エンハーツ しんどい 副作用と対処法で治療を乗り切る方法

エンハーツ治療中のしんどさや副作用について詳しく解説しています。間質性肺疾患や吐き気、骨髄抑制など主な副作用とその対処法を紹介。あなたはどのような対策で治療を乗り切りますか?

エンハーツ しんどい 副作用

エンハーツ治療の主な副作用
⚠️
間質性肺疾患

最も注意すべき副作用で、命に関わる可能性があります

🤢
吐き気・嘔吐

多くの患者さんが経験する辛い症状(70%以上に発現)

😴
倦怠感・疲労

日常生活に大きな影響を与える症状(約45%に発現)

エンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン)は、HER2陽性の乳がんや胃がんなどの治療に使用される抗体薬物複合体です。多くの患者さんにとって効果的な治療法である一方で、様々な副作用によるしんどさを伴うことがあります。この記事では、エンハーツ治療中に経験する可能性のある副作用とそのしんどさへの対処法について詳しく解説します。

 

エンハーツ しんどい 吐き気の症状と対策

エンハーツ治療中に最も多くの患者さんが経験するしんどい副作用の一つが吐き気と嘔吐です。臨床試験では、吐き気は約76%の患者さんに、嘔吐は約40%の患者さんに発現したことが報告されています。

 

吐き気の特徴として、エンハーツの点滴を受けてから2週間近く続くことがあります。特に治療後の最初の2〜3日間は症状が強く、寝ていなければならないほどのしんどさを感じる方もいます。

 

吐き気への対策としては:

  1. 制吐剤の事前投与:治療前から適切な制吐剤を使用することで症状を軽減できることがあります
  2. 食事の工夫:
    • 少量ずつ、回数を分けて食べる
    • 消化の良い食品(お粥、煮込みうどん、茶碗蒸し、ゼリーなど)を選ぶ
    • 香りの強い食品や脂っこい食品を避ける
  3. 水分補給:少量ずつこまめに水分を摂取する

ある患者さんのブログでは、「エンハーツを始めて1年が経過しましたが、未だにしんどいのが吐き気」と述べられており、様々な制吐剤を試しても効果が限定的だったことが記されています。制吐剤自体の副作用(便秘や痔など)に悩まされるケースもあるため、医療スタッフと相談しながら最適な対処法を見つけることが重要です。

 

エンハーツ しんどい 間質性肺疾患の危険性

エンハーツ治療において最も注意すべき副作用が間質性肺疾患です。この副作用は約12%の患者さんに発現し、重症化すると命に関わる可能性があります。臨床試験では、間質性肺疾患により亡くなった方もいるため、早期発見と早期治療が非常に重要です。

 

間質性肺疾患の主な症状:

  • 息切れ(ちょっとした動作で息切れする)
  • 咳(特に痰の出ない空咳)
  • 発熱(37.5度以上の発熱が続く)
  • パルスオキシメータ測定値の低下

重要なポイントとして、これらの症状がすべて揃わないこともあります。また、症状が急に重篤化することもあるため、少しでも気になる症状があれば、「ただの風邪かな」と自己判断せず、すぐに医療機関に連絡することが大切です。

 

エンハーツによる間質性肺疾患の発現時期は明確ではないため、治療期間中は常に注意が必要です。治療前には必ず胸部CTで肺の状態を確認し、過去に間質性肺疾患の既往がある場合は医師に伝えることが重要です。

 

医療機関側も間質性肺疾患に対応できる体制が整っていることが投与条件となるため、大学病院などの総合病院や呼吸器内科のバックアップが受けられる環境での治療が推奨されています。

 

エンハーツ しんどい 骨髄抑制と血液検査値の変化

エンハーツ治療によって骨髄抑制が起こり、白血球数、赤血球数、血小板数が減少することがあります。これらの変化は治療開始後1〜2週間程度で徐々に現れることが多く、日常生活に様々なしんどさをもたらします。

 

骨髄抑制による主な症状と対策:

