リウマチ性多発筋痛症 症状
リウマチ性多発筋痛症 症状 肩 こわばりの特徴
リウマチ性多発筋痛症(PMR)は、50歳以上に多く、発熱や倦怠感を伴いながら、頚部〜肩甲帯、腰臀部などに筋肉痛(実臨床では「肩が上がらない」「寝返りで痛い」などの機能障害として表現されやすい)と朝のこわばりを呈する炎症性疾患です。
症状は左右対称に出ることが多く、起床後に強いこわばりが出て、動かさずにいると増悪しやすいという訴えは、問診で拾いやすい「型」です。
一方で「筋痛症」という名称から筋疾患を想起しがちですが、病気そのものによる筋力低下や筋萎縮は基本的に目立ちにくく、痛みとこわばりにより“力が入らないように感じる”点を丁寧に言語化すると鑑別の精度が上がります。
医療者が押さえる問診の具体例(そのまま聴ける形)
・「朝、起き上がるときに肩や臀部が固まる感じはありますか?」
参考)302 Found
・「服の着脱、髪をとかす動作、トイレで立つ動作で痛みが増えますか?」
・「午後は少し楽になりますか?(日内変動)」
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/b6de213aa0187e8ccb82f7fb