表面麻酔薬ゴロで覚える種類と使い分け

表面麻酔薬のゴロ合わせと覚え方

プロカインは表面麻酔に使えません。

📝 この記事の3ポイント
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表面麻酔薬のゴロ合わせ

「表裏なしのプロ海布」で表面麻酔に使えない3つの薬剤(プロカイン、メピバカイン、ブピバカイン)を一発暗記

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エステル型とアミド型の区別

「濁点がついたらアミド型」の簡単ルールで化学構造による分類を瞬時に判別可能

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臨床での使い分けと注意点

酸性条件下で有効な薬剤や血管収縮作用の有無など、実務で役立つ知識を整理

表面麻酔薬に使えない薬剤のゴロ合わせ

 

薬剤師国家試験や歯科医師国家試験では、表面麻酔に使用できない局所麻酔薬を問う問題が頻出します。浸潤麻酔や伝達麻酔には使えても、表面麻酔には適さない薬剤が存在するためです。

その理由は粘膜透過性の違いにあります。

表面麻酔に使えない代表的な局所麻酔薬は、プロカイン、メピバカインブピバカインの3種類です。これらは組織への浸透性が低いため、粘膜に塗布しただけでは十分な麻酔効果が得られません。注射によって組織内に直接投与する必要があるということですね。

この3つを覚えるゴロ合わせが「表裏なしのプロ海布」です。「表裏なし」で表面麻酔に使えないことを示し、「プロ」がプロカイン、「海」がメピバカイン(メ→海)、「布」がブピバカインを表しています。国家試験の択一問題では、この3つを確実に区別できれば得点につながります。

一方で表面麻酔に使用できる薬剤には、コカイン、テトラカイン、リドカインアミノ安息香酸エチルオキセサゼインなどがあります。これらは粘膜透過性が高く、塗布するだけで神経末梢まで到達して麻酔効果を発揮できます。歯科治療では主にアミノ安息香酸エチルが使用されており、注射麻酔の前処置として歯肉に塗布されることが一般的です。

表面麻酔と浸潤麻酔の使い分けを理解しておくと、臨床現場での薬剤選択に迷うことがなくなります。表面麻酔は注射針を刺す痛みを軽減するために使い、その後に本格的な浸潤麻酔を行うという流れが基本です。この二段階アプローチにより、患者の苦痛を最小限に抑えられます。

表面麻酔薬のエステル型とアミド型の見分け方

局所麻酔薬は化学構造によってエステル型とアミド型に分類されます。この区別は代謝経路や副作用のリスクに関わるため、医療従事者として必ず押さえておきたいポイントです。国家試験でも頻繁に問われる内容になっています。

エステル型局所麻酔薬には、コカイン、プロカイン、テトラカイン、アミノ安息香酸エチルが該当します。これらは血中のコリンエステラーゼによって速やかに分解されるため、作用時間が比較的短いという特徴があります。分解産物の一つであるパラアミノ安息香酸(PABA)がアレルギー反応を引き起こすことがあり、エステル型麻酔薬に対する過敏症の既往がある患者には使用できません。

アミド型局所麻酔薬には、リドカイン、メピバカイン、ブピバカイン、ジブカイン、オキセサゼインがあります。肝臓のチトクロームP450で代謝されるため、エステル型よりも作用時間が長く持続します。ただし肝機能が低下している患者では代謝が遅延し、血中濃度が上昇する可能性があるため注意が必要です。アレルギー反応はエステル型と比べて非常に少ないとされています。

見分け方の簡単なコツは「濁点(゛)がついたらアミド型」というルールです。リドカイン、メピバカイン、ブピバカイン、ジブカイン、オキセサゼインと、アミド型の薬剤名には濁点が含まれています。これを覚えておけば、試験問題で薬剤名を見た瞬間に分類を判断できます。

もう一つの覚え方として「ラ行はエステル型、濁点はアミド型」というゴロもあります。プロカイン、テトラカインなど、エステル型には「ラ行」の音が含まれる傾向があります。複数の覚え方を組み合わせることで、記憶の定着率が高まります。

エステル型とアミド型の違いを理解しておくと、患者の既往歴や肝機能に応じた適切な薬剤選択が可能になります。アレルギー歴がある患者にはアミド型を、肝機能障害がある患者にはエステル型を選ぶといった臨床判断につながるわけですね。

日本薬学会の局所麻酔薬解説ページでは、化学構造と薬理作用の詳細が図解されており、さらに深く学びたい方におすすめです。

表面麻酔薬の作用機序と効果発現のメカニズム

局所麻酔薬は神経細胞膜に存在する電位依存性ナトリウムチャネルを遮断することで、神経伝達を一時的に止める働きをします。この作用により痛みの信号が脳に届かなくなり、無痛状態が得られます。作用機序を理解することで、臨床での効果発現時間や持続時間の違いが説明できるようになります。