  1. 好中球減少(約20%の患者さんに発現)
    • 症状:感染しやすくなる、発熱
    • 対策:手洗い・うがいの徹底、人混みを避ける、発熱時は速やかに医療機関に連絡
  2. 貧血(約35%の患者さんに発現)
    • 症状:疲れやすさ、だるさ、頭痛、めまい
    • 対策:無理をしない、十分な休息をとる、栄養バランスの良い食事
  3. 血小板減少(約25%の患者さんに発現、うち重度は7%)
    • 症状:出血しやすい、出血が止まりにくい
    • 対策:怪我に注意する、硬いブラシでの歯磨きを避ける

これらの副作用は定期的な血液検査でモニタリングされますが、自覚症状にも注意が必要です。特に発熱を伴う下痢と口内炎が同時に起きている場合は、危険な感染症の可能性があるため、すぐに医療機関に連絡することが重要です。

 

骨髄抑制の程度によっては、次回の治療量を減量したり、治療間隔を延長したりすることもあります。あるブログでは「エンハーツを4週間に1度、7割の量に減らしているので少しだけ吐き気は楽になっています」という記述もあり、個々の状態に合わせた調整が行われることがわかります。

 

エンハーツ しんどい 心臓への影響と日常生活の変化

エンハーツは心臓にも影響を与える可能性があります。心臓への影響は、抗HER2薬に共通する副作用の一つですが、患者さんにとってはしんどい症状をもたらすことがあります。

 

心臓への影響による主な症状:

  • 息切れ・息苦しさ
  • 動悸
  • むくみ
  • 疲れやすさ
  • 胸の痛み
  • 咳や痰
  • 夜間の咳込み

これらの症状に気づいた場合は、医療スタッフに相談することが重要です。治療中は定期的に心機能検査が行われ、心臓の状態が慎重にモニタリングされます。

 

日常生活においては、以下のような変化や対策が必要になることがあります:

  1. 活動量の調整:無理をせず、体調に合わせて休息をとる
  2. 塩分制限:むくみを軽減するために塩分摂取を控える
  3. 体重管理:急激な体重増加(むくみの兆候)に注意する
  4. 水分摂取:適切な水分補給を心がける

心臓への影響は個人差が大きいため、自分の体調の変化に敏感になり、少しでも気になる症状があれば医療スタッフに相談することが大切です。

 

エンハーツ しんどい 精神面のケアと支援体制

エンハーツ治療中のしんどさは身体的な症状だけでなく、精神面にも大きな影響を与えることがあります。あるブログでは「精神的に落ちるのが、自分としては1番辛いと思ってます」と記されており、身体的な副作用と同様に精神面のケアも重要であることがわかります。

 

精神面のしんどさに対する対策:

  1. 医療スタッフとの対話:不安や心配事を遠慮なく相談する
  2. 家族や友人のサポート:気持ちを共有し、支えてもらう
  3. 患者会やオンラインコミュニティ:同じ経験をしている人との交流
  4. 気分転換の活動:体調が良い時に趣味や創作活動を楽しむ

あるブログでは「気分転換にリース作り✨」「相変わらず手作業は大好きなので体調が良いときはなんやかんやと作っています」と書かれており、創作活動が精神的な支えになっていることがうかがえます。

 

また、治療の副作用による外見の変化(脱毛など)も精神的なしんどさの原因になることがあります。エンハーツでは約36%の患者さんに脱毛が見られます。これに対しては、ウィッグやスカーフの活用、同じ経験をしている方との情報交換などが役立つことがあります。

 

精神面のケアは治療の継続にも大きく影響するため、身体的な副作用と同様に重視すべき要素です。医療機関によっては、心理カウンセラーや精神腫瘍医による専門的なサポートも受けられる場合があります。

 

エンハーツ治療中のしんどさは決して一人で抱え込まず、周囲のサポートを積極的に活用することが大切です。治療は長期にわたることも多いため、自分のペースで無理なく続けていくための環境づくりを心がけましょう。

 

治療中のしんどさと向き合いながらも、「体調が良いときはなんやかんやと作っています」というブログの言葉にあるように、できる範囲で日常を楽しむ工夫も大切です。それが治療を継続するための大きな力になるでしょう。

 

エンハーツの副作用プロファイルについての詳細情報(公式サイト)
エンハーツの副作用と対処法についての詳細資料(医療機関提供)