電子体温計 主要メーカー商品の特徴と選び方のポイント

電子体温計 主要メーカー商品の特徴

電子体温計の主要メーカー
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オムロン(OMRON)

予測式体温計で高い信頼性と使いやすさが特徴。「けんおんくん」シリーズが人気。

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テルモ(TERUMO)

医療現場でも使用される高精度な体温計。防水機能や予測・実測両対応モデルが豊富。

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タニタ(TANITA)

フレキシブル測定部を採用した体温計が特徴。正確性と使いやすさを両立。

体温計は日常の健康管理に欠かせない医療機器です。特に電子体温計は、従来の水銀体温計に代わり、短時間で正確な体温測定が可能なため、家庭や医療現場で広く使用されています。本記事では、主要メーカーの電子体温計の特徴や機能を詳しく比較し、それぞれの強みや選び方のポイントを解説します。

電子体温計 オムロンの商品特徴と人気モデル

オムロン(OMRON)は、医療機器分野で高い信頼性を持つ日本のメーカーです。同社の電子体温計は、精度の高さと使いやすさで定評があります。

オムロンの体温計の大きな特徴は、独自のアルゴリズムを用いた予測式測定方式です。検温開始からの体温の上がり方を分析・演算し、約10分後の体温を平均20秒で予測することができます。これにより、忙しい朝でも素早く体温を測ることが可能です。

人気モデルとしては、「けんおんくん」シリーズが挙げられます。特に「MC-681」や「MC-687」は、平均20秒の予測検温が可能で、大きな文字で検温結果を表示する点が高齢者にも使いやすいと評価されています。また、オムロン独自のフラット形状の感温部を採用しており、わきにしっかりフィットしてずれにくいため、正確な測定が可能です。

最新モデルの「MC-6810T2」は、Bluetooth機能を搭載しており、スマホアプリと連携して体温データを簡単に管理できる点が特徴です。個人用だけでなく、施設や会社で専用システムを導入すると、利用者の体温をまとめて管理できるため、業務用としても活用されています。

オムロンの体温計は、検温終了時に音と光で知らせる機能や、前回値メモリー機能、オートパワーオフ機能など、使いやすさを追求した機能が充実しています。また、医療機関向けモデルでは、防水・アルコール消毒対応の樹脂仕様を採用し、感染対策にも配慮されています。

電子体温計 テルモの商品特徴と予測式・実測式の違い

テルモ(TERUMO)は、医療現場でも広く使用されている信頼性の高いメーカーです。同社の電子体温計は、正確な測定と使いやすさが特徴です。

テルモの体温計の大きな特徴は、予測式と実測式の両方に対応している点です。予測式では平均約20秒で体温を測定できますが、そのまま測定を続けると実測式に切り替わり、より正確な体温を測定することができます。

人気モデルとしては、「ET-C231P」が挙げられます。このモデルは、使用後に本体や収納ケースを水洗いできる防水機能を備えており、細菌やウイルスの付着を抑え、衛生的に使用できる点が特徴です。また、ディスプレイにはバックライトを採用しており、暗い部屋でも液晶文字が見やすく、夜間の検温にも便利です。

テルモの体温計における予測式と実測式の違いは重要なポイントです。予測式は、測定開始からの温度変化を分析し、平衡温(測定部が体の内部と同じくらいになった温度)を短時間で予測する方法です。一方、実測式は、測定部位とその時の温度を直接測定する方式で、わきで約10分(口中で約5分)の時間が必要ですが、より正確な体温を測定できます。

テルモの体温計は、医療機器メーカーとしての長い歴史と技術力を背景に、高い精度と信頼性を実現しています。また、基礎体温の測定に特化したモデルも展開しており、女性の健康管理にも貢献しています。

電子体温計 タニタのフレキシブル測定部と正確性の高さ

タニタ(TANITA)は、「健康をつくる」サービスをテーマに商品開発を続けている計測器メーカーです。体重計・体脂肪計などで知られていますが、電子体温計も高品質な製品を提供しています。

