_2_13.pdf

痛みが前景に立つ患者では、斜視手術の前に炎症評価(既往:関節リウマチ、甲状腺眼症、感染、外傷、術後)と保存的治療への反応を見る優先順位が上がり、説明も「筋肉の麻痺ではなく、滑車周囲の炎症/腫脹で腱の滑りが悪い可能性」という形にすると納得されやすいです。onlinelibrary.wiley+1​

参考:滑車または上斜筋鞘の炎症と眼痛・前頭部痛の関係(疼痛の拾い上げに有用)

https://www.jhsnet.net/pdf/ICHD3_up/011_02057_2_13.pdf

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