ブテナフィン先発品選択と後発品の薬価差・臨床的使い分け

ブテナフィン先発の特徴と選択

先発品ボレーは後発品より薬価1円高い程度。

この記事の3ポイント
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先発品は2種類存在

メンタックス(科研製薬)とボレー(久光製薬)が共に先発品として承認され、薬価はメンタックス22円/g、ボレー23円/gで設定されています

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後発品との薬価差は約7円

後発品の薬価は15.2円/gで、先発品より約7円安価ですが、後発医薬品調剤体制加算の算定対象となります

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販売中止品に注意

メンタックス外用液とスプレーは2025年3月末で薬価基準削除予定のため、代替品への切り替え計画が必要です

ブテナフィン先発品の2つのブランド構造

 

ブテナフィン塩酸塩には、科研製薬の「メンタックス」と久光製薬の「ボレー」という2つの先発品が存在します。これは1994年の承認時に、科研製薬が合成したベンジルアミン誘導体を、2社がそれぞれ独自のブランド名で発売したためです。

参考)https://www.ygken.com/2023/11/blog-post.html

どういうことでしょうか?

通常、先発品は1社のみですが、ブテナフィン塩酸塩は開発段階から複数社が関与したため、どちらも「先発品」として薬価収載されています。両剤の有効成分・含有量・効能効果は完全に同一で、臨床的な差異はありません。switch-otc+1

疑義照会なしでの変更調剤は不可能です。

参考)先発品・後発品・準先発品・どれでもない。 医薬品の区分の調べ…

処方箋に「メンタックス」と記載されている場合、薬剤師の判断で「ボレー」に変更することはできません。先発品同士でも銘柄変更には医師への疑義照会が必須となるため、院内採用品の統一が在庫管理上重要になります。

ブテナフィン先発品と後発品の薬価比較

先発品の薬価は、メンタックスクリーム1%が22.00円/g、ボレークリーム1%が23.00円/gです。興味深いことに、科研製薬のメンタックスの方が久光製薬のボレーよりわずかに安価に設定されています。med.towayakuhin+2

後発品の薬価は15.20円/gで統一されています。

参考)ブテナフィン塩酸塩の同効薬比較 – くすりすと

先発品と後発品の薬価差は、1gあたり約6.8~7.8円となり、30g処方の場合で204~234円の差額が発生します。後発品への変更は後発医薬品調剤体制加算の算定対象となるため、薬局の経営面でもメリットがあります。

外用液剤も同様の価格構造です。

ボレー外用液1%は23.00円/mL、メンタックス外用液1%は22.00円/mL、後発品のブテナフィン塩酸塩液1%「トーワ」は15.20円/mLとなっています。クリーム剤と液剤で薬価体系に一貫性があるため、剤形変更時の説明がしやすい構造です。

ブテナフィン先発品の販売中止情報

メンタックス外用液1%とメンタックススプレー1%は、2025年3月末で薬価基準削除予定です。科研製薬からの販売中止通知により、これらの剤形を定期処方している患者には代替品への切り替えが必要となります。

代替品はボレー外用液1%です。

同じブテナフィン塩酸塩の先発品であるボレー外用液1%が継続販売されるため、成分的には問題なく切り替え可能ですが、前述の通り疑義照会が必須となります。患者への説明時には「成分は全く同じで、メーカーが変わるだけ」という表現が適切です。

一般名処方なら問題ありません。

参考)https://kasadera.or.jp/data/202512/bin694cbfb699248.pdf

処方箋に「ブテナフィン塩酸塩外用液1%」と一般名で記載されていれば、薬剤師の判断でボレーやトーワの後発品を選択できます。販売中止を見越して、院内の処方システムを一般名処方に切り替えておくことが、2025年3月以降の混乱回避につながります。

ブテナフィン先発品選択の臨床判断基準

先発品を選択する臨床的理由は限定的です。ブテナフィン塩酸塩は外用剤であり、生物学的同等性試験で後発品との有効性が確認されているため、成分以外の添加物への過敏症がない限り、後発品で十分な治療効果が得られます。medical.cygni+1

患者の経済的負担を考慮すべきです。

1日1回塗布を4週間継続する標準的な足白癬治療では、30g処方で先発品と後発品の差額が約200円発生します。年間を通じて再発予防的に使用する患者では、この差額が積み重なるため、薬剤選択時に費用対効果の説明が求められます。oogaki+1

添加物アレルギーがある場合だけ例外です。

参考)https://www.data-index.co.jp/drugdata/pdf/otc/J00570334144_20230502.pdf

市販のブテナフィン塩酸塩配合薬には様々な添加物が配合されていますが、医療用の先発品と後発品でも基剤成分が若干異なる場合があります。過去に特定の外用剤で接触皮膚炎を起こした患者には、添付文書で添加物を確認し、異なる製剤を選択する配慮が必要です。

参考)メンタックスクリームと同じ成分の一般用医薬品は薬局で買えます…

ブテナフィン先発品の在庫管理戦略

先発品2種類と複数の後発品が存在するため、薬局での在庫管理が複雑化しやすい薬剤です。メンタックスとボレーは疑義照会なしで互換できないため、両方を常備すると在庫回転率が低下し、使用期限切れのリスクが高まります。

採用は1銘柄に絞るのが原則です。

医療機関との事前協議により、院内採用品を1銘柄に統一してもらうか、一般名処方への切り替えを依頼することで、在庫効率が大幅に改善します。特に2025年3月以降はメンタックス外用液が削除されるため、今から調整を始めておくことが賢明です。

後発品の銘柄選択も重要ですね。

ブテナフィン塩酸塩の後発品は複数社から発売されていますが、トーワやVTRSなど安定供給実績のあるメーカーを選ぶことで、欠品時の代替調達リスクを軽減できます。定期的に卸売業者から供給状況の情報を入手し、切り替えタイミングを見極める姿勢が求められます。data-index+1

ブテナフィン塩酸塩の先発品・後発品の詳細比較データ(データインデックス)
日本皮膚科学会 皮膚真菌症診療ガイドライン2019(PDF)

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