回旋性眼振 原因とめまい 脳梗塞 小脳

回旋性眼振 原因

回旋性眼振の原因を見落とさない要点
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中枢性を最優先で除外

自発性の回旋性眼振は中枢性めまいで重要な所見になり得ます。

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BPPVは「頭位で誘発」

頭位変換で誘発される垂直回旋混合性眼振は後半規管型BPPVの典型です。

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所見を言語化して共有

方向・成分・潜時・減衰・疲労性を記録すると鑑別と引き継ぎが強くなります。


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回旋性眼振 原因と眼振 分類

回旋性眼振は、眼振の「急速相の向き」によって水平性・垂直性・回旋性に分類される枠組みの中の一つで、眼球がねじれるように反復運動します。

臨床では、注視で誘発される注視眼振、頭の位置で出る頭位眼振、体位変換で出る体位変換眼振など「誘発眼振」の文脈で捉えると、原因の見当がつきやすくなります。

また、先天性と後天性という大きな分け方も重要で、後天性の眼振は動揺視やめまいを伴い、脳や耳の病気(脳梗塞、小脳変性、多発性硬化症など)を背景に持つことがある点が臨床上の警戒ポイントです。

回旋性眼振の「原因」を考える一歩は、①頭位で誘発されるのか(BPPVを想起)、②自発的に出ているのか(中枢性を強く疑う)、③他の神経症候があるのか(中枢性の裏付け)を分けることです。

参考)https://www.semanticscholar.org/paper/c0099472fee0a5f46aa334be6561057d57924a9a

眼振は末梢前庭障害で前庭眼反射を介して出現し、観察すれば病態把握に直結するという基本がある一方で、中枢性めまいでは小脳の抑制制御が絡むため、末梢と同じ“形”に見えても意味が変わることがあります。

したがって、分類は「名前を付ける作業」ではなく、次の検査(頭位検査、神経診察、画像の要否)を決めるための意思決定ツールとして扱うのが安全です。

回旋性眼振 原因とBPPV 後半規管型

回旋性眼振が出たとき、頻度と実務上の重要度からまず押さえるべき末梢性原因が、良性発作性頭位めまい症(BPPV)です。

BPPVは卵形嚢から剥離した耳石が半規管へ迷入し、頭位変化でクプラ偏位(または半規管内の浮遊耳石の移動)を起こすことで、めまいと特徴的眼振が誘発されるという考え方がガイドラインで整理されています。

BPPVは「特定頭位で誘発されるめまい」と「随伴する眼振」を特徴とし、頭位変換で誘発される眼振の観察が診断上必須であることが強調されています。

後半規管型BPPVの典型では、頭位変換眼振検査で回旋成分が強く、しばしば垂直成分(上眼瞼向き/下眼瞼向き)が混合します。

参考)https://www.semanticscholar.org/paper/761d1834062291e306bca164cc61d033f43f5154

さらに、眼振は“若干の潜時”の後に出て、増強してから減弱・消失するという時間経過を取りやすく、同じ頭位を繰り返すと軽減する(疲労性)ことが多い点が、現場での見分けに役立ちます。

一方で、眼振が数十秒を超えて持続し減衰性がない場合はBPPVと異なる病態を疑う、とガイドラインに明記されており、ここは見逃し防止の実用的な閾値になります。

回旋性眼振 原因と中枢性 めまい 脳梗塞 小脳

回旋性眼振は末梢だけでなく中枢性めまいでも重要で、総説では「自発性の回旋性眼振や垂直性眼振は末梢性めまいでは出現することのない眼振なので、中枢性めまい鑑別で重要」と整理されています。

中枢性めまいは、脳幹や小脳の病変が責任病巣であることが多く、めまい以外の神経症候(眼球運動障害、構音障害、麻痺、感覚障害、失調など)を拾うことが鑑別の基本になります。

