ボタンホール針と穿刺と感染と手順と管理

ボタンホール針と穿刺

ボタンホール針と穿刺:押さえる要点
🧠

適応を先に決める

穿刺痛が強い患者など、導入目的を明確にすると運用がブレにくい。

🧼

感染対策は痂皮が核心

痂皮(かさぶた)は汚染源と考え、除去と消毒の手順を固定化する。

🧰

うまく入らない時の手順

跳ね返り(トランポリン現象)などに備え、例外対応をチームで共有する。

ボタンホール針の適応とメリットとデメリット

 

ボタンホール穿刺は、皮膚表面からシャント血管壁までの固定された穿刺ルート(ボタンホールトンネル)を作り、先端が鈍い針(ダルニードル)で同じルートを通して穿刺する方法です。

日本透析医学会の「バスキュラーアクセスの使用法」では、ボタンホール穿刺の適応を「穿刺痛の強い患者」としています。

メリットとして、毎回同じトンネル・穿刺孔を使うことで穿刺が容易、痛みが少ない、血管ダメージが少なくシャントが長持ち、止血時間が短くなる可能性が挙げられています。

一方で、トンネルを通って穿刺孔を探り当てられず血管壁に跳ね返される「トランポリン現象」により、穿刺時間が延びたり、痛みや止血が改善しない(むしろ悪化する)報告もあります。

最大のデメリットとして、通常穿刺よりシャント関連感染症が多いとされ、痂皮除去不足や消毒不徹底が要因として示されています。

ボタンホール針の固定穿刺ルート作製と手順

固定穿刺ルートの作製について、日本透析医学会の記載では「透析終了後に穿刺針を抜去した後、その穿刺ルート跡に短いスティックを14日間留置することにより作製する」とされています。

運用上は、ルート作製期に刺入角度や刺入位置が毎回わずかにズレると、トンネルが安定せず“同じ場所のはずなのに入らない”状態が起きやすくなります。

そのため、施設として「誰が作製期を担当するか」「刺入角度・方向の合わせ方をどう記録するか」を、手技ではなく業務手順として先に決めておくことが重要です。

また、ボタンホール穿刺は「狭い範囲内を反復穿刺して血管を拡張させる」行為とは異なる、とガイド内で明確に区別されています。

この区別をスタッフ教育の冒頭で強調しておくと、「同じ所に刺す=危険」という単純化による誤解が減り、説明や同意がスムーズになります。

ボタンホール針の痂皮除去と消毒と感染対策

ガイドラインでは、穿刺前にVA肢の感染徴候(発赤・腫脹・疼痛など)を観察し、疑わしい部位を避けることが推奨されています。

さらに、穿刺前にスタッフは手洗いと手袋着用、患者も穿刺前に石鹸でVA肢をよく洗うことが示されています。

ボタンホール穿刺に特有の要点として、固定穿刺ルート入口に形成される痂皮は細菌に汚染されていると考えるべきで、血管腔内に押し込まないため穿刺前に除去が必要とされています。

MediPress透析でも、ボタンホールの感染リスクは「痂皮除去の不十分」「穿刺部の消毒不徹底」が原因と考えられ、除去と消毒の徹底で回避し得る旨が説明されています。

ここでの実務上の落とし穴は、「痂皮を“取ったつもり”」でも微小な残渣がトンネル入口に残り、鈍針の圧で内部へ押し込まれるシナリオで、痂皮除去は“目で見える成功基準”をチームで揃える必要があります。

ボタンホール針の挿入困難とトラブル時の対応

ダルニードルが血管腔内に入らない場合、ガイドラインでは「血管壁に達したところでおおよそ45°の角度に起こし、その角度で血管壁を押す」手順が示されています。

それでも入らない場合は、その透析時のみ先端の鋭い通常針を固定穿刺ルートに沿って挿入して穿刺する、という“例外対応”が記載されています。

MediPress透析が述べるトランポリン現象(穿刺孔を探れず跳ね返される)も、現場では「角度」「押す力」「痂皮残渣」「トンネルの曲がり」など複合要因で起きるため、単発事象として片付けず再発防止の観察項目に落とし込むことが重要です。

例えば、同じ患者で「特定のスタッフだと通る/通らない」が出る場合、技量差ではなく“角度・方向の再現性”の問題として記録を整えると、短期間で改善することがあります。

また、穿刺に時間がかかるほど清潔操作の集中力が落ちやすいので、「時間が延びた時こそ手順を増やさず戻る」という運用(やり直し時のチェックリスト固定)が感染対策として効きます。

ボタンホール針の独自視点:手技の標準化と患者教育

ボタンホールの普及には、施設間で差のあるトンネル作成や穿刺手順・管理の手技を統一し、消毒の徹底と清潔操作の訓練が大切だと整理されています。

この“統一”を実現する現場設計としては、①作製期の担当固定、②刺入角度・方向・皮膚の張り方の記録、③痂皮除去の合格基準(視認できる状態)を文章化、④例外対応(45°で押す/通常針へ切替)の判断条件を明確化、の4点が要になります。

患者教育は「石鹸でVA肢を洗う」という基本に加えて、痂皮が“自然に取れるのを待つもの”ではなく“感染リスクの焦点で、除去が必要な対象”であることを、理由付きで共有すると理解が深まります。

さらに、穿刺部の観察(発赤・腫脹・疼痛)を患者自身も言語化できるようにしておくと、感染徴候の見逃しを減らし、穿刺部位を避ける判断にもつながります。

ボタンホール針は「痛みを減らす技術」であると同時に「感染を増やし得る運用」でもあるため、技術教育より先に“標準手順と例外手順”を整備した施設の方が、結果として安定運用に近づきます。

穿刺手順・感染予防(痂皮除去や消毒など)の根拠として有用(日本透析医学会のVA使用法)

https://www.jsdt.or.jp/tools/file/download.cgi/25/pdf025.pdf

ボタンホールトンネルの概念、メリット/デメリット、トランポリン現象、感染リスク要因がまとまっている(臨床説明の組み立てに有用)

ボタンホール(穿刺)

NUOBESTY 250個 ピンバッグ ゴールドの ピン スレッダー 写真用ミニ洗濯ばさみ 衣類 ボタンホール 針糸通し器 衣服の ポータブル 黒 タイダイキット 鋼線 Golden