レセプトオンライン請求と接続できない対策手順書

レセプトオンライン請求と接続できない

レセプトオンライン請求 接続できない時の全体像
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まずは「障害」か「設定」かを分ける

同じ「接続できない」でも、アクセス集中・メンテナンスのような外部要因と、回線認証・ID/パスワード・証明書など院内側の要因で対応が分かれます。

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切り分けは「物理→認証→証明書→送信」

LANケーブル・機器再起動→回線認証→証明書ストア→送信中断の扱い、の順に確認すると手戻りが減ります。

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相談先を間違えない

ネットワーク接続(IP-VPN/ISDN)はネットワークサポートデスク、インターネット(IPsec+IKE)は提供事業者、というように窓口が分かれます。

レセプトオンライン請求で接続できない原因の切り分け(回線認証・エラー651/691)

 

レセプトオンライン請求で「接続できない」ときは、最初に“院内の物理・端末環境”なのか、“回線認証や認証情報”なのかを分けて考えると復旧が速くなります。オンライン請求システムのQ&Aでも、エラー651はネットワーク環境・パソコン環境に起因しやすいとして、LANケーブルの緩み確認や機器の電源入れ直しが基本手順として示されています。

特に見落としがちなのが「一度はつながっていたのに急に接続できない」ケースで、IP-VPN(IPv6)では回線認証サイトを再度確認し、「認証済みです。」表示を確認する手順が案内されています。回線契約の追加・変更・コラボ光への変更、回線移転や故障などでIPv6アドレスが変わると、回線認証の画面が再表示される場合があるため、ネットワーク側の変更履歴をチームで共有しておくと切り分けが容易です。

接続エラーの代表例として、エラー691(ユーザー名・パスワード不一致、または認証プロトコルが許可されない)が挙げられます。Q&Aでは、接続不能原因で最も多いのはネットワークID・ネットワークパスワードの誤入力であり、「I(大文字アイ)/l(小文字エル)/1(数字イチ)」や「O(大文字オー)/Q(大文字キュー)/0(数字ゼロ)」の取り違え、Caps Lock、半角入力など具体的な確認点が提示されています。

ここで重要なのは、単に“入力し直す”のではなく、入力ミスが起きる構造(似た文字、コピー&ペースト時の全角混入、キーボード配列差)を潰すことです。医療現場では複数スタッフが端末を触ることもあるため、次のような「再発防止の手順化」が有効です。

  • ネットワークID/パスワードは「原本確認→手入力→目視で桁数確認」の順にする(コピー貼り付けは全角混入のリスク)。
  • 入力担当者と読み上げ確認者を分け、似た文字(I/l/1、O/Q/0)を都度チェックする。
  • IP-VPNの場合はIDの桁構成(例:8桁+@+8桁)も合わせて確認する。

また「オンライン請求が見つかりません」と表示されるケースでは、接続設定自体が消えている可能性があるため、書面(ネットワークID・ネットワークパスワード記載)を用意してネットワークサポートデスクへ問い合わせる運用が推奨されています。院内で無理に復元しようとして設定を上書きすると、別の不整合を作りやすい点に注意が必要です。

参考リンク(エラー651/691、回線認証、設定消失など“接続できない”の一次切り分けに有用)。

オンライン請求システムサポートサイト(回線接続Q&A)

レセプトオンライン請求で接続できない時のネットワーク確認(IP-VPN・IPsec+IKE・PPPoE/IPoE)

レセプトオンライン請求は、ネットワークの方式によって「確認すべきポイント」と「相談先」が変わります。支払基金の案内では、IP-VPN(IPv4)はPPPoE接続、光回線(IPv6)によるIP-VPNはIPoE接続になるとされ、設定確認はセットアップ手順書を参照するよう示されています。

さらに、ネットワーク接続種別がIP-VPN/ISDNの場合はネットワークサポートデスク、回線種別がインターネットの場合はIPsec+IKEサービス提供事業者に問い合わせるよう明確に分けられています。現場ではこの「窓口の違い」を誤ると復旧が遅れるため、院内マニュアルに“契約回線の種別(IP-VPNか、IPsec+IKEか)”と“連絡先”を1ページにまとめておくのが実務的です。

IPsec+IKEについては、支払基金の説明で「IPsecは暗号化した通信経路を構築する技術、IKEは電子鍵の交換技術」であり、両者を組み合わせてインターネット上でも閉域IP網を使うIP-VPN接続と同等のセキュリティを確保する仕組みとされています。つまり、接続できないときの問題は単なる到達性(ネットにつながるか)だけでなく、暗号・鍵交換の失敗、機器側の設定不整合として出ることがあります。

このとき「インターネット閲覧ができる=オンライン請求も必ずつながる」ではありません。院内ネットワークの変更(ルータ交換、回線切替、IPv6の有効/無効変更)で、IPsecトンネルや認証が成立しない状態が発生し得るからです。

支払基金のFAQには、オンライン請求ネットワークの接続が完了していない可能性があるため接続を確認すること、またIP-VPN(IPv4)接続でIPv6設定が有効になっていたら無効化を求める案内もあります。ここは院内SEやベンダーが介入しやすい領域なので、「いつから」「何を変更したか」を時系列で整理して相談すると解決が速くなります。

  • 回線・ルータ・スイッチングハブを交換した(機器更新の翌日から接続できない)。
  • 光回線の契約変更(IPv4/IPv6、コラボ光、プロバイダ変更)を行った。
  • 院内LANの構成変更(セグメント変更、VLAN追加)を行った。

参考リンク(ネットワーク方式と相談先、IPsec+IKEの説明がまとまっている)。

支払基金:オンライン請求(ネットワークFAQ)

レセプトオンライン請求で接続できない時の電子証明書(信頼されたルート証明機関)

