急性視神経炎 症状
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急性視神経炎 症状:視力低下・視野欠損・中心暗点の出方
急性視神経炎の主症状は視力障害で、数日以内にピークへ達し、中心暗点〜完全失明まで幅があります。
視野欠損は患者の表現が多彩で、「真ん中が見えない(中心暗点)」「白っぽく霞む」「一部が欠ける」といった訴えとして出ます。
医療面接では「急に見えなくなった」の一言で片づけず、いつから増悪し、どの範囲が、どの条件で悪化するか(明所・暗所、遠見・近見、片眼遮閉での自覚)を言語化させると、視神経由来の“像の質の低下”を拾いやすくなります。
また、視神経炎は乳頭所見が常に目立つとは限らず、炎症が球後性で視神経乳頭に変化が乏しいケースが多い点が落とし穴です。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/e478bc1f576c1aff17ac1ee310c428ac2793c5a5
「眼底がきれい=視神経炎ではない」と短絡せず、視野・色覚・対光反応をセットで確認する姿勢が重要です。
視野検査では中心暗点だけでなく、上半分/下半分が見えにくいなどの訴えもあり得るため、簡易でもよいので視野の“方向性”を把握してから定量検査へ進めると情報が整理しやすくなります。
参考)302 Found
急性視神経炎 症状:眼痛・眼球運動時痛・眼窩深部痛
痛みは「軽度の眼痛」を伴うことが多く、特に眼球運動で増悪するのが典型的な手掛かりです。
兵庫医科大学病院の説明でも、眼球運動時に眼や眼の奥が痛む(眼窩深部痛)が症状として挙げられています。
救急や外来では、患者が“頭痛”と表現して受診することもあるため、疼痛部位を「眼球の奥」「上眼瞼の裏側」「こめかみ」などに分解して聴取すると、視神経炎らしい運動時痛の輪郭が見えます。
注意点として、痛みが乏しい視神経障害も存在します(たとえば虚血性視神経症など)ため、「痛みがないから視神経炎ではない」とも言い切れません。
一方で視神経炎は自然回復することもあるため、痛みが軽く視力低下も軽度だと受診が遅れやすい点が実臨床上のリスクです。jstage.jst+1
「自然に回復する場合もあるが、治療が遅れると後遺症が強く残ることがある」というメッセージは、症状が軽い患者ほど丁寧に伝える価値があります。
急性視神経炎 症状:色覚異常と対光反応(RAPD)のヒント
視神経炎では色覚異常が重要な所見で、視力障害の程度に比して色覚の落ち方が目立つことがある、とされています。
兵庫医科大学病院の資料でも「赤や緑が色あせて見える」ことがあると明記されており、問診で拾える所見です。
医療者側は「色覚検査は専門的」と感じがちですが、実際には“赤が薄い/茶色っぽい”“信号がくすむ”などの自覚を言語化してもらうだけでも、視神経の関与を疑うきっかけになります。
また片眼性が多い疾患特性上、相対的求心路障害(RAPD)は非常に有用な手掛かりになります。
参考)日本小児眼科学会
診察が短時間でも、視力・色覚(簡易)・対光反応(Swinging flashlight test)を一連で行うと、「主観症状」→「機能所見」へ橋渡しができます。
色覚検査には先天異常などの交絡があり得る点も指摘されているため、単独で断定せず“他所見との整合”を優先します。
急性視神経炎 症状:MRI・採血(抗AQP4抗体・抗MOG抗体)と鑑別の考え方
視神経炎が疑われる場合、脳と眼窩のガドリニウム造影MRIが望ましく、視神経の腫脹や信号変化を捉えるだけでなく、MSやNMOSD、MOGADの評価にも役立ちます。
MS関連が疑われるときはFLAIRで脳室周囲の典型的脱髄病変が見えることがあり、将来の脱髄疾患リスク評価としてもMRIが位置づけられています。
さらに、非典型または重度の視神経炎では血清のNMO(AQP4)抗体やMOG抗体を検査すべき、とされています。
兵庫医科大学病院の資料でも、採血で感染症や特殊な自己抗体を調べ原因を特定する流れが説明されています。
ここでの実務的な分岐は、「典型的な片眼・眼球運動痛・自然軽快しやすい像」だけを追うのではなく、“両眼性”“重症”“再発”などの要素が混じるかを確認し、NMOSD/MOGADを取り逃さないことです。jstage.jst+1
意外に見落とされるのは薬剤・毒性の鑑別で、メタノールやエタンブトールなどが視神経障害を起こしうる点が整理されており、服薬歴・曝露歴の聴取が必須になります。
急性視神経炎 症状:独自視点として「自然回復しやすい」説明が受診遅れを作る
視神経炎の多くは自然寛解し、2〜3カ月以内に視力がかなり回復することが多い、とされています。
しかし同じ資料内で、NMOやMOGADなどの基礎疾患がある場合は再発率が高く、特にNMOでは視力回復が不良となる可能性がある点も示されています。
つまり「視神経炎は治ることが多い」という一般論を前面に出すほど、患者は受診を先延ばしにし、医療側も緊急度の判断が鈍るという“コミュニケーション由来の遅れ”が起こり得ます。
このギャップを埋めるには、説明を二層に分けるのが実務的です。jstage.jst+1
- 層1(安心の提供):自然回復する例はある。
- 層2(行動の促進):ただし治療が遅れると後遺症が強く残ることがあり、重症例や特定病型(NMOSD/MOGAD疑い)では早期治療で転帰が変わり得る。jstage.jst+1
急性期治療の基本として、兵庫医科大学病院の資料ではステロイドパルス療法が基本で、効果不十分なら血漿浄化療法や免疫グロブリン療法が行われると整理されています。
MSDマニュアルでも高用量コルチコステロイドが回復を早め得ること、重症例やNMO発作では血漿交換が用いられること、低用量プレドニゾン単独は再発を増やす可能性があることが述べられています。
この「自然回復することもあるが、病型によっては“急ぐべき視力低下”」という二面性こそ、症状記事で医療従事者が強調すべきコアメッセージになります。jstage.jst+1
原因・検査・治療の全体像(視力検査、視野、OCT、MRI、採血、ステロイドパルス、血漿浄化、IVIG)がコンパクトにまとまった患者向けPDF(医療現場で説明材料にもなる)
https://www.hosp.hyo-med.ac.jp/library/pdf/ophthalmology/10.pdf

多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023