リウマチ熱 症状 ゴロ
リウマチ熱 症状 ゴロで覚えるJonesの5大症状
リウマチ熱(急性リウマチ熱)は、A群溶血性レンサ球菌(溶連菌)感染後の免疫反応で起こる炎症性合併症で、症状が多臓器に及びます。
医療者がまず押さえるべきは、いわゆる「Jonesの5大症状(大症状)」で、臨床では“ゴロ”で即座に想起できる形にしておくと見落としが減ります。
代表的なゴロは複数ありますが、重要なのは暗記そのものより「患者の訴え・診察所見を5大症状へ結びつける」ことです。
【Jonesの5大症状(大症状)】
参考)Table: 急性リウマチ熱(ARF)初発時の改変Jones…
- ❤️ 心炎(carditis):心雑音の新規出現、心不全症状など。※心内膜(弁)主体だが心筋炎・心膜炎を伴うことも。
- 🦵 移動性多関節炎(migratory polyarthritis):大関節に起こり、痛みが“移動”するのが典型。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7545269/
- 🧠 舞踏運動(Sydenham chorea):踊るような不随意運動、筋力低下や情緒不安定を伴うことがある。
- 🧴 輪状紅斑(erythema marginatum):輪のような紅斑。頻度は高くないが特異性が高い所見として重要。
- ⚪ 皮下結節(subcutaneous nodules):皮膚の下の小結節。頻度は低いが、見つかれば強い示唆所見。
“ゴロ”は多様で、学習サイトでは「町内部の日陰を競輪で移動」などの形で、心内膜炎(心炎)、舞踏運動、皮下結節、輪状紅斑、移動性多関節炎をまとめて覚える例が提示されています。
参考)【Jones診断基準】リウマチ熱の5大症状の覚え方・ゴロ【C…
ただしゴロによっては「稽留熱」などJonesの大症状ではない語が混ざることがあるため、国試・臨床ともに「5大症状=Jones大症状」を軸に再整理しておくのが安全です。msdmanuals+1
リウマチ熱 症状 ゴロと一致する関節炎・発熱の特徴
リウマチ熱で最も多い症状は関節炎で、複数関節に痛みが出て、部位が移動することが特徴とされています。
AHAのJones基準の解説でも、典型的な関節炎は「移動性多関節炎」で、膝・足関節・肘・手関節など大関節に起こりやすいことが述べられています。
また、サリチル酸系やNSAIDsで速やかに改善しやすいことが“らしさ”として挙げられており、先に鎮痛解熱薬が入る現場ほど、問診で時系列を丁寧に拾う必要があります。
発熱は小症状(minor)として扱われ、AHA 2015改訂Jones基準では集団リスクにより閾値が異なる点が重要です。
- 低リスク集団:38.5℃以上が小症状の目安。
- 中〜高リスク集団:38℃以上が小症状の目安。
実地では、咽頭炎が軽快した後に「発熱+関節痛」で受診し、呼吸器症状が乏しいため鑑別が広がりやすいのが難所です。
さらに、関節症状が落ち着いてから皮疹(輪状紅斑)や皮下結節が見つかることもあるため、皮膚所見は“ついで”ではなく毎回きちんと探す価値があります。
リウマチ熱 症状 ゴロに入れたい心炎と心エコー
リウマチ熱の心臓病変は後遺症を残し得るため、診断・フォローの要であり、済生会の解説でも弁の炎症→逆流→心雑音・心不全へ至る流れが説明されています。
AHA 2015改訂Jones基準では、心雑音など臨床的心炎だけでなく、心エコーでのみ検出される「subclinical carditis(無症候性/臨床的に明らかでない心炎)」の重要性が強調され、疑い例・確定例のいずれでも心エコー(ドプラ)を行うことが推奨されています。
臨床で“意外に効く”のは、心炎を「聴診で拾えなければ終わり」にしない姿勢です。
