cyp3a4阻害薬の一覧と特徴
CYP3A4阻害薬は臨床現場で頻繁に使用され、多くの医薬品に影響を与える酵素です。
主な阻害薬は以下の通りです。
- イトラコナゾール、コビシスタット、リトナビル、ボリコナゾール(特に強い阻害薬:基質薬のAUCを10倍以上に)
- クラリスロマイシン、セリチニブ、ポサコナゾール(強い阻害薬:AUCが5~10倍)
- エリスロマイシン(中等度阻害薬)
他にもケトコナゾール、シメチジン、フルコナゾール、クラリスロマイシン、エンペシドクリーム、クロトリマゾール、イメンドカプセル等が存在します。商品名や薬価など詳しい一覧は下記参考ページで確認できます。
KEGG薬剤商品一覧:CYP3A4阻害薬
阻害作用は競合性阻害、生理的阻害、不可逆的阻害(機構的阻害)などに分類されます。代表例として、リトナビルは不可逆的な機構的阻害を示し、治療薬吸収率を大きく向上させます。
阻害薬の分類基準には、基質薬のAUC増加率(血中濃度の上昇)がよく使われます。
- 強力阻害薬:AUCが10倍以上
- 中程度阻害薬:AUCが2~10倍
- 弱い阻害薬:AUCが2倍未満
医薬品情報学会:CYP3A4阻害薬の強度分類一覧
最新研究では薬物の構造活性相関や阻害パターンも注目されています。
参考論文:阻害活性の構造相関解説
最近では医療現場でも従来型阻害薬に加え、選択性・副作用に優れる薬剤(例:コビシスタット、ボリコナゾール)が増加しています。
特に感染症治療補助薬(HIV・COVID-19治療のリトナビル/Paxlovid)や、悪性腫瘍治療薬、精神疾患治療薬(例:エプレレノンやフィネレノンなど)で重要度が増しています。
疎水性小分子阻害薬や一部天然物成分(例:フラボノイド類)による食品・サプリメントとの薬物相互作用も注目されています。
参考論文:フラボノイドのCYP3A4阻害活性
一般的に注目される阻害薬以外にも、非定型阻害機序を持つ薬剤(例:食品由来成分や環境化学物質)が薬物動態に重要な影響を与えうることが分かっています。
実際に臨床現場で遭遇することは少ないですが、海外の論文ではクエルセチン、ラロキシフェン、トログリタゾン等の天然化合物がCYP3A4を阻害すると報告があります。
複数の阻害薬を併用した場合の予期しない薬物血中濃度上昇や副作用発現リスクについても十分注意が必要です。
参考論文:環境化学物質の阻害活性まとめ