変性近視 とは 病的近視
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変性近視 とは 定義 びまん性脈絡膜萎縮 後部ぶどう腫
変性近視(病的近視)は、単に「度数が強い近視」ではなく、眼底に病的変化が出現しうる近視を指す概念として扱うのが安全です。病的近視の代表的な定義として、屈折度数は問わず「びまん性脈絡膜萎縮以上の萎縮性変化(特に乳頭耳側)もしくは後部ぶどう腫を有する状態」とされます。
この定義が臨床的に重要なのは、同じ-8Dでも“眼底が保たれている強度近視”と、“後部ぶどう腫や萎縮性変化を伴い進行性の視機能低下を来し得る病的近視”が混在するためです。屈折値や眼軸長のみで重症度を語ると、患者の将来リスク(黄斑・視神経・網膜剥離など)を見誤りやすくなります。
また、病的近視では眼球後部の形態変化(後部ぶどう腫など)により、視神経・黄斑を含む後極部が機械的ストレスを受け続け、網膜・脈絡膜が菲薄化しやすい点が中核病態です。臨床説明では「眼球が伸びる」だけでなく「後ろが変形して組織が薄くなる・裂け目ができる」まで言語化すると、合併症の理解が進みます。
眼底所見としては、びまん性萎縮、限局性萎縮、ラッカークラックなどの萎縮性病変が挙げられます。特にラッカークラックは、のちに出血や新生血管と関連しうる“裂け目”として患者説明にも使いやすい所見です。
参考:病的近視の定義、萎縮性変化、ラッカークラック、網膜分離/剥離や視神経障害の説明
変性近視 とは 眼底 網膜 脈絡膜 萎縮 ラッカークラック
病的近視で起こる眼底病変は、大きく「萎縮性変化」「牽引・裂孔関連」「血管新生関連」に整理すると理解しやすく、診療録や紹介状でも情報共有が滑らかになります。萎縮性変化としては、網膜・脈絡膜の高度な菲薄化に伴うびまん性萎縮や限局性萎縮が典型で、視機能的には暗点、コントラスト低下、視力のじわじわした低下につながります。
ラッカークラックは“ブルッフ膜の亀裂”と説明され、そこを足場に出血や新生血管が生じる文脈で重要です。患者は「突然見えにくい」「ゆがむ」と訴えることが多く、視力だけでなく変視症の問診(アムスラー格子の家庭使用など)を指導できると早期受診に結びつきます。
病的近視では、黄斑部病変が前景に出て視神経障害が見過ごされやすい点も押さえどころです。近視自体が緑内障の危険因子であることに加え、眼球の異常な伸展で視神経線維が機械的に障害されやすく、視野障害の原因になります。視力が保たれていても視野欠損が進行するケースがあるため、黄斑だけでなく視神経・RNFL/GCC・視野も“別軸で追う”必要があります。
意外な落とし穴として、患者が「見えにくい=度数が合っていない」と自己解釈し、眼鏡更新で様子を見ることがあります。視力低下のスピードや変視症の有無を丁寧に拾い、「度数調整で改善しない見え方の変化」を具体例で示すと、受診遅れの予防になります。
変性近視 とは 黄斑部新生血管 MNV OCTA 抗VEGF
病的近視の黄斑部新生血管(MNV)は、中心視力障害の主要原因の一つとして位置づけられます。ガイドライン要約では、近視性MNVは「病的近視眼に生じるMNV」と定義され、病的近視の定義はMETA-PM分類に従うとされています。
診断はOCTを主体とする画像評価が軸で、単純型黄斑部出血など鑑別が難しい場合にはFAやOCTAの併用を考慮します。外来では「OCTで液体(滲出)や活動性のサインがあるか」をまず押さえ、必要に応じて追加検査という流れが実装しやすいはずです。
治療は、OCT所見やFAから活動性があると判断された場合に介入が必要とされ、第一選択は抗VEGF薬療法です。導入期の1回投与と必要時投与(PRN法)を原則とする、という運用方針が提示されています。
