グリセオフルビン商品名と販売中止情報、海外製剤入手法

グリセオフルビン商品名と国内販売状況

日本国内で販売終了したグリセオフルビンですが、処方依頼があれば海外製剤の情報提供が必要です。

この記事で分かること
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国内商品名と販売状況

ポンシルFP、グリセチンV錠などの商品名と2008年販売中止の経緯

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使用禁忌と注意点

妊婦・授乳婦への禁忌、男女の避妊期間、肝障害リスクなど重要な副作用情報

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海外製剤の入手方法

FULVICIN P/G、GRISOVINなど現在入手可能な海外製品の情報

グリセオフルビンの国内販売商品名一覧

グリセオフルビンの国内商品名は、武田薬品工業が製造販売していたポンシルFPと、富士製薬のグリセチンV錠が代表的です。これらは125mg錠と250mg錠の規格で販売されており、1錠あたりの薬価は約11円と非常に安価なコストパフォーマンスの高い薬剤でした。shirasagi-hp+2

他にも国内では「フルビシン」「グリソビン」「ネオフルシン」「グリサクチン」などの商品名が存在していました。つまり複数の製薬会社から供給されていたということですね。

参考)グリセオフルビン

しかし、2008年12月に有効成分の原材料輸入が途絶えたため、ジェネリック品を含むすべてのグリセオフルビン製剤が日本国内で生産終了となりました。販売中止から18年が経過した現在、国内での入手は不可能です。yakuten-ichiba+1

現在も医薬品インタビューフォームには「製造販売中止」の記載が残されており、薬剤情報システムから商品名が削除された状態が続いています。sioe-pharm+1

グリセオフルビン販売中止の背景と影響

販売中止の直接的な理由は原材料の輸入途絶ですが、医療現場への影響は限定的でした。これは爪白癬(爪の水虫)治療において、テルビナフィンなどより有効性の高い内服抗真菌薬が既に普及していたためです。dermatol+1

日本皮膚科学会の皮膚真菌症診療ガイドライン2019では、爪白癬の標準治療としてテルビナフィン62.5~250mg/日を4週間投与する方法が推奨されています。グリセオフルビンよりも治療期間が短く、完治率も高い点が評価されました。

参考)https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/shinkin_GL2019.pdf

また、グリセオフルビンは併用注意薬として多くの薬剤の添付文書に記載されていましたが、販売中止後は該当記載が順次削除されています。

これは医薬品情報管理の観点から重要です。

参考)https://www.sioe-pharm.co.jp/storage/products/pdf/seihin131017.pdf

ただし海外では現在も使用されており、米国ではFULVICIN P/G 165などの後発品が流通しています。入手を希望する患者には個人輸入の選択肢を案内する必要があります。

参考)KEGG DRUG: グリセオフルビン

グリセオフルビンの使用禁忌と重要な注意事項

グリセオフルビンには複数の重篤な禁忌事項があり、医療従事者として正確に理解しておく必要があります。wikipedia+1

最も重要な禁忌は妊娠中の使用です。動物実験で催奇形性が確認されており、胎児の奇形を引き起こす可能性があるため絶対禁忌となっています。IARCの発がん性リスク分類ではGroup2B(人に対する発がん性が疑われる)に該当します。egnlab+2

さらに注意すべきは服用中止後の避妊期間です。動物実験で精子および卵子への影響が報告されているため、以下の期間は避妊が必要となります:

参考)https://www.shirasagi-hp.or.jp/goda/fmly/pdf/files/176.pdf

  • 女性:服用中止後1ヶ月間
  • 男性:服用中止後6ヶ月間

授乳婦への使用も禁忌です。また肝障害のある患者には使用できず、服用中は定期的な肝機能検査が推奨されます。肝臓で代謝される薬剤のため、肝機能低下がある場合は症状を悪化させるリスクがあります。wikipedia+1

その他の重篤な副作用として、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、剥脱性皮膚炎、SLE様症状、精神錯乱、末梢神経炎、顆粒球減少などが報告されています。薬剤感受性試験で確定診断された真菌感染症に限定して使用すべきです。egnlab+1

グリセオフルビンの適応症と作用機序

グリセオフルビンはアオカビの一種Penicillium griseofulvumから得られる抗真菌性抗生物質で、1939年に発見された歴史ある薬剤です。分子式C17H17ClO6、CAS登録番号126-07-8の化合物として登録されています。kusuristore+2

適応症は皮膚糸状菌による白癬・黄癬・渦状癬で、特にMicrosporumやTrichophytonといった真菌種に有効です。水虫、いんきんたむし、爪白癬などの治療に経口投与されます。iekarashop+2

作用機序の特徴は、真菌細胞の微小管に結合して有糸分裂を阻害し、細胞壁の合成を妨害することです。

これが真菌細胞を死滅させます。

またケラチン化組織(皮膚、毛髪、爪)への親和性が高く、感染部位に選択的に集積する特性を持ちます。kegg+1

通常の成人用量は250~500mg/日を1~数回に分けて内服し、症状が重篤な場合は1日1000mg(250mg錠を4錠)まで増量できます。

小児の場合は成人用量の半分程度が目安です。

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真菌感染症は完治まで長期間を要するため、症状が改善しても処方期間を守って服用を継続することが重要です。

参考)グリセオフルビン|効果・副作用・使い方

海外製グリセオフルビン製剤の入手方法

国内販売中止後も、海外製グリセオフルビン製剤の入手は可能です。医療従事者として患者から相談を受けた際、個人輸入代行サービスの情報提供が求められる場面があります。

現在入手可能な主な海外製品は以下の通りです。

価格は個人輸入代行業者により異なりますが、250mg錠の場合は1錠あたり数十円~100円程度の範囲です。

国内販売時の11円と比較すると高額ですね。

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個人輸入する場合の注意点として、医薬品医療機器等法により個人使用目的に限り1ヶ月分までの輸入が認められていることを説明する必要があります。また海外製品は日本の医薬品副作用被害救済制度の対象外となるため、副作用発生時の補償が受けられないリスクがあります。

患者が個人輸入を検討する場合、信頼できる代行業者の選定と、服用前の医師への相談を必ず案内してください。偽造医薬品のリスクも存在するため、極端に安価な製品には注意が必要です。

KEGG DRUG データベースのグリセオフルビン情報

グリセオフルビンの化学構造式、効能、米国での商品名などの詳細情報が記載されています。

日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン2019(PDF)

爪白癬などの標準的治療法とテルビナフィンの推奨用量が記載された診療ガイドラインです。