ペグインターフェロンアルファ 作用機序 副作用 投与方法

ペグインターフェロンアルファの作用と特徴

投与中断率は48週投与で約14%に達します。

参考)C型代償性肝硬変を対象としたペグインターフェロン アルファ-…

この記事の3つのポイント
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週1回投与を実現

PEG化により血中濃度が安定し、従来の週3回~毎日投与から週1回投与へ大幅に負担軽減

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腎排泄を抑制する仕組み

高分子化により腎からの排泄が抑制され、体内滞留時間が従来型の5~8倍に延長

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重篤な自己免疫現象のリスク

免疫系への多様な影響により自己免疫疾患の発症や増悪の可能性があり、慎重投与が必要

ペグインターフェロンアルファの基本的な薬理作用

ペグインターフェロンアルファは、インターフェロンα-2aまたはα-2bにポリエチレングリコール(PEG)を結合させた製剤です。インターフェロンそのものが直接ウイルスを攻撃するわけではありません。ウイルスを駆除するための身体の免疫機能を活性化させる仕組みです。msdconnect+2

抗ウイルス作用、腫瘍増殖抑制作用、免疫活性を制御する作用を持つサイトカインとして機能します。

つまり免疫システムの補助役です。

C型慢性肝炎ではHCV-RNAが陽性であることを確認したうえで投与を開始します。B型慢性活動性肝炎ではHBV-DNA量の測定等によりウイルスの増殖を確認してから使用します。kegg+2

ウイルス量の確認が必須です。

ペグインターフェロンアルファのPEG化による薬物動態の変化

インターフェロンをPEGで修飾して高分子化することにより、主として腎からの排泄が抑制されます。生体内での保持時間が長くなり、持続的な体内動態を示します。従来のインターフェロン療法では毎日または週3回の注射が必要でしたが、ペグインターフェロンでは週1回投与が可能になりました。pmda+1

PEG-IFNα-2b投与時のTmax及びt1/2はIFNα-2b筋肉内投与時のそれぞれ3~9倍及び5~8倍大きな値を示しました。全身循環血中への移行及び消失が緩徐であることが示されています。MRT(平均滞留時間)はIFNα-2b投与時の6~8倍大きく、体内滞留性の増大が確認されました。

参考)https://www.pmda.go.jp/drugs/2004/P200400024/17005_21600AMY00314_B101_2.pdf

患者の負担を大幅に軽減できます。血液中のインターフェロン濃度が安定するため、治療継続率の向上にも寄与します。週1回の通院で済むため、仕事や日常生活への影響が最小限になります。

参考)ペグイントロン/週1回のインターフェロン

ペグインターフェロンアルファの投与対象と適応判断

C型慢性肝炎では、Genotype 1以外では24週間投与と48週間投与で同程度の効果でした。難治性のGenotype 1では24週間投与に比し48週間投与の効果が上回ることが確認されています。

ウイルスの遺伝子型で投与期間が変わります。

C型代償性肝硬変を対象とした臨床試験では、重篤な有害事象は14例(13.7%)16件に認められましたが死亡例はありませんでした。難治性(Genotype 1かつ高ウイルス量)を含むC型代償性肝硬変に対する治療選択肢として位置づけられます。

通常、成人にはペグインターフェロンアルファ-2a 1回180μgを投与します。体重67kgの患者では標準的な投与量が適用されます。投与量の調整は患者の状態や副作用の程度によって判断します。yakugakulab+1

ペグインターフェロンアルファの重大な副作用と禁忌事項

本剤または他のインターフェロン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与できません。ワクチン等生物学的製剤に対して過敏症の既往歴のある患者も禁忌です。

投与前の問診が重要ですね。

参考)https://www.msdconnect.jp/wp-content/uploads/sites/5/2021/10/pi_pegintron_injn.pdf

インターフェロンα製剤は免疫系に対しさまざまな影響を及ぼすことが知られています。自己免疫疾患の患者または何らかの自己抗体が陽性を示すなどその素因のある患者では、自己免疫現象が発現または増悪するリスクがあります。

参考)https://chugai-pharm.jp/product/peg/sc/se/disease2/

動物実験では下痢、体温上昇及び心拍数の変動が認められました。臨床試験でPEG-IFNα-2b投与時にはIFNα-2b投与時とほぼ同様の副作用が確認されています。48週間投与時には高齢者では慎重投与が必要であり、現行のIFN/R併用療法と異なる安全性プロフィールを示します。

高齢者への投与は特に注意が必要です。

ペグインターフェロンアルファ投与時の患者管理の実践ポイント

IFN/R併用療法で高頻度に発現することが知られている有害事象は、PEG/R併用療法でも同様に高頻度に発現しました。定期的な血液検査でヘモグロビン値、白血球数、血小板数のモニタリングが不可欠です。

投与中断を避けるためには、副作用の早期発見と適切な対症療法が鍵となります。発熱、倦怠感、食欲不振などのインターフェロン様症状は多くの患者で出現するため、事前の患者教育で対処法を説明しておきます。

解熱鎮痛剤の予防的使用も検討します。

精神神経症状の出現にも注意が必要です。抑うつ、不安、不眠などが現れた場合は、精神科や心療内科との連携を早期に開始します。患者との定期的な面談で精神状態の変化を把握することが重要です。

自己注射を導入する場合は、注射手技の確実な習得と、適切な注射部位のローテーションを指導します。注射部位反応(発赤、腫脹、疼痛)の程度を毎回確認し、記録を残すよう患者に促します。

ペグインターフェロンアルファと他の治療法との位置づけ

1992年頃からインターフェロン療法が承認されましたが、治療完了後もウイルスが陰性のまま潜伏するなど、効果的だった割合はわずか数%という状況が続きました。現在では直接作用型抗ウイルス薬(DAA)の登場により、C型肝炎治療の主流は変化しています。

ペグインターフェロン療法は、DAA治療が適応できない特定の症例や、特定のウイルス型に対する選択肢として位置づけられます。外部対照を用いた比較試験では、PEG-IFN 48週間投与併合群とインターフェロンアルファ(NAMALWA)投与群との差(95%信頼区間)は11.3%(0.0-22.6)であり、非劣性が検証されました。

参考)https://www.gifu-upharm.jp/di/mdoc/pinsert/2g/p3812312104.pdf

医療機関では、患者の病態、ウイルス遺伝子型、肝機能の状態、併存疾患、過去の治療歴を総合的に評価して治療方針を決定します。ペグインターフェロン療法を選択する際は、48週間という長期投与に耐えられる患者の身体的・精神的状態を慎重に見極めることが求められます。

真性多血症に対してはロペグインターフェロンα-2b(ベスレミ)という別のペグインターフェロン製剤が2週間に1回投与で使用されます。血栓症予防のための細胞減少療法の目的で用いられますが、適応疾患が異なります。

参考)【血液専門医が解説】ベスレミ(一般名:ロペグインターフェロン…

薬剤選択は適応症に基づきます。