尿酸排泄促進配合剤と選択的阻害薬の使い分け効果

尿酸排泄促進配合剤の選択と使い分け

発作寛解期でも最小量開始を怠ると3割が再発作します。

この記事の3つのポイント
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尿酸排泄促進配合剤の種類と特性

ベンズブロマロン、ドチヌラド、プロベネシドの作用機序と腎機能別の使い分け基準を解説

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投与開始時の痛風発作誘発リスク

最小量開始と漸増の重要性、コルヒチンカバーの適切な併用期間と方法

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腎機能低下例での薬剤選択

eGFR値による投与制限と新規薬剤ドチヌラドの腎保護効果の最新エビデンス

尿酸排泄促進配合剤の作用機序と薬剤分類

 

尿酸排泄促進配合剤は、腎臓の尿細管における尿酸の再吸収を阻害することで、尿中への尿酸排泄を促進する薬剤群です。高尿酸血症の病態分類において、尿酸排泄低下型に対して理論的に最も適した治療選択肢となります。現在、臨床で使用される主要な薬剤には、ベンズブロマロン(ユリノーム)、ドチヌラドユリス)、プロベネシド(ベネシッド)の3種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。

ベンズブロマロンは1970年代から使用されている実績のある非選択的尿酸再吸収阻害薬で、通常25mgまたは50mgから開始します。尿酸低下作用が強力である一方、劇症肝炎のリスクが存在するため、投与開始後少なくとも6ヶ月間は定期的な肝機能検査が必須です。劇症肝炎の発生率は0.0066%と極めて稀ですが、死亡例が報告されているため、添付文書には警告欄が設けられています。

ドチヌラドは2020年に登場した選択的尿酸再吸収阻害薬(URAT1選択的阻害薬)です。通常0.5mgから開始し、血中尿酸値を確認しながら徐々に増量します。

最大投与量は4mgまでとなっています。

この薬剤の最大の特徴は、尿酸トランスポーターURAT1を選択的に阻害する点にあります。OAT1/3やABCG2にはほとんど作用しないため、薬物相互作用のリスクが低減されています。

プロベネシドは250mg錠が使用され、最初に少量を投与し、2〜3週ごとに漸増しながら1〜2ヵ月かけて通常使用量まで増量します。ベンズブロマロンと比較すると尿酸低下作用はやや弱いものの、作用時間が長く、安全性プロファイルが良好です。

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(日本痛風・尿酸核酸学会)では、尿酸排泄促進薬の選択基準と投与方法の詳細が記載されています

尿酸排泄促進配合剤投与時の肝機能障害リスク管理

ベンズブロマロン投与における最も重大な副作用が劇症肝炎です。2000年2月に厚生労働省から緊急安全性情報(イエローレター)が発出され、医療現場に大きな衝撃を与えました。当時までに8例の劇症肝炎(うち死亡6例)が報告されており、その多くが投与開始6ヶ月以内に発現していました。

推定使用患者数から算出すると、劇症肝炎の発症率は約0.0066%です。この数字は極めて低い頻度ですが、発症した場合の致死率が高いため、慎重な管理が求められます。一方、軽症例を含めた肝機能障害全体の発症率は約0.2%程度であり、これは他の生活習慣病治療薬と比較して特に高いものではありません。

投与開始前には必ず肝機能検査を実施し、肝障害のないことを確認する必要があります。投与開始後は、少なくとも6ヶ月間は月1回程度の肝機能検査(AST、ALT、Al-P、γ-GTP)を実施し、その後も定期的なモニタリングを継続します。患者には倦怠感、食欲不振、黄疸などの初期症状が出現した場合、直ちに受診するよう指導することが重要です。

肝障害のリスクがあることから、ベンズブロマロンは肝障害の既往がある患者、肝機能検査値異常がある患者には禁忌となっています。こうした患者層には、肝障害リスクの低いドチヌラドの使用を検討します。

ドチヌラドでは、ベンズブロマロンでみられた重篤な肝障害の報告が現時点では少なく、より安全な選択肢として位置づけられています。

肝障害の早期発見と対応が患者の予後を大きく左右するということですね。

尿酸排泄促進配合剤と尿路結石発生リスクの管理戦略

尿酸排泄促進薬の使用により尿中尿酸排泄量が増加するため、尿路結石の形成リスクが高まります。尿中尿酸排泄量と結石発生頻度には明確な相関関係があり、尿中尿酸排泄量が300mg/日未満では結石発生率は11%ですが、300〜699mg/日では21%、700〜1100mg/日では約35%まで上昇するというデータがあります。

