偽翼状片 とは 外傷 熱傷 化学眼外傷 角膜潰瘍

偽翼状片 とは

偽翼状片の診療で押さえる3点
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まず定義:炎症・外傷の修復過程

熱傷・化学眼外傷・角膜潰瘍などの治療過程で、翼状片に似た所見として出現する点が中核です。

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鑑別:形状と発生部位の「らしさ」

三角形で鼻側優位の典型像から外れる、上下・耳側からの発生、角膜菲薄化などは偽翼状片を疑う手がかりになります。

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対応:症状・乱視・視力低下で方針決定

点眼で完治はしない前提で、経過観察・手術適応・術後管理(炎症コントロール)を組み立てます。

偽翼状片 とは 定義と原因(熱傷・化学眼外傷・角膜潰瘍)

偽翼状片は、熱傷や化学眼外傷、角膜潰瘍などの炎症性角膜疾患の治療過程で、翼状片に似た外見・所見として出現する状態です。

一般の「翼状片」が慢性的な刺激(紫外線や乾燥など)と関連して語られるのに対し、偽翼状片は「明確なトリガー(外傷・熱傷・化学物質・感染や潰瘍など)」が先行しやすい点が診療上の入り口になります。

病態イメージとしては、角膜上皮欠損〜実質炎症が起きた後の治癒過程で、結膜側の組織が角膜側へ癒着・侵入して“膜が伸びてきたように見える”ことがポイントです。

臨床での聞き取りでは、以下を意識すると原因同定に近づきます。

  • 🧪 化学眼外傷:洗眼の有無、受傷から受診までの時間、アルカリ/酸の可能性。

    参考)翼状片、偽翼状片

  • 🔥 熱傷:溶接・調理・花火など具体的状況、片眼性か両眼性か。​
  • 🦠 角膜潰瘍:コンタクトレンズ使用、既往の角膜炎・点眼歴、疼痛や羞明のエピソード。​

参考:公的団体の解説(「偽翼状片は熱傷・化学眼外傷・角膜潰瘍などの治療過程で出現」「治療は翼状片と同じ」などの要点)

日本眼科医会:翼状片(類似疾患として偽翼状片の原因・位置づけ)

偽翼状片 とは 翼状片との違い(形状・発生部位・予後)

翼状片は典型的には鼻側の結膜から角膜へ三角形に侵入し、血管を伴って“赤く目立つ”外観を取りやすいと説明されます。

一方、偽翼状片は翼状片に似て見えても、三角形ではなかったり、上下や耳側から発生したり、角膜の菲薄化を伴うことがある、とされています。

この「典型像からの外れ」は鑑別のヒントで、患者説明でも“翼状片っぽいけれど、成り立ちが違うタイプがある”と伝えると理解が進みます。

医療者向けに整理すると、鑑別の軸は次の3つです。

  • 👀 部位:鼻側優位の“らしさ”が薄い(上下・耳側も)。

    参考)翼状片、偽翼状片

  • 🔺 形:三角形でない、境界や走行が不規則。​
  • 🧻 角膜所見:菲薄化や瘢痕性変化が背景にある可能性。​

また、翼状片も偽翼状片も「悪性ではない」「似た症状(充血、異物感、乱視による見えにくさ)を取り得る」ため、最初の問診・視診だけで断定せず、原因イベント(外傷・潰瘍など)と所見の整合で詰めるのが安全です。

偽翼状片 とは 症状(充血・異物感・乱視・視力低下)と受診契機

翼状片・偽翼状片はいずれも、ゴロゴロ感(異物感)や充血が主な症状になり得て、進行や牽引により乱視が増強し視力低下に至ることがあります。

角膜中央付近まで侵入すると乱視が悪化し、視力が低下するため切除が必要になる、という整理は翼状片の一般論として重要で、偽翼状片でも“視機能への影響”が方針決定の核になります。

一方で偽翼状片は無症状のこともあるとされ、見た目(白い膜が黒目にかかる)を指摘されて受診するケースも臨床的には想定されます。

見逃しやすいポイントとして、「痛みが強い=重症」「痛みがない=軽症」と単純化しないことが挙げられます。

  • 🧠 痛みが乏しくても、角膜形状の変化(乱視)で見え方の質が落ちることがある。

    参考)https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=15

  • 👓 乱視変化は自覚されにくく、片眼性だと気づきにくい(健眼で補正される)。​
  • 🧷 既往の外傷・角膜潰瘍が“過去の話”として忘れられていることがあるため、時系列を丁寧に掘る。​

外来での説明例(患者向けの言い換え)

  • 「膜そのものは悪性ではないことが多いです。」​
  • 「ただ、黒目の形が引っ張られると乱視が増えて見えにくくなるので、見え方の変化は大事なサインです。」​

偽翼状片 とは 検査と治療(点眼・経過観察・手術)

翼状片・偽翼状片は、点眼で完治しないため、根本治療は手術が必要になる、という枠組みで説明されます。

ただし病変が小さく症状が軽い場合は、充血やゴロゴロ感に対して点眼で対症療法を行いつつ経過観察とする運用が一般的です。

また、翼状片の治療としては外来手術で行われることが多い一方、再発が問題となるため、手術適応とタイミングが重要とされています。

実務上は「視機能」と「炎症性背景」を同時に見るのがコツです。

  • 🔍 所見の記録:侵入距離、角膜中心との位置関係、血管の目立ち、角膜菲薄化の有無。​
  • 🧴 併存因子:乾燥や慢性刺激が疑われる場合は、表面環境の整備(点眼)で症状が動くことがある。​
  • 🧑‍⚕️ 手術の説明:単純切除だけで再発しうるため、再発抑制の工夫が議論される領域である。​

医療安全の観点では、偽翼状片を「翼状片と同じ」と雑に扱いすぎないことも大切です。偽翼状片は原因が外傷・炎症で、角膜菲薄化など“基礎病変の痕跡”を伴う可能性が示されているため、術前評価で角膜状態(薄さ・瘢痕)を丁寧に確認する臨床的意義があります。

偽翼状片 とは 独自視点:化学眼外傷の初期対応が“将来の偽翼状片”を左右する

偽翼状片は化学眼外傷の治療過程で生じ得る、と明記されています。

つまり、受傷直後の初期対応(十分な洗眼、重症度評価、上皮欠損や炎症のコントロール)は、単に“その場の視機能”だけでなく、後日に生じる表面癒着や膜状病変(翼状片様所見)にも影響し得る、という見方ができます。

検索上位の一般向け記事では「症状・手術」の説明に寄りがちですが、医療従事者向けの価値は「原因イベントの医療介入が、後遺所見の形を決める可能性」を共有する点にあります。

現場で役立つ“予防的な視点”として、次をチームで共有するとよいです。

  • 🚿 受傷直後:化学眼外傷は時間依存性が高いので、まず洗眼と曝露量の低減を優先し、その後に詳細評価へ進む運用にする(施設プロトコル化)。​
  • 🧾 経過フォロー:治癒後も、角膜周辺部の癒着・菲薄化、翼状片様所見の出現を“後期合併”として説明し、再診導線を用意する。​
  • 🗣️ 患者教育:過去の外傷歴が将来の所見に繋がるため、「昔のけがでも診断の手がかりになる」ことを伝えて問診精度を上げる。​

参考:症状・原因(紫外線/乾燥と翼状片、熱傷・化学眼外傷と偽翼状片)、治療(点眼で完治しない、手術が根本)を簡潔に確認できるリンク

西島眼科:翼状片、偽翼状片(原因・症状・治療の要点)