クリオグロブリン血症 原因と診断と治療

クリオグロブリン血症 原因

この記事で押さえる要点
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原因は「型」でだいたい決まる

I型は単クローン性(骨髄腫/マクログロブリン血症など)、II/III型は免疫複合体型(HCV、膠原病、慢性感染など)をまず想定します。検査計画が立てやすくなります。

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検査のキードライバーは補体とRF

混合型では補体、特にC4の低下が特徴的です。クリオグロブリン量や補体低下は病勢と必ずしも相関しない点も重要です。

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臓器障害(腎・末梢神経)で重症度が変わる

紫斑・関節痛に加え、腎障害や末梢神経障害があると治療強度が上がりやすいです。原因疾患の治療が優先される原則も押さえます。

クリオグロブリン血症 原因:I型・II型・III型と基礎疾患

 

クリオグロブリンは「37℃より低い温度で沈殿し、加温で再溶解する」性質をもつ免疫グロブリンで、臨床的にはI型・II型・III型に分類して考えると原因検索が一気に整理されます。

慶應義塾大学病院の解説では、頻度としてI型10~15%、II型50~60%、III型30~40%が示され、II型とIII型は混合型クリオグロブリン血症とされます。

原因(背景疾患)の典型は「型」で強く示唆され、I型は単クローン性免疫グロブリンが中心で、多発性骨髄腫マクログロブリン血症など血液疾患がまず鑑別に上がります。

一方、II型は単クローン性IgM(しばしばリウマトイド因子活性)とポリクローナルIgGの混合で、C型肝炎ウイルス(HCV)やSLE、シェーグレン症候群などの膠原病との関連が強いと整理できます。

III型はポリクローナル免疫グロブリンから構成され、膠原病や各種ウイルス・細菌感染症など「慢性炎症・慢性感染」を背景に持つことが多い、という病歴の取り方が実務的です。

なお、基礎疾患が明らかでない「本態性」も存在しうるため、陰性結果の解釈では“見つからない”と“まだ見つけていない”を分ける意識が重要です。

クリオグロブリン血症 原因:HCVと免疫複合体・B細胞の視点

混合型クリオグロブリン血症の原因としてHCVが重要視されるようになったのは、HCV同定(1989年)以降に「大半の症例にHCV感染が関与」すると分かってきた歴史的経緯が背景にあります。

厚労科研難治性血管炎の解説でも、クリオグロブリン血症性血管炎は免疫複合体性小血管炎として位置づけられ、HCV患者ではクリオグロブリン陽性率が高いことが明記されています。

病態としては、クリオグロブリンを含む免疫複合体が血管壁に沈着し補体が活性化されることで炎症が駆動される、という「免疫複合体→補体→小血管炎」の流れで理解すると、皮膚・腎・末梢神経の臓器障害が一本の線でつながります。

HCV関連の分子機序は臨床的には「B細胞系の刺激(リンパ増殖性疾患との連続性を含む)」として捉えるとよく、HCV関連クリオグロブリン血症がB細胞リンパ増殖性疾患の文脈で議論されることがあります。

つまり原因検索では、肝炎のスクリーニングだけで終えず、免疫グロブリン異常やリンパ増殖性疾患の兆候(M蛋白、形質細胞/リンパ腫所見など)まで視野に入れると取りこぼしが減ります。

クリオグロブリン血症 原因:膠原病・リンパ増殖性疾患の拾い上げ

II型・III型で多い背景として、SLEやシェーグレン症候群などの膠原病、悪性リンパ腫などのリンパ増殖性疾患、各種感染症が挙げられており、「自己免疫」と「腫瘍性(単クローン性)」を並走して検索する設計が実践的です。

とくにII型はHCVだけでなく膠原病にも多いとされ、厚労科研難治性血管炎の解説でもII型がSLEやシェーグレン症候群に多いこと、III型が膠原病や感染症でみられることが整理されています。

臨床像として、皮膚では紫斑・網状皮斑・皮膚潰瘍などが下腿に好発し寒冷曝露で増悪しうるため、問診では「冷え」「冬季悪化」「長時間立位」など具体的な増悪因子まで確認すると原因疾患の活動性評価にもつながります。

腎障害は膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)様の病理をとる頻度が高いことが知られており、血尿・蛋白尿が軽い段階から腎生検適応の検討が必要になることがあります。

また、末梢神経障害の頻度も高いとされ、しびれや灼熱感などの訴えが「整形外科的な末梢神経障害」として処理されている症例を拾い上げると、原因疾患の同定に至ることがあります。

クリオグロブリン血症 原因:診断の落とし穴(採血・補体・病勢)※独自視点

診断では「血清中クリオグロブリンの存在」が重要ですが、検体の温度管理が不適切だと偽陰性になりうるため、現場運用(採血〜搬送〜遠心〜保存)の手順確認が原因検索と同じくらい大切です。

また混合型では補体低下が高頻度で、特にC4、C1q、CH50が高度低下、C3は軽度低下が多いとされますが、補体低下の程度や沈殿の程度が病勢と相関しないこともあるため、「補体が低い=必ず悪化」「補体が改善=必ず寛解」と単純化しない姿勢が必要です。

鑑別としてはANCA関連血管炎、IgA血管炎、蕁麻疹様血管炎、血栓性微小血管障害、抗リン脂質抗体症候群、クリオフィブリノーゲン血症などが挙げられており、皮膚所見が似ていても“免疫複合体性小血管炎”としての根拠(クリオグロブリン、補体、免疫沈着)を積み上げるのが安全です。

原因疾患の検索は「HCV/HBV/HIVなど感染」「膠原病」「血液腫瘍」を最低ラインとして設計し、陰性でも本態性と断定する前に、時間差の出現(後からHCVが判明、後からリンパ腫が顕在化)を想定してフォロー計画を組むと医療安全上のメリットが出ます。

治療面でも“原因があるなら原因治療が最優先”が原則で、難治性血管炎の解説では膠原病やHCV感染などがあればその治療が最優先で、重症皮膚症状や腎炎ではグルココルチコイド、必要に応じてシクロホスファミドや血漿交換が検討されると示されています。

(論文リンク例)HCV関連クリオグロブリン血症の病態・臨床像の総説:Hepatitis C virus-induced cryoglobulinemia (2009)
原因と病態(クリオグロブリン、補体、分類I/II/III)の一次情報:難治性血管炎に関する調査研究班:クリオグロブリン血症性血管炎

参考)https://www.semanticscholar.org/paper/d467f06205c1b64982c4d3453aea3e27360764a5


臨床像・診断の要点(C4低下、病勢非相関、鑑別、治療概略):慶應義塾大学病院:クリオグロブリン血症性血管炎

参考)301 Moved Permanently



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