尿酸は酸性尿中では結晶化しやすい性質を持っています。尿pH6.0未満の酸性尿では尿酸の溶解度が低下し、結石形成が促進されます。特にベンズブロマロンのような強力な尿酸排泄促進作用を持つ薬剤では、短時間にピークのある尿中尿酸濃度上昇により、結石形成リスクがさらに高まります。

このリスクを軽減するために、尿酸排泄促進薬の使用時には必ず尿アルカリ化薬を併用します。代表的な薬剤がクエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤(ウラリット)です。クエン酸は体内でクエン酸回路により代謝されて重炭酸イオンを生成し、尿をアルカリ化します。目標尿pHは6.0〜7.5程度とされています。

ウラリット配合剤は、クエン酸カリウムとクエン酸ナトリウムを1:1のモル比で含有しており、電解質バランスへの影響を最小限に抑える設計となっています。通常、1日3g程度を3回に分けて投与しますが、患者の尿pHを定期的に測定し、適切な範囲に維持できるよう用量を調整します。

尿pH測定には、尿試験紙を使用した簡易的な方法が一般的です。患者自身による自己測定も可能であり、在宅での尿pH管理を患者指導に組み込むことで、結石予防効果が高まります。

また、十分な水分摂取も重要な予防策です。尿量が1日2000mL以上確保されると、尿中尿酸濃度が希釈され、結石形成リスクが低下します。特に尿中尿酸濃度が50mg/dL以上の患者では、積極的な飲水指導を行います。

既に尿路結石の既往がある患者や腎結石を合併している患者には、原則として尿酸排泄促進薬は使用せず、尿酸生成抑制薬を選択するのが基本です。

水分摂取と尿pH管理が結石予防の鍵となります。

尿酸と尿路結石の関連について、日本痛風・尿酸核酸学会誌の論文で詳細なメカニズムが解説されています

尿酸排泄促進配合剤投与開始時の痛風発作誘発メカニズムと予防

尿酸降下薬の投与開始時に痛風発作が誘発されるパラドックスは、臨床上最も注意すべき問題の一つです。血清尿酸値の急激な低下により、関節内に沈着していた尿酸塩結晶の表面が不安定化し、結晶が剥離・遊離することで炎症反応が惹起されるのがそのメカニズムです。

統計的には、尿酸降下薬開始後6ヶ月以内に約30%の患者で痛風発作が誘発されるとされています。特に投与開始後1〜2ヶ月が最も発作のリスクが高い時期です。この時期は血清尿酸値が大きく変動し、関節内の尿酸塩結晶が不安定になりやすいためです。

発作誘発を防ぐための最も基本的な対策が、「最小量からの開始と緩徐な漸増」です。高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版でも、尿酸降下薬は最小量から開始し、1〜2ヶ月ごとに漸増することが推奨されています。急激な尿酸値低下を避けることで、関節内結晶の不安定化を最小限に抑えます。

具体的には、ベンズブロマロンであれば25mg、ドチヌラドであれば0.5mgという最小用量から開始し、血清尿酸値を確認しながら段階的に増量していきます。目標血清尿酸値は6.0mg/dL以下ですが、急いでこの値を達成しようとせず、数ヶ月かけて緩やかに到達することが重要です。

さらに有効な予防策が「コルヒチンカバー」です。これは、尿酸降下薬開始時にコルヒチン0.5〜1.0mg/日を併用し、3〜6ヶ月後にコルヒチンを中止する方法です。コルヒチンは白血球の遊走を抑制し、尿酸塩結晶による炎症反応の増幅を防ぐことで、痛風発作の発症を予防します。

コルヒチンカバーの実施により、投与開始後の痛風発作発生率を有意に低下させることができます。特に痛風発作の既往が複数回ある患者、痛風結節を有する患者、血清尿酸値が非常に高い患者(9.0mg/dL以上)では、コルヒチンカバーの併用が強く推奨されます。

ただし、コルヒチンの長期投与には注意が必要です。下痢、悪心などの消化器症状が出現しやすく、長期投与では脱毛、骨髄抑制などの副作用リスクもあります。そのため、尿酸値が安定してきた3〜6ヶ月の時点でコルヒチンを中止するのが一般的です。

なお、既に痛風発作が起こっている急性期には、尿酸降下薬の新規開始は避けるべきです。発作が完全に寛解してから、上記の原則に従って投与を開始します。既に尿酸降下薬を服用中の患者が発作を起こした場合は、薬剤を中止せず継続することが推奨されています。