局所麻酔薬は投与後、体内で非イオン型(分子型)とイオン型(陽イオン型)の平衡状態になります。非イオン型は脂溶性が高いため神経細胞膜を透過できますが、イオン型は膜を通過できません。つまり非イオン型の割合が多いほど、麻酔薬は速やかに作用部位に到達するということですね。

この非イオン型とイオン型の比率は、局所麻酔薬のpKa(解離定数)と組織のpHによって決まります。ほとんどの局所麻酔薬のpKaは7.5から9の間にあり、通常の組織pH(7.4)ではイオン型が優位です。しかし炎症部位のように組織が酸性化している場合、非イオン型の割合がさらに減少し、麻酔効果が得られにくくなります。

例外的に、アミノ安息香酸エチルとオキセサゼインは酸性条件下でも効果を発揮できる特殊な局所麻酔薬です。「アオいに賛成(酸性)する」というゴロで覚えられます。オキセサゼインは胃粘膜に対する表面麻酔薬として内服薬にも配合されており、強酸性の胃内でも安定して作用します。この特性により、胃炎や胃潰瘍に伴う痛みの緩和に使用されています。

神経線維には太さや有髄・無髄の違いがあり、麻酔薬の感受性も異なります。一般的に細い神経ほど麻酔薬の影響を受けやすく、無髄神経は有髄神経より遮断されやすいという特徴があります。そのため局所麻酔では、痛覚→温度覚→触覚→運動の順に麻酔効果が現れます。この順番は「ツオシ」(痛・温・触・運)というゴロで覚えると便利です。

表面麻酔薬の効果発現時間は2分から5分程度で、浸潤麻酔と比べると速やかです。粘膜表面の神経末梢に直接作用するため、組織への拡散時間が不要だからです。効果持続時間は10分から20分程度と短く、注射麻酔の前処置としての役割に適しています。

表面麻酔薬の血管収縮薬配合と臨床的意義

局所麻酔薬には血管収縮薬が配合されている製剤と配合されていない製剤があります。血管収縮薬としてはアドレナリン(エピネフリン)が最も一般的で、局所の血管を収縮させることで麻酔薬の吸収を遅らせ、作用時間を延長させる効果があります。この配合の有無が臨床での使い分けの鍵になります。

コカインとメピバカインは、それ自体に血管収縮作用を持つ特殊な局所麻酔薬です。「コカいん、メピばかいんは血管を収縮」というゴロで覚えられます。コカインは交感神経末端でのノルアドレナリン再取り込みを阻害することで血管収縮作用を示し、メピバカインは直接的な血管平滑筋への作用により収縮を引き起こします。

一方、多くの局所麻酔薬は単独では血管拡張作用を持ちます。リドカインやプロカインなどは血管を拡張させるため、そのまま使用すると速やかに吸収され、作用時間が短くなってしまいます。また全身への吸収が速いと、血中濃度が急上昇して中毒症状を引き起こすリスクも高まります。これを防ぐためにアドレナリンを添加するわけですね。

アドレナリン添加製剤の使用には注意が必要な患者群が存在します。高血圧、虚血性心疾患、甲状腺機能亢進症、糖尿病の患者では、アドレナリンによる血圧上昇や心拍数増加、血糖値上昇などの影響を考慮しなければなりません。こうした患者には、メピバカインのように血管収縮薬を含まない製剤を選択することが推奨されます。

歯科領域では、スキャンドネスト(メピバカイン製剤)が血管収縮薬非配合の代表的な製剤として使用されています。循環器疾患を持つ患者や高齢者に対して、より安全に麻酔処置を行うための選択肢となっています。ただし血管収縮薬がない分、効果持続時間は短くなるため、処置時間に応じた計画が必要です。

表面麻酔では基本的に血管収縮薬の配合は必須ではありません。粘膜表面に塗布するだけで効果を発揮し、血中への吸収量も限定的だからです。しかし粘膜の血流が豊富な部位や、広範囲に使用する場合には、吸収による全身作用を考慮する必要があります。

表面麻酔薬の副作用と使用上の注意点

表面麻酔薬は比較的安全性の高い薬剤ですが、適切な使用量を守らないと副作用が発生する可能性があります。主成分であるアミノ安息香酸エチルによる副作用として、むくみ、じんましん、めまい、眠気、不安感、興奮、嘔吐などが報告されています。これらの症状が現れた場合は、速やかに使用を中止して医師に報告する必要があります。

アレルギー反応は局所麻酔薬の使用で最も警戒すべき合併症の一つです。特にエステル型局所麻酔薬は、代謝産物のパラアミノ安息香酸(PABA)がアレルギーの原因となりやすいとされています。過去にエステル型麻酔薬でアレルギー反応を起こした患者には、アミド型の薬剤を選択することが基本です。ただしアミド型でもまれにアレルギーが報告されているため、初回使用時には十分な観察が求められます。

