クリップアプライヤと内視鏡と腹腔鏡の結紮

クリップアプライヤと結紮

クリップアプライヤと結紮の要点
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まず「種類」を分けて考える

内視鏡クリップ(消化管止血など)と、結紮クリップ(血管・管腔の閉鎖)では目的もリスクも異なります。

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サイズ・互換性が安全性を左右

クリップサイズとアプライヤの対応関係、トロッカー径、カラーコードなど「合う組合せ」の担保が基本です。

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合併症は「手技」と「運用」で減らせる

後出血・穿孔・脱落・誤装填などを想定し、手順の標準化と点検フローを作ると再現性が上がります。

クリップアプライヤの内視鏡の適応

 

内視鏡領域で「クリップ」という言葉が出たとき、まず整理したいのは“何を閉じるクリップか”です。消化管内視鏡で一般的に語られる内視鏡クリップは、出血点の圧迫止血や、処置後の出血予防などを目的に用いられることが多く、患者負担の軽減に寄与すると説明されています。

一方、腹腔鏡・開腹での結紮クリップ(例:Hem-o-lok、メタルクリップ)は、血管や管状構造の閉鎖を迅速に行うための器材体系であり、内視鏡(消化管)で使う止血クリップと“同じクリップ”として扱うと事故の温床になります。

医療従事者向けに押さえると、内視鏡クリップ処置後に注意すべき代表的合併症として「後出血」と「穿孔」が挙げられ、まれでも起きた場合は迅速な対応が必要だと啓発されています。

参考)大腸ポリープのクリップ処置後の経過と注意点について

この背景から、内視鏡クリップに関しては「適応(止血か予防か)」「リスク説明(後出血・穿孔)」「術後フォローの導線」をセットで設計し、現場の説明品質を均一化することが実務的に重要です。

参考)内視鏡クリップとは?手術前後の注意点と流れを詳しく紹介 – …

現場でよくある落とし穴は、術者側の関心が“留置できたか”に偏り、看護・ME・材料側の関心が“在庫”や“機器名”に偏ることです。内視鏡チームでは、処置のゴールを「留置」ではなく「止血達成(あるいは予防の妥当性)+合併症の早期検知」と再定義すると、記録・説明・観察がつながりやすくなります。

参考(Hem-o-lokの素材特性:X線透過性、CT/MRI/X線に干渉しない等。結紮システム全体の整理にも使える)

結紮ソリューション | ジャパン | Teleflex

クリップアプライヤの腹腔鏡のサイズ

腹腔鏡でクリップアプライヤを扱う際に、いちばんミスが出やすいのは“サイズの整合”です。例えばHem-o-lokのエンドアプライヤでは、シャフト径5mmのものは5mmまたは5.5mmのトロッカーに通して使用し、シャフト径10mmのものは10mm以上のトロッカーに通して使用する、といった具体が示されています。

この情報は「器械出しの準備」だけでなく、「術中に通らない/入れ替えが発生する」という時間ロスや、無理な挿入で器械や組織に余計なストレスがかかる事態を予防する意味でも重要です。

また、結紮クリップは“どのアプライヤでも挟める”わけではありません。Teleflexの結紮ソリューションでは、Hem-o-lokクリップ、Hem-o-lokクリップアプライヤ、Weckメタルクリップアプライヤなどがそれぞれ販売名と届出番号まで含めて整理されており、器材体系としての分離が明確です。

参考)https://www.medicalexpo.com/ja/seizomoto-iryo/kiwado-4882.html

つまり、病院内の運用としては「クリップ(消耗品)」と「アプライヤ(器械)」を同じ棚・同じ名称体系で管理すると、取り違えリスクが上がります。

サイズ管理を“現場で回る形”に落とすには、次のような単純なチェックリストが効きます(入れ子にしない運用がコツです)。

“意外に盲点”なのは、術中の問題が起きた時に「外す道具がない」ことです。少なくともTeleflexの案内では、結紮に用いるクリップにはリムーバのラインアップもあり、必要に応じて脱着できる旨が説明されています。

つまり、万一に備えた「リムーバ常備」が、手技そのものの上手い下手とは別軸で安全性を底上げします。

クリップアプライヤの合併症の予防

内視鏡クリップ(消化管)では、術後に出血・感染・穿孔などのリスクがあり、適切な器具の使用や清潔保持、アフターケアが重要だと説明されています。

大腸ポリープ切除後の領域では、注意すべき合併症として後出血と穿孔が挙げられ、まれでも迅速対応が必要だとされています。

したがって、医療従事者向けの記事としては「合併症=術中だけの話ではない」点を強調し、術後電話・救急受診目安・説明文書の整備まで含めて“予防”と定義するのが現実的です。