最小量開始と緩徐な漸増が基本原則です。

尿酸排泄促進配合剤の腎機能低下例における効果と選択基準

従来、尿酸排泄促進薬は腎機能低下時には効果が減弱し、腎障害を悪化させるとされてきました。ベンズブロマロンとプロベネシドは、腎における尿酸の再吸収を阻害することで尿酸排泄を促進するため、高度な腎障害のある患者(血清クレアチニン値2.0mg/dL以上、eGFR 30mL/min/1.73m²未満)では無効であり、禁忌または慎重投与とされています。

しかし、最近の研究により、この従来の考え方が見直されつつあります。慢性腎臓病CKD)合併の高尿酸血症患者では、尿酸の腎からの排泄低下が主な病態であるため、適切に使用すれば尿酸排泄促進薬も有効である可能性が示されています。

特に注目されているのが、新規薬剤ドチヌラドの腎機能低下例における効果です。ドチヌラドは従来のベンズブロマロンと異なり、eGFR 30mL/min/1.73m²未満の高度腎機能低下者への投与が禁忌ではなく慎重投与とされています。実際の臨床研究では、CKD stage G3a、G3b、G4の患者において、ドチヌラド投与開始後にeGFRスロープ(腎機能低下速度)の有意な改善が認められたという報告があります。

腎機能別の効果を検討した研究では、腎機能正常例(eGFR≧60mL/min/1.73m²)よりも腎機能低下例において、ドチヌラドの尿酸低下作用がより強力であったとされています。これは、腎機能低下例では尿酸排泄低下がより顕著であり、URAT1阻害による相対的な効果が大きいためと考えられます。

さらに、ドチヌラドには腎保護効果も期待されています。尿酸降下療法によりCKD患者の腎機能悪化を抑制する可能性があり、日本腎臓学会のCKD診療ガイドラインでも、高尿酸血症を有するCKD患者において尿酸降下療法を行うことを考慮してもよいとされています。

eGFR値に応じた薬剤選択の目安として、eGFR 60mL/min/1.73m²以上であれば、ベンズブロマロン、ドチヌラドいずれも通常量で使用可能です。eGFR 30〜59mL/min/1.73m²(CKD stage G3)では、ドチヌラドの使用を優先的に考慮します。eGFR 30mL/min/1.73m²未満(CKD stage G4以上)では、ドチヌラドは慎重投与となり、少量から開始して効果と副作用を慎重にモニタリングします。

ただし、腎機能低下例では尿酸排泄促進薬の使用により尿路結石のリスクがさらに高まる可能性があるため、尿アルカリ化薬の併用と十分な水分摂取指導が必須です。また、定期的な腎機能検査(血清クレアチニン、eGFR測定)を実施し、腎機能の推移を注意深く観察する必要があります。

腎機能低下例でも選択的阻害薬なら使用可能です。

日本腎臓学会のCKD診療ガイドライン2024年版では、CKDにおける高尿酸血症治療の推奨が詳しく記載されています

尿酸排泄促進配合剤と尿酸生成抑制薬の併用療法の実際

単剤治療では目標血清尿酸値6.0mg/dL以下を達成できない症例や、痛風結節が多発している重症例では、尿酸排泄促進薬と尿酸生成抑制薬の併用療法が有効です。作用機序の異なる2種類の薬剤を組み合わせることで、より強力な尿酸降下効果が得られます。

尿酸生成抑制薬には、アロプリノール(ザイロリック)、フェブキソスタット(フェブリク)、トピロキソスタット(ウリアデック、トピロリック)などがあります。これらはキサンチン酸化還元酵素を阻害することで、プリン体から尿酸への代謝を抑制します。

併用療法の適応となるのは、以下のような症例です。まず、単剤での尿酸コントロールが不十分な症例です。尿酸生成抑制薬または尿酸排泄促進薬のいずれか一方を通常量まで増量しても、目標尿酸値に到達しない場合、もう一方の薬剤を追加します。

次に、痛風結節を有する症例です。

血清尿酸値を低く維持するほど痛風結節の消失が速まるため、結節が多発している症例では積極的に併用療法を検討します。さらに、腎機能低下例で尿酸生成抑制薬単剤では効果不十分な症例も対象となります。