タニタの体温計の最大の特徴は、「フレキシブル測定部」と呼ばれる先端部に柔軟性を持たせた設計です。この特徴により、わきに挟んだ際にしっかりとフィットし、正確な体温を計測しやすくなっています。特に、検温中にじっとしていられない赤ちゃんや幼い子供の体温測定に適しています。

人気モデルとしては、「BT-471」が挙げられます。このモデルは、予測式と実測式の両方に対応しており、予測式では約20秒で体温を測定できます。また、液晶画面にはバックライトが搭載されており、暗い場所でも表示される数字を確認しやすい点が特徴です。

タニタの体温計は、予測式でも20秒ほどと比較的長めに測ることで正確性を高めています。また、肌が触れる先端部が水洗いやアルコール消毒できるため、衛生的に使用できる点も評価されています。

タニタは体重計などの計測器で培った技術を体温計にも活かし、精度の高い測定と使いやすさを両立させています。特に、フレキシブル測定部は、わきの下に正確にフィットさせることが難しい高齢者や子供にとって、使いやすい設計となっています。

電子体温計 シチズンとドリテックの特徴的な機能比較

シチズン(CITIZEN)とドリテック(dretec)は、それぞれ独自の特徴を持つ電子体温計を展開しています。ここでは、両社の体温計の特徴的な機能を比較します。

シチズンは、時計メーカーとして知られていますが、体温計の分野でも高品質な製品を提供しています。シチズンの体温計の特徴は、シンプルで使いやすいデザインと、振動でも検温終了を知らせる機能です。特に「CTEB718V」は、音だけでなく振動でも検温終了を知らせるため、加齢による難聴や聴覚障害を持つ方の検温をサポートする点が評価されています。

また、シチズンの「CTEB723CA」は、Bluetoothを搭載しており、専用アプリ「Health Scan」と連携して日々の測定結果をスマホで簡単に管理できます。さらに、専用アタッチメント「ぴたっチメント」が付属しており、わきにしっかりとフィットしてズレにくい設計となっています。

一方、ドリテックは、キッチン用品やヘルスケア製品を手掛けるメーカーで、手頃な価格とデザイン性の高さが魅力です。ドリテックの体温計の特徴は、非接触タイプの体温計が充実している点です。特に「TO-401」は、約1秒で測定が可能で、大きな液晶画面とバックライト機能を備えており、暗い場所でも見やすい設計となっています。

また、ドリテックの「やわらかタッチ体温計 TO-200」は、先端が柔らかく曲がる設計で、子供や高齢者にも安心して使用できる点が特徴です。約30秒で予測検温が可能で、防水仕様のため丸洗いができ、衛生的に使用できます。

両社の体温計を比較すると、シチズンは振動通知やBluetooth連携など、使いやすさと機能性を重視した設計が特徴であるのに対し、ドリテックは非接触タイプや柔らかい測定部など、安全性と使いやすさを重視した設計が特徴と言えます。

電子体温計 医療現場での活用と感染対策の重要性

電子体温計は家庭での健康管理だけでなく、医療現場でも重要な役割を果たしています。特に、COVID-19パンデミック以降、体温測定の重要性と感染対策への意識が高まっています。

医療現場では、多くの患者の体温を効率的かつ正確に測定する必要があります。そのため、短時間で測定できる予測式体温計や、非接触型体温計が重宝されています。特にオムロンの「MC-1600W-HP」のような医療機関向けモデルは、RFID(Radio Frequency IDentification)を内蔵しており、スポットチェックモニタに測定データを送信できる機能を備えています。これにより、測定結果を自動的に電子カルテに記録することが可能となり、業務効率化に貢献しています。

また、感染対策の観点からは、体温計の衛生管理が非常に重要です。多くの主要メーカーの体温計は、防水機能を備えており、本体を丸洗いしたり、アルコール消毒したりすることが可能です。特にテルモの「ET-C231P」やオムロンの「MC-1600W-HP」などは、医療機関での消毒を想定した設計となっており、感染対策に配慮されています。