レセプトオンライン請求で“画面は開くが先へ進めない”“証明書の警告が出る”“ログインや送信で弾かれる”場合、電子証明書まわりの不整合が原因になりやすい領域です。オンライン請求システムサポートサイトの「困ったときは」では、「この証明書は信頼されていない」というメッセージが出る場合、「信頼されたルート証明機関」に電子証明書が正しくインポートされているか確認し、正しくない場合は再度環境設定を行うよう案内されています。

証明書トラブルは、OS更新やブラウザ更新、端末入替、ユーザー権限変更など“医事会計ソフトの変更ではない作業”で発生することもあるため、月初・提出期限前に点検する運用が安全です。

実務でありがちな落とし穴は「証明書が3つあって混乱する」ことです。現場向けの解説でも、最初に入れる2つは発行機関を信頼するためのルート証明書、最後の1つが利用者の電子証明書(オンライン請求ネットワークからダウンロード)で、役割が違うと整理されています。つまり、どれか1つだけ入っていても動かない構造になり得ます。

また、証明書の保管場所(Windowsの証明書ストア)を誤ると、入れたつもりでもブラウザや送信ツールから参照できず、結果として「接続できない」「認証できない」に見えることがあります。

点検・復旧の観点では、次の順番に確認すると現場で迷いにくいです。

  • 証明書エラーの文言をスクリーンショットで残す(同じ“接続できない”でも原因が違う)。
  • 「信頼されたルート証明機関」にルート証明書が入っているか確認する。
  • 端末入替時は、証明書の再インポートと、送信アプリ側の証明書選択が必要か確認する。

参考リンク(“信頼されたルート証明機関”へのインポートが必要と明記)。

オンライン請求システムサポートサイト(困ったときは)

レセプトオンライン請求で接続できない混雑(提出期限・アクセス集中)

院内側の設定をいくら確認しても直らない場合、外部要因として「アクセス集中で接続しにくい」状況があり得ます。実際に、診療報酬オンライン請求システムが“正常稼働しているがアクセス集中で処理が進みにくい”状況が発生し、つながりにくい場合は時間をおいて再接続するよう呼びかけた事例が報道されています。提出期限が近いタイミングは利用者が一斉に送信するため、体感として「昨日までできたのに今日だけ接続できない」になりやすい点が特徴です。

このタイプの“接続できない”は、院内のLANケーブルや証明書を触っても改善しないため、切り分けとして早めに「お知らせ」や関係機関の障害情報を確認するのが合理的です。

混雑対策としては、技術的な改善よりも業務運用の工夫が効きます。例えば「受付最終日(10日)や休日が続く月はアクセスが集中し接続しづらい」といった注意喚起を載せている国保連合会もあり、送信タイミングの分散が現場で実行可能な対策になります。

具体的には、医事課内で“締め処理→送信”を1人に集中させず、準備(点検・バックアップ・エラー処理)を前倒しにして、送信だけ早朝・昼休み・夜間など比較的空く時間帯に回すと、同じ設備でも成功率が上がることがあります。

  • 送信のピークを避ける(最終日の日中を外す)。
  • 「接続できない」時に、まず障害情報やお知らせを確認する担当を決める。
  • 提出期限直前は“設定変更禁止”にして、状況を悪化させない。

参考リンク(アクセス集中でつながりにくい状況の具体例)。

日経XTECH:診療報酬のオンライン請求システムがつながりにくい状況に

レセプトオンライン請求で接続できないを減らす独自視点(院内の変更管理・送信中断・セキュリティ)

検索上位の多くは「今つながらない時の対処」に寄りがちですが、医療機関の現場では“再発させない”設計のほうが長期的な価値になります。支払基金のFAQでは、医療機関側がデータ送信中に回線が途切れた場合、データが抹消されるため回線復旧後に再送信が必要とされています。つまり、提出期限ギリギリで送信を開始し、途中で回線断が起きると、復旧後に“最初からやり直し”になり、心理的に「接続できない」感が増幅します。

この仕様を踏まえると、送信作業は「回線が安定している時間帯」「院内のネットワーク変更が入っていない日」に寄せるのが、実務上の最適解になりやすいです。

次に、意外と盲点になるのが“変更管理”です。回線認証が再度必要になる例として、インターネット契約追加・変更・コラボ光への変更、回線移転・故障等によるIPv6アドレス変更が挙げられています。ここから分かるのは、オンライン請求が止まる原因は医事課の操作ミスだけでなく、総務・事務・外部工事(回線工事、ルータ更改)の影響でも起きるということです。

そのため、オンライン請求の提出スケジュールと、院内のネットワーク変更予定(工事、機器入替、配線変更)を同じカレンダーで管理し、提出直前は変更凍結するルールを作ると事故が減ります。

さらに、無線LAN利用については「利用者の責任において利用」「盗聴等を防止するため暗号化を有効に」といった注意も示されています。接続できない問題の裏側で、暗号化方式変更やセキュリティ設定強化(例:古い暗号方式の無効化)が、想定外の通信遮断を招くこともあります。セキュリティと可用性のバランスを取るには、医療情報システムの安全管理に関する公的ガイドラインも参照しつつ、ベンダーと“影響評価→段階適用”の手順で進めるのが安全です。

  • 提出直前は回線・ルータ・証明書の変更を凍結する(変更管理)。
  • 送信開始前に、回線状態と認証状態をチェックする“点検チェックリスト”を作る。
  • 送信中断時は「データが抹消される」前提で、再送信の手順と担当者を明確にしておく。

参考リンク(送信中断時の扱い、変更時の注意、無線LAN利用時の注意など運用設計に役立つ)。

支払基金:オンライン請求(ネットワークFAQ)

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