抗てんかん薬の血中濃度一覧と治療域

抗てんかん薬の血中濃度一覧と治療域の重要性

抗てんかん薬の血中濃度管理
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治療効果の最適化

個々の患者に適した血中濃度を維持し、発作抑制を目指す

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副作用の予防

過剰投与による有害事象を回避し、安全性を確保する

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個別化医療の実現

患者の状態に応じた投与量調整と治療効果の評価を可能にする

抗てんかん薬の血中濃度測定のタイミングと意義

抗てんかん薬の血中濃度測定は、効果的な治療と副作用の予防に不可欠です。測定のタイミングは以下の場合に特に重要となります:

  1. 副作用出現時:血中濃度上昇による副作用が疑われる場合
  2. 服薬状況の確認:アドヒアランスの評価や突発的な発作再発時
  3. 投与量決定時:適切な用量設定のため
  4. 多剤併用療法開始時:薬物相互作用の影響を評価するため
  5. 妊娠前後:妊娠による薬物動態の変化を把握するため
  6. てんかん重積状態治療時:迅速な治療効果の評価が必要な場合
  7. 肝障害・腎障害発症時:代謝・排泄に影響を与える可能性があるため

血中濃度測定により、個々の患者に最適な治療域を確立し、副作用のリスクを最小限に抑えながら、発作抑制効果を最大化することができます。

主要な抗てんかん薬の治療域血中濃度一覧

以下に、主要な抗てんかん薬の治療域血中濃度と薬物動態の一覧を示します:

一般名(略号) 治療域血中濃度(μg/mL) 半減期(時間)
カルバマゼピン(CBZ) 4-12 12-17
フェニトイン(PHT) 10-20 22-40
フェノバルビタール(PB) 15-40 70-130
バルプロ酸(VPA) 50-100 8-16
ラモトリギン(LTG) 2.5-15 24-35
レベチラセタム(LEV) 12-46 6-8
トピラマート(TPM) 5-20 20-30