濾胞性結膜炎 犬 症状 原因 治療 予防

濾胞性結膜炎 犬

濾胞性結膜炎 犬:臨床の要点
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症状

充血・流涙・眼脂に加え、下眼瞼結膜(とくに瞬膜側)にドーム状の濾胞が目立つ。軽症でも「慢性刺激」が背景にあることが多い。

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原因

一次性(体質・免疫反応)だけでなく、ドライアイ、マイボーム腺機能不全、異物、眼瞼疾患、寄生虫(東洋眼虫)など二次性要因の探索が重要。

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治療

基本は局所抗炎症(NSAIDs/ステロイド)+併発原因への介入。重度や難治例では内科治療のみで不十分なことがあり、外科的選択肢も視野。

濾胞性結膜炎 犬 症状:充血・眼脂と濾胞の見分け

 

濾胞性結膜炎の「濾胞」は、結膜の表面がなだらかに盛り上がる粒状(ドーム状)所見として観察され、リンパ組織の反応が形になったものと理解すると整理しやすいです。

臨床的には、充血(hyperemia)、結膜浮腫(chemosis)、眼脂流涙、掻破(セルフトラウマ)などが併発し、左右両眼性で経過が長い例もあります。

観察のコツは「下眼瞼結膜〜瞬膜周囲」をしっかり露出させることです(瞬膜の裏に所見や原因が隠れることがあるため)。

飼い主が訴える主症状は「目やにが増えた」「赤い」「しょぼしょぼする」に集約されやすく、濾胞そのものは見落とされがちなので、診察側が意識的に確認する必要があります。

また、角膜表面の障害(角膜炎・角膜潰瘍)が同居すると、疼痛サイン(羞明、瞬目増加、眼瞼痙攣)が前面に出て、単純な結膜炎として処理されてしまう点が臨床上の落とし穴です。

濾胞性結膜炎 犬 原因:アレルギー・慢性刺激・感染の切り分け

濾胞性結膜炎は、免疫反応(アレルギーを含む)や感染などをきっかけに、結膜のリンパ組織が反応して「濾胞」として見える状態と捉えると、原因検索の方向性が立ちます。

犬の結膜炎治療の概説では、アレルギー性結膜炎で「リンパ濾胞の形成」がみられ得ること、治療の第一選択として局所の抗炎症(ステロイドやNSAIDs点眼)が中心になることが整理されています。

一方で、臨床的に重要なのは「濾胞性結膜炎=それ自体が最終診断」ではなく、背景に慢性刺激(ドライアイ、マイボーム腺機能不全、眼瞼の形態異常、異物、刺激性薬剤、慢性の眼表面炎症)が存在するケースがある点です。

鑑別では、第三眼瞼の異常(例:チェリーアイ=第三眼瞼腺脱出)や睫毛・眼瞼内反なども、見た目の赤み・流涙を作るため、濾胞所見と「別の主因」が混在していないかを常に疑います。

「治療に反応しない」「再発を繰り返す」場合、感染性要因(細菌二次感染、ウイルス、寄生虫)や、そもそもの涙液異常が未評価のままになっていないかを点検するのが安全です。

濾胞性結膜炎 犬 治療:点眼・内服と反応性の目安

犬の濾胞性結膜炎の治療は、基本的に局所の抗炎症が軸になり、臨床像に応じてNSAIDs点眼やステロイド点眼を使い分ける考え方が提示されています。

後ろ向き研究でも、治療として局所抗炎症薬が用いられ、重症度評価や経過観察(反応の速さ)が議論されています。

実地では、角膜病変の有無(フルオロセイン染色など)を確認せずにステロイド点眼へ進むのはリスクがあるため、眼表面の評価を済ませてから治療設計するのが原則です(角膜障害があると治癒遅延などの問題になり得るため)。

また、慢性炎症の根にドライアイマイボーム腺機能不全がある場合、抗炎症だけで一時的に良く見えても再燃しやすく、原因に対する継続管理が重要になります。

一般向けの解説でも、濾胞性結膜炎は軽症では内科治療(点眼や内服)で対応されることが多い一方、重度では内科的治療では治らず手術が選択肢になり得る、という整理がされています。

濾胞性結膜炎 犬 予防:東洋眼虫と瞬膜チェック

意外に見落としやすいのが、東洋眼虫(Thelazia callipaeda)など寄生虫性の眼表面疾患が、結膜炎だけでなく濾胞性結膜炎として見えることがある点です。

獣医師監修の解説では、東洋眼虫症で大量の眼脂を伴う流涙や急性結膜炎に加え、濾胞性結膜炎、結膜浮腫、角膜炎、眼瞼痙攣がみられることがあるとされています。

さらに、少数寄生では目視で見落としやすいため、点眼麻酔後に結膜嚢内、とくに第三眼瞼を反転してしっかり観察する重要性が明記されています。

臨床現場の症例紹介でも、虫体が結膜のひだや瞬膜の裏に潜むため、拡大鏡なども用いて入念に探索・摘出することが強調されています。

予防の観点では、東洋眼虫症に対してフィラリア予防に用いられる抗線虫薬が予防につながり得る、という説明があり、地域性や屋外活動歴(旅行・登山など)を含めた問診が有効です。

濾胞性結膜炎 犬 独自視点:再発例の「薬剤性濾胞」と説明設計

濾胞性結膜炎は「原因(トリガー)→免疫反応→濾胞」という構造で考えると、治療で一度落ち着いても“トリガーが残れば再発する”ことを、飼い主に論理立てて説明しやすくなります。

人医領域の整理ですが、濾胞性結膜炎は点眼薬の長期使用がアレルギー反応の結果として関与するケースがあるとされ、獣医領域でも「刺激性・保存剤・長期点眼」が慢性刺激として働く可能性を念頭に置くと、難治例の見直しに役立ちます。

この観点を診療で使うときは、「薬をやめる」ではなく、(1)本当に必要な点眼を絞る、(2)角膜・涙液・眼瞼の再評価をして“続ける理由”を作る、(3)投薬設計を短い間隔で見直す、の3点をセットで提示すると納得が得られやすいです。

また、眼表面の慢性刺激が背景にあるケースでは、抗炎症で濾胞が引いても“根底となる慢性炎症の原因除去が重要”という整理が症例ベースで語られており、再発予防の説明に直結します。

瞬膜(三眼瞼)を含めた眼表面の診かた(東洋眼虫の見落としを防ぐ観察手順の参考)

犬の東洋眼虫症【獣医師執筆】犬の病気辞典
東洋眼虫は、結膜嚢内にて生活する5~18mm程度の寄生虫です。東洋眼虫症は、西日本で多く見られる感染症で、ショウジョウバエの1種であるメマトイが媒介します。

犬と猫の結膜炎に対する治療薬の全体像(ステロイド・NSAIDs・抗菌薬・涙液異常など治療選択の整理)

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