臨床上の注意点は、「活動性が落ち着いたあと」も安心できないことです。活動性の低下したMNVの周囲に生じる黄斑部萎縮が、長期的な視力低下の主因となる点がガイドライン要約で強調されています。つまり“出血が止まった=ゴール”ではなく、“萎縮で落ちる視力”を見据えたフォロー設計(視力、OCT、患者の自覚症状)をあらかじめ共有することが、通院中断の予防にもなります。
参考:近視性MNVの定義、OCT/FA/OCTAの位置づけ、抗VEGFの第一選択とPRN、黄斑部萎縮が長期視力低下の主因である点
変性近視 とは 網膜分離 網膜剥離 黄斑円孔 牽引黄斑症
病的近視では、眼球が前後方向に伸びる過程で網膜が形態変化に追従できず、網膜分離(前段階)から網膜剥離へ進むことがあります。日本近視学会の一般向け解説でも、病的近視では網膜剥離またはその前段階である網膜分離を起こし得て、放置すると黄斑円孔など重篤な合併症に進行する危険があるとされています。
医療従事者向けの実務では、「飛蚊症・光視症」だけでなく「中心が欠ける」「ゆがむ」「片目で見たときだけ段差がある」など黄斑牽引を疑う訴えを拾えるかが重要です。特に近視性牽引黄斑症は、視力低下が緩徐なこともあり“緊急性が低い”と誤解されがちですが、進行すると手術適応に至るため、定期OCTで構造変化を追う価値が高い領域です。
検査としてOCTは、網膜の断層像で分離、牽引、黄斑円孔の形成過程を可視化できるため、患者説明にも強力です。「網膜が“層状に割れている”」「中心が“引っ張られて薄くなっている”」など、画像を指さして説明すると理解と受診継続につながります。
ガイドライン要約でも、MNVの評価・治療の文脈でOCT主体の画像診断が有用とされており、病的近視診療全体でも“まずOCT”の重要性は共通項です。症状が非典型でも、病的近視の背景があればOCTで拾える病態が一定数あることをチームで共有すると、紹介の質が上がります。
変性近視 とは 独自視点 説明 受診中断 変視症 アムスラー
(検索上位では「定義・合併症・治療」の説明が中心になりやすいため、ここでは医療従事者が現場で困りやすい“説明設計”に焦点を当てます。)
変性近視(病的近視)のマネジメントで地味に効くのは、患者の誤解を先回りしてほどくことです。たとえば「近視=眼鏡の問題」という理解のままだと、黄斑出血や牽引の初期サイン(ゆがみ、中心の見えにくさ)を“度数のせい”と放置しやすくなります。
そこで説明は、①屈折(ピント)と②眼底(組織)の二層に分けると伝わりやすいです。「眼鏡は①を合わせる道具で、変性近視は②が伸びて薄くなって起きる病気」という骨格を最初に置き、次に“起こりやすいイベント”として黄斑出血(MNV)・網膜分離/剥離・視神経障害を提示します。日本近視学会の解説でも、病的近視では矯正しても視力が出ない状態になり得て、突然の視力低下や変視症で発症し早期診断・早期治療が重要とされています。
受診中断を防ぐには、治療の成功定義も共有しておくのが有効です。近視性MNVは抗VEGFで活動性を抑えるのが基本ですが、長期的には黄斑部萎縮が視力低下の主因になり得るとガイドライン要約で述べられています。つまり「注射で止まる部分」と「年単位で進む変化」が並走する可能性があり、その前提を知らないと「良くなったから通院終了」となりがちです。
具体的なセルフチェックとしては、片眼ずつの見え方確認と、変視症の気づき(アムスラー格子の活用)を指導します。重要なのは“毎日やる”より“異常に気づける形にする”ことで、たとえば「スマホの文字が片眼だけ波打つ」「直線が曲がる」「中心が灰色っぽい」など生活場面に落とし込むと実行率が上がります。
最後に、医療者側の連携メモとして、紹介状や院内申し送りでは「病的近視の定義に該当する所見(びまん性萎縮以上/後部ぶどう腫)」「黄斑(MNV疑い、出血、牽引)」「視神経(視野、RNFL/GCC)」の3点セットで要約すると、情報が散らかりにくくなります。患者の訴えが曖昧でも、構造(OCT)と機能(視力・視野)を分けて記載するだけで、次の医療者が“何を追うべきか”が明瞭になります。