メトヘモグロビン血症は、特定の局所麻酔薬使用時に注意すべき副作用です。プリロカインやアミノ安息香酸エチルは、過量投与や感受性の高い患者でメトヘモグロビン血症を引き起こすことがあります。メトヘモグロビンは酸素運搬能力が低下しており、チアノーゼや呼吸困難などの症状が現れます。特に2歳未満の乳幼児では、メトヘモグロビンをメトヘモグロビン還元酵素で還元する能力が未熟なため、使用を避けるべきとされています。

局所麻酔薬中毒は、血中濃度が過度に上昇した際に発生する重篤な合併症です。初期症状として口周囲のしびれ、金属味、耳鳴り、めまいなどが現れ、進行すると痙攣、意識障害呼吸抑制、循環虚脱に至ることがあります。表面麻酔では全身投与に比べて吸収量が限られるため中毒リスクは低いですが、広範囲への使用や損傷粘膜への適用では注意が必要です。

長期連続投与も避けるべき使用法です。表面麻酔薬を繰り返し使用すると、組織への蓄積や耐性形成のリスクがあります。また口腔内にしびれを残さないよう、服用後は速やかに飲み下すよう患者に指導することが大切です。しびれが残った状態で食事をすると、誤嚥や口腔内損傷のリスクが高まります。

表面麻酔薬の使用前には、患者のアレルギー歴、全身疾患の有無、併用薬を確認することが不可欠です。高血圧や心疾患がある患者では血管収縮薬配合製剤の使用を避け、肝機能障害がある患者ではアミド型麻酔薬の投与量を減らすといった配慮が求められます。

日本麻酔科学会の局所麻酔薬使用ガイドラインでは、各薬剤の最大投与量や禁忌事項が詳細に記載されており、安全な麻酔管理の参考になります。

表面麻酔薬の国家試験頻出ポイントと記憶術

薬剤師国家試験や歯科医師国家試験では、局所麻酔薬に関する問題が毎年のように出題されます。特に表面麻酔に使用できる薬剤と使用できない薬剤の区別、エステル型とアミド型の分類、特殊な性質を持つ薬剤の識別が頻出テーマです。これらを効率的に覚えるゴロ合わせと記憶術をまとめて紹介します。

表面麻酔に使用できる主な薬剤を覚えるゴロは「表面麻酔でオッキー安心」です。「オッキー」がオキセサゼイン、「安心」がアミノ安息香酸エチルを表しています。さらにコカイン、テトラカイン、リドカインも表面麻酔に使用可能なので、「コテリも追加」と補足すると完璧です。

酸性条件下でも有効な局所麻酔薬は、前述の通り「アオいに賛成(酸性)する」で覚えます。アミノ安息香酸エチルとオキセサゼインの2つだけです。炎症部位では組織が酸性化して通常の局所麻酔薬が効きにくくなりますが、この2つは例外的に効果を発揮できます。胃粘膜の麻酔にオキセサゼインが使われる理由もこの性質によるものです。

血管収縮作用を持つ局所麻酔薬は「コカいん、メピばかいんは血管を収縮」というゴロが有効です。これ以外の局所麻酔薬は基本的に血管拡張作用を持つため、アドレナリンなどの血管収縮薬を併用することで作用時間を延長させます。コカインとメピバカインだけは例外なので、国家試験では正誤問題として狙われやすいポイントです。

アミド型局所麻酔薬を覚える「アメリカ人はおっきいぜ」というゴロもあります。「ア」がアミド型、「メ」がメピバカイン、「リ」がリドカイン、「人」がジブカイン、「おっきい」がオキセサゼイン、「ぜ」が語呂合わせの締めです。濁点ルールと併用すると記憶の定着率が高まります。

エステル型局所麻酔薬は「プロエステ手とか安心効果」で覚えられます。「プロ」がプロカイン、「エステ」がエステル型を示し、「手とか」がテトラカイン、「安」がアミノ安息香酸エチル、「心効果」がコカインです。エステル型は血中のコリンエステラーゼで分解されるため、作用時間が短いという特徴も合わせて覚えておくと理解が深まります。

神経の麻酔される順番「痛覚→温度覚→触覚→運動」は「ツオシ(痛・温・触・運)」で暗記できます。これは神経線維の太さと髄鞘の有無による感受性の違いを反映しています。細い無髄神経から順に遮断されるため、痛みが最初に消失し、運動機能は最後まで残るわけですね。

国家試験では具体的な薬剤名を選択肢から選ぶ問題だけでなく、「粘膜透過性が低い」「肝臓で代謝される」「アレルギー反応が少ない」といった特徴から薬剤を推定する問題も出題されます。ゴロ合わせで薬剤名を覚えたら、次は各薬剤の性質や代謝経路、副作用プロファイルまで関連付けて学習することが高得点への近道です。

過去問演習では、間違えた問題に関連するゴロを見直し、なぜその選択肢が正解または不正解なのかを理論的に説明できるようにすることが重要です。単なる暗記ではなく、薬理学的な背景を理解することで、応用問題にも対応できる実力が身につきます。

薬学ゴロ合わせ専門サイトでは、局所麻酔薬以外にも各分野のゴロが網羅されており、効率的な国家試験対策に活用できます。

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