AHA文書は、疑い例を含めて心エコー/ドプラ検査を行い、一定の所見(例:病的逆流の基準)を満たす場合に心炎として評価する考え方を示しています。
この設計は、医師の聴診スキル差や、忙しい外来での軽微な雑音の見落としを補う意味があり、医療安全の観点でも合理的です。
【心炎を疑うときの現場メモ】
- 🫀 新規心雑音、息切れ、胸痛、浮腫、頻脈はもちろん要注意。
- 🧾 心電図も有用で、PR延長はJones小症状として扱われます(ただし年齢差の考慮が必要)。
- 🔁 初回エコーで否定的でも、症状が続く場合に“経時で再評価”を検討する余地があるとされています。
リウマチ熱 症状 ゴロだけで危ない鑑別と溶連菌の証明
リウマチ熱は「症状の寄せ集め」で見えてくる疾患で、単一の検査だけで確定する病気ではありません。
済生会の解説では、溶連菌感染を示すために咽頭培養・迅速抗原検査、また血液で抗体上昇を確認し、炎症反応(CRPなど)も参考にすると整理されています。
AHA文書でも、ASO(抗ストレプトリジンO)などの抗体価は“単回高値”より“上昇(rising)”の方が強い証拠になる点が明示されています。
この領域の落とし穴は、「咽頭痛がもう無いから溶連菌じゃない」と短絡することです。
舞踏運動は潜伏期間が長く、症状出現時点で溶連菌感染の証拠が取りにくいことがあるため、数カ月内の既往や周囲の流行状況など、情報を掘り起こす必要があります。
また、AHA文書は鑑別として、関節炎・心炎・舞踏運動それぞれに多くの代替疾患(感染性心内膜炎、ウイルス性関節炎、膠原病、薬剤性など)を挙げており、「ゴロで当てはまる=確定」ではないことを強調しています。
【臨床でのチェック(例)】
- ✅ 直近の咽頭炎/扁桃炎の有無、家族・学校での溶連菌流行。
- ✅ 抗菌薬内服が不十分/中断の既往(自己中止など)。
- ✅ 炎症反応(CRPなど)がほぼ正常なら、(孤立性舞踏運動を除き)診断を再考すべき、という視点。
リウマチ熱 症状 ゴロの独自視点:舞踏運動は「神経症状」より「コミュニケーションの変化」
舞踏運動は踊るような不随意運動として説明されますが、現場では典型的な“四肢の派手な動き”として出そろわないことがあり、言語・情緒・微細運動の変化として現れることがあるとされています。
済生会の解説でも、話し方が少しおかしいなど小児では分かりにくいことがある、と明記されており、ここは検索上位の「5大症状まとめ」だけを追うと見落としやすいポイントです。
AHA文書も、舞踏運動が筋力低下や情緒不安定を伴うこと、鑑別としてチック、薬剤、ウィルソン病、SLEなどを除外する必要があることを挙げています。
そこで独自の臨床メモとして、舞踏運動を「神経学的所見」だけで捉えず、“コミュニケーションと生活機能の変化”として拾う観点を提案します。
- 🗣️ 話す速度が不自然、発音が乱れる、言い直しが増える(家族が先に気づくことがある)。
- ✍️ 字が急に崩れる、箸操作がぎこちない、落ち着きがない(ADL/IADLの変化として聞き出す)。
- 😟 感情の起伏が増えた、学校でのトラブルが増えた(情緒不安定を“性格の問題”にしない)。
この切り口は、救急・一般外来で「関節痛はないが何となく変」という受診理由のとき、リウマチ熱を鑑別に残す助けになります。
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小児科向け疾患解説(症状、検査、治療、再発予防の考え方)。
AHA 2015改訂Jones基準(心エコー/ドプラ、subclinical carditis、診断枠組みの詳細)。
Circulation: Revision of the Jones Criteria (AHA 2015)

すぐに使えるリウマチ・膠原病診療マニュアル改訂版〜目で見てわかる、関節痛・不明熱の鑑別、治療、専門科へのコンサルト