さらに、アイリスオーヤマの「DT-103」のような非接触型体温計は、患者との接触を避けることができるため、感染リスクの低減に役立ちます。このモデルは、額に向けて持ち手を握るだけで約1秒で測定が完了し、体温に応じて表示色が変化するため、発熱の有無を瞬時に判断できる点が医療現場でも評価されています。

医療現場では、多くの患者の体温を測定するため、電池の持ちや耐久性も重要な要素です。多くのメーカーの体温計は、オートパワーオフ機能を備えており、電池の消耗を抑える工夫がされています。また、6本セットで提供されているモデルもあり、同時に大勢の方に体温測定をする場合や、持ち運ぶ際に便利です。

医療従事者は、これらの電子体温計の特徴を理解し、用途や環境に応じて適切なモデルを選択することが重要です。また、定期的なメンテナンスや消毒を行い、常に正確な測定ができる状態を維持することが、患者の健康管理と感染対策の両面で重要となります。

電子体温計 選び方のポイントと測定方式の違い

電子体温計を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、体温計の選び方と測定方式の違いについて詳しく解説します。

まず、電子体温計の測定方式には、大きく分けて「予測式」と「実測式」の2種類があります。予測式は、測定開始からの温度変化を分析し、平衡温を短時間で予測する方法です。オムロンの体温計では、独自のアルゴリズムにより、約10分後の体温を平均20秒で予測することができます。一方、実測式は、測定部位とその時の温度を直接測定する方式で、わきで約10分(口中で約5分)の時間が必要ですが、より正確な体温を測定できます。

多くのメーカーの体温計は、予測式と実測式の両方に対応しており、予測式で素早く測定した後、そのまま測定を続けると実測式に切り替わる仕組みになっています。忙しい朝などは予測式で素早く測定し、より正確な体温を知りたい場合は実測式で測定するなど、状況に応じて使い分けることができます。

次に、測定部位による違いも重要です。電子体温計は、主にわき(腋窩温)、口中(舌下温)、耳(耳内温)、額(額温)で測定するタイプがあります。わき用の体温計が最も一般的ですが、赤ちゃんや高齢者など、じっとしていられない方には、耳式や非接触型の体温計が適しています。

また、体温計の機能面では、以下のポイントをチェックするとよいでしょう。

  1. 測定時間:予測式の場合、15秒~30秒程度で測定できるモデルが多いですが、メーカーや機種によって異なります。
  2. 表示の見やすさ:大きな文字表示やバックライト機能があると、高齢者や暗い場所での使用に便利です。
  3. 防水機能:本体を丸洗いできる防水機能があると、衛生的に使用できます。
  4. メモリー機能:前回の測定結果を記録する機能があると、体温の変化を確認しやすくなります。
  5. 通知機能:音や光、振動などで検温終了を知らせる機能があると、使いやすくなります。
  6. 連携機能:Bluetooth機能を搭載し、スマホアプリと連携できるモデルもあります。

さらに、使用目的に応じた選び方も重要です。一般的な健康管理用であれば、オムロンやテルモの基本モデルで十分ですが、赤ちゃんや子供用には、タニタのフレキシブル測定部を採用したモデルや、ドリテックの柔らかい測定部を持つモデルが適しています。また、基礎体温の測定には、テルモの「WOMAN℃」シリーズやオムロンの婦人用電子体温計など、専用モデルがおすすめです。

価格帯も選択の重要な要素です。一般的な電子体温計は1,000円~3,000円程度で購入できますが、Bluetooth機能や非接触機能などの付加価値がある高機能モデルは、5,000円~15,000円程度と高価になります。用途や予算に応じて、適切なモデルを選ぶことが大切です。

以上のポイントを踏まえ、自分の使用目的や環境に合った電子体温計を選ぶことで、より効果的な健康管理が可能になります。