アキレス腱周囲炎治し方安静リハビリ靴

アキレス腱周囲炎と治し方

アキレス腱周囲炎と治し方:臨床で外さない要点
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まず「部位」と「病態」を切り分ける

周囲炎(パラテノン)なのか、腱実質の変性(腱症)や付着部障害・滑液包炎なのかで、負荷のかけ方と禁忌が変わります。

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急性期はRICE+免荷で炎症を落とす

腫脹や歩行痛が強い時期は、サポータ・包帯・松葉杖などで荷重を一時的に下げ、原因動作を止めるのが第一です。

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靴と踵高で「張力」を下げる

踵が高めの靴への変更は、アキレス腱への牽引ストレスを減らしやすく、日常動作の疼痛コントロールに役立ちます。

アキレス腱周囲炎の原因と症状:安静時痛・腫れ・圧痛の見方

 

アキレス腱周囲炎は、アキレス腱とその周囲で炎症や変性が起こり痛みが生じる病態で、スポーツや長距離歩行、仕事など反復する足関節運動と荷重で発症しやすいとされます。

症状は、足首後方(アキレス腱と踵骨の境目)の痛み、腫れを伴い、歩行や階段・坂道で増悪し、靴が当たる刺激でも痛みが出やすい点が臨床的なヒントになります。

初期は安静時痛が目立たなくても、進行すると安静時にも疼痛が持続し得るため、「歩けるから大丈夫」という自己判断が慢性化の入口になりやすい点を患者教育で強調します。

【医療従事者メモ】

  • 周囲炎(パラテノン)の「こすれ・浮腫・熱感」が主役なのか、腱実質の「変性(腱症)」が主役なのかを意識すると、説明が通りやすくなります。

    参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11061651/

  • 患者の訴えでは「動き出しが痛い」「しばらく動くと軽くなる」パターンがあり、放置されやすい点も注意事項です。​

アキレス腱周囲炎の検査と診断:超音波・MRIと鑑別のコツ

診断は身体所見が基本で、圧痛・把握時痛・腫脹・運動時痛を確認し、断裂がないことを押さえたうえで周囲炎を疑います。

超音波は、腱・靭帯・筋の損傷や炎症の評価に有用で、関節を動かしながらの動的評価もできるため、X線で写りにくい病変を追える点が実地で強みです。

付着部障害や滑液包炎、骨棘の関与が疑われる場合はX線やMRIが補助となり、踵骨骨棘や水分貯留(滑液包炎)を拾えることがあります。

【鑑別で外したくない例】

  • 強い腫れ・皮下出血・底屈筋力低下があれば、炎症性疾患よりアキレス腱断裂をまず除外します(所見が典型でない“部分断裂”もあるため要注意)。​
  • 踵後方の限局した圧痛と靴刺激痛が強い場合、付着部症・滑液包炎(踵骨後部滑液包炎)も鑑別に入れ、治療戦略(靴・踵高・局所注射の扱い)を変える発想が必要です。​

アキレス腱周囲炎の治し方:安静・サポータ・免荷と薬物療法

治療の出発点は、サポータや弾力包帯で足首を安静にし、歩行障害が強ければ松葉杖で免荷するなど「まず負荷を下げる」ことです。

踵が高めの靴へ変更する、原因となった動作・作業を一定期間控えるといった生活調整は、炎症期の疼痛を落とす現実的な介入になります。

薬物療法としては鎮痛作用のある外用・内服が選択肢になり、痛みが強い場合にステロイドや局所麻酔薬の注射が検討されることもありますが、繰り返し投与で腱が弱くなり断裂リスクがあるため慎重な判断が必要です。

【患者説明で使えるポイント】

  • 「安静=寝ていれば治る」ではなく、「痛みを増やす負荷を一時停止し、治る方向に負荷を再設計する」という意味合いで説明すると、受診後の遵守率が上がります。​
  • 痛みが軽くても運動継続で悪化・再発し得るため、自己流で“だましだまし”続けないことを強調します。​

アキレス腱周囲炎のリハビリ:ストレッチ・Eccentric exerciseと復帰基準

理学療法(リハビリ)として下腿筋(ふくらはぎ周囲)のストレッチが治療に組み込まれ、柔軟性の改善は再発予防の観点でも重要です。

アキレス腱障害(腱症・付着部症を含む)では、Eccentric exercise(伸張性運動:いわゆるエキセントリック運動)の有用性が複数のRCTで示され、12週間プログラムでVASやVISA-Aの改善が報告されています。

付着部の痛みが強い症例では、エキセントリック運動単独は効果が限定的で、ESWT単独またはESWT+エキセントリック運動の併用が推奨される、とするレビューが紹介されています。

【復帰基準の考え方(実務向け)】

  • “痛みゼロ”を待つより、「翌日に痛みが増悪しない負荷量」を基準に段階づけると、長期離脱を避けやすい設計になります(痛みの自己評価+腫脹+触診反応でモニタリング)。​
  • 付着部障害の併存(骨棘・滑液包炎)が疑われる場合は、負荷運動の角度・靴のカウンター硬さ・踵高を含めて調整し、単なる筋トレ指導で終わらせないのがコツです。​

アキレス腱周囲炎の独自視点:脂質異常症・薬剤歴と「治りにくさ」の評価

アキレス腱障害では外的因子(過負荷)だけでなく内的因子も重要で、年齢・体重に加えて脂質異常症や腎臓病などの併存疾患、ステロイド薬やニューキノロン系抗菌薬などの服薬歴が、腱の変性や断裂リスクに関わる要因として挙げられています。

この視点を問診に組み込むと、「運動量は調整しているのに痛みが引かない」「再発を繰り返す」ケースで、局所だけを追う診療から一段深いリスク評価へ移行できます。

また、腓腹筋拘縮による足関節背屈可動域の減少が付着部に過度の牽引力を生む、という病態整理は、単なる“炎症”説明よりも患者の行動変容(ストレッチ・靴・負荷調整)につながりやすい論点です。

【意外と見落とされるチェック項目】

  • 「最近、ニューキノロンを飲んだか」「ステロイドを継続していないか」を、アキレス腱痛の初診問診で必ず確認する運用にすると安全性が上がります。

    参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11762619/

  • “腫れが少ない=軽症”とは限らず、変性主体だと画像や機能(背屈可動域・筋機能)にヒントが出るため、疼痛だけで重症度判断しないことが重要です。​

(疾患の全体像・治療の基本:安静、免荷、靴、薬、注射の注意点)

済生会|アキレス腱周囲炎の症状・検査・治療(サポータ、免荷、靴、注射の注意点)

(保存療法と手術療法の位置づけ、エキセントリック運動・ESWT・PRP、内的因子や薬剤リスクの整理)

日本臨床スポーツ医学会誌(2024)|アキレス腱症・付着部症の保存療法(EE/ESWT/PRP)と病態・内的因子

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