つまり「回旋性眼振=BPPV」と短絡せず、神経診察で上乗せの異常を拾えた時点で、脳梗塞を含む中枢疾患の除外へ舵を切る必要があります。

病態生理の理解としては、中枢前庭経路が小脳により抑制制御を受けており、直接障害だけでなく“小脳からの脱抑制”による眼球偏倚(→眼振)が出うる、という視点が実務で効きます。

このため、中枢病変では末梢に似た眼振(方向固定性水平性眼振や方向交代性背地性眼振など)を呈して鑑別が難しくなる局面があり、そこで「頭位による目立ち方」や末梢前庭機能を“積極的に診断する”検査が鍵になると述べられています。

回旋性眼振を見た瞬間に「どの半規管か」へ行く前に、「自発か誘発か」「神経症候はあるか」を先に確認するだけで、中枢性の取りこぼしリスクは下げられます。

回旋性眼振 原因と検査 頭位変換 眼振 観察

BPPVを含む頭位誘発性めまいでは、フレンツェル眼鏡または赤外線CCDカメラを用いて頭位・頭位変換眼振検査を行い、眼振を観察する必要があるとガイドラインで明確にされています。

検査では、眼振の有無だけでなく、方向、回旋成分の強さ、振幅・頻度、潜時、増強―減衰性を観察し、眼振が消失してから次の頭位へ移るのが原則とされています。

また頸椎異常の既往がある場合は注意(場合により検査中止)とされ、検査中に頸部痛や感覚障害、意識障害が出たら中止するという安全面の注意が書かれています。

現場での記録は、単に「眼振あり」では足りません。

少なくとも以下をカルテに落とすと、鑑別と経過観察の質が上がります。

そして、BPPVの診断が典型所見に合わない場合や病歴から中枢障害を疑う場合は、平衡機能検査やCT/MRIなどの画像検査を行い確実に診断する必要がある、とガイドラインは述べています。

「頭位誘発性めまい=全部BPPV」ではなく、典型から外れた時の“次の一手”が最初から示されている点は、医療安全上の要点です。

回旋性眼振 原因と独自視点 記録と連携

回旋性眼振の原因鑑別は、同じ患者でも診察タイミングで所見が変動し得るため、「その場での判断」だけでなく「再現可能な情報」に落とし込むことが強い武器になります。

ガイドラインが強調する観察項目(方向、回旋成分、潜時、増強―減衰性など)は、まさに“情報の標準化”のためのチェックリストであり、これを押さえるだけで施設内連携の齟齬が減ります。

さらに中枢性めまいは「めまい以外の神経症候を伴う」ことが多いとされるため、眼振所見と同じ熱量で神経所見を短くてもよいので記載し、救急・脳外・神経内科に共有できる形にしておくことが実務上の事故予防になります。

独自視点として、紹介状や院内コンサルト文に「眼振の日本語説明」を1行で固定フォーマット化するのが有効です(例:『Dix-Hallpikeで潜時あり、回旋優位+上眼瞼向き混合、増強後に減衰』のように)。

この1行があるだけで、受け手はBPPV(後半規管型)を強く想起し、次に必要な耳鼻科的評価・頭位治療の適否検討へ進みやすくなります。

逆に「自発性の回旋性眼振」や「垂直性眼振」が含まれるなら、中枢性鑑別に重心を置くべき合図として機能します。

参考:BPPVの病態・検査・典型眼振(回旋成分、潜時、増強―減衰性)と頭位治療(Epley法など)

https://memai.jp/wp-content/uploads/2020/07/bppv.pdf

参考:眼振の基本分類(回旋性など)、誘発眼振(頭位眼振・体位変換眼振)や後天性眼振の背景疾患

症状|日本眼科学会による病気の解説

参考:末梢性/中枢性めまいの病態、回旋性眼振が中枢性鑑別で重要である点(自発性回旋性眼振は末梢で出ない)

https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/061050279.pdf