結紮クリップ(腹腔鏡・開腹)側の合併症予防は、少し性質が違います。Hem-o-lokの使用方法では、ジョーをカートリッジに挿入する際に垂直にして慎重に挿入すること、ジョーをクリップ上に置いてクリック音が聞こえるまでゆっくり挟み込むこと、クリップが確実に保持されていることを確認すること、など“誤装填・不完全装填”を避けるための具体手順が記載されています。

これは、単なるマニュアル記載ではなく、「急いでいるときほど起きる装填ミス」を起こしにくくする設計思想でもあります。

合併症予防を“チーム手順”に落とすなら、術者の技量に依存しすぎない工夫が必要です。例えば次のように、声かけポイントを固定化すると、実際の現場で再現性が上がります。

  • 「サイズ確認(5mm/10mm)よし」:トロッカーとシャフト径の整合を確認する。​
  • 「保持確認よし」:ジョーにクリップが確実に保持されていることを確認する。​
  • 「リムーバ準備よし」:必要に応じて脱着できる体制にする。​

“あまり知られていないが効く”のは、合併症を個別に覚えるのではなく、「誤装填」「不完全閉鎖」「取り違え」「術後観察漏れ」という“起点”で整理することです。

この起点整理は、インシデントレポートの原因分類にも接続しやすく、教育資料としてもそのまま転用できます。

クリップアプライヤの添付文書の使用方法

クリップアプライヤの安全な運用で、最後に効いてくるのが「添付文書に書いてある具体の手順」を、院内手順書に落としているかどうかです。Hem-o-lokの使用方法には、装填時のジョーの入れ方(垂直に)、クリック音を目安にしたゆっくりした挟み込み、保持の確認、トロッカー挿入時にハンドルを押し続ける、といったディテールが含まれます。

このような細部は、経験者には当たり前でも、初学者には“省略されがち”で、結果として不具合が起きたときに再現検証ができません。

また、メーカー側の情報では、Hem-o-lokが非吸収性ポリマーで不活性・非導電性・X線透過性であり、CT/MRI/X線の画像診断に干渉しないといった材料学的な説明があります。

この特性は、術後の画像評価の話題で患者説明や院内カンファレンスに出やすく、器材選定の理由づけとしても使えます。

ここで重要なのは「添付文書の丸写し」ではなく、現場が事故なく回る形に翻訳することです。例えば、装填~留置までを“途中で止めない一連動作”として練習する、クリック音を確認できない環境(騒音・PPE)を想定して「触覚の変化」や「保持確認」を代替指標にする、といった工夫が教育側の価値になります。

さらに、製品体系が複数混在する施設ほど、Teleflexが示しているような「販売名」「届出番号」まで含めた棚卸しと、名称の統一が取り違え防止に直結します。

参考(結紮システム全体:Hem-o-lok/メタル結紮、素材特性、販売名・届出番号の一覧整理に有用)

結紮ソリューション | ジャパン | Teleflex

クリップアプライヤの独自視点の運用

検索上位の多くは「製品カタログ」「手技の説明」「患者向けのクリップ説明」に寄りがちですが、医療従事者に刺さる独自視点としては“運用設計”が強いテーマです。

つまり、クリップアプライヤを「器械」ではなく「プロセス(準備→適応確認→留置→術後観察→トレーサビリティ)」として捉えると、事故が起きた時に改善が回ります。

具体的には、次のような“現場の仕組み”が、意外なほど合併症とインシデントを減らします。

  • 結紮クリップは「ポリマー」「メタル」で箱色・棚位置を分け、Teleflexの製品体系のように名称も分けて扱う。​
  • 5mm/10mmのトロッカー径とアプライヤ径の関係を、ピッキング票に明記して二重化する。​
  • 「リムーバ準備」を標準セット化し、脱着可能な前提をチーム共有する。​
  • 内視鏡クリップ後の観察項目は、後出血・穿孔を中心に患者指導と連動させ、相談目安を明確にする。​

また、教育面では「クリック音が聞こえるまで挟む」という記載を、単なる“音”として教えるのではなく、「ゆっくり挟む」「保持確認する」という一連の安全動作として教える方が、環境差(騒音、緊張、経験)に強いです。

この運用視点は、個人のスキル差を埋めるだけでなく、異動者が多い部署でも質を保つ“仕組み化”として機能します。


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