併用開始時の注意点として、最も重要なのは痛風発作の誘発リスクです。単剤開始時と同様、併用開始時にも血清尿酸値の急激な変動により発作が起こりやすくなります。そのため、併用開始時もコルヒチンカバーの使用を検討します。また、2剤目を追加する際も、最小量から開始し、緩徐に増量するのが原則です。

薬物相互作用にも注意が必要です。ベンズブロマロンは肝代謝型の薬剤であり、CYP2C9で代謝されます。肝代謝に影響を与える他の薬剤との併用時には、血中濃度の変動に注意します。一方、ドチヌラドはURAT1を選択的に阻害するため、OAT1/3やABCG2を介した薬物相互作用が少なく、併用しやすい特性があります。

併用療法により腎機能への影響も考慮する必要があります。尿酸排泄促進薬の使用により尿中尿酸排泄量が増加するため、尿アルカリ化薬の併用と十分な水分摂取がさらに重要になります。また、定期的な尿中尿酸排泄量測定や尿pH測定を行い、尿路結石のリスクを評価します。

併用療法の効果判定には、通常2〜4週間ごとに血清尿酸値を測定し、目標値到達を確認します。目標値に到達後も、3〜6ヶ月ごとの定期的な測定を継続し、尿酸値の維持を確認します。

血清尿酸値を低く保つほど痛風結節の消失が早まります。

尿酸排泄促進配合剤使用時の患者モニタリングと長期管理指針

尿酸排泄促進薬の使用においては、適切なモニタリング体制の構築が治療成功の鍵となります。投与開始前には、血清尿酸値、肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP、Al-P)、腎機能検査(血清クレアチニン、eGFR)、尿検査(尿pH、尿中尿酸排泄量)を実施し、ベースライン値を確認します。

投与開始後のモニタリングスケジュールは、時期により異なります。

投与開始後6ヶ月間は特に重要な期間です。

この期間は、肝障害発現リスクが最も高く、また痛風発作誘発のリスクも高いため、月1回程度の受診と検査が推奨されます。血清尿酸値は2〜4週間ごとに測定し、用量調整の参考にします。肝機能検査は月1回実施し、AST、ALTが基準値上限の2倍以上に上昇した場合や、患者が倦怠感や食欲不振を訴えた場合には、速やかに投与を中止します。

6ヶ月以降は、尿酸値が目標範囲で安定していれば、3〜6ヶ月ごとの定期検査に移行できます。しかし、肝機能検査は定期的に継続し、長期的な安全性を確保します。

患者教育も長期管理において極めて重要です。痛風発作時の対応について、発作出現時には速やかに受診すること、既に尿酸降下薬を服用中の場合は中止せず継続すること、発作治療薬(NSAIDs、コルヒチンなど)を適切に使用することを指導します。

生活習慣の改善指導も併せて行います。プリン体の過剰摂取を避けるため、レバー、白子、一部の魚卵などの高プリン食品の摂取を控えます。ただし、過度な食事制限は長続きしないため、バランスの取れた食事を基本とします。アルコール摂取、特にビールは尿酸値を上昇させるため、節酒または禁酒を指導します。適正体重の維持も重要で、肥満がある場合は緩やかな減量を目指します。

水分摂取については、1日2000mL以上の水分を摂取し、尿量を確保するよう指導します。特に尿酸排泄促進薬使用時は、尿中尿酸濃度を希釈するために十分な水分摂取が必須です。

尿pH管理のため、患者自身による尿pH測定を推奨します。尿試験紙を用いた簡易測定法を指導し、尿pHが6.0〜7.5の範囲に維持されているか定期的に確認します。尿pHが低い場合は、野菜や海藻などのアルカリ性食品の摂取を増やすよう指導します。

薬剤アドヒアランスの維持も課題です。高尿酸血症は無症状であることが多く、また尿酸降下薬は長期継続が必要なため、服薬中断のリスクが高い疾患です。患者に対して、高尿酸血症の放置により痛風発作だけでなく、腎障害、尿路結石、心血管疾患のリスクが高まることを説明し、治療継続の重要性を理解してもらいます。

定期受診の重要性を強調し、受診中断により尿酸値が再上昇するリスクがあることを伝えます。また、副作用の早期発見のためにも定期的な検査が必要であることを説明します。

長期的な治療目標は、血清尿酸値を6.0mg/dL以下に維持し、痛風発作を予防すること、痛風結節がある場合はその消失を目指すこと、腎障害や心血管疾患などの合併症を予防することです。これらの目標達成には、適切な薬物療法と生活習慣改善の両立が不可欠です。

定期的なモニタリングが安全な長期治療の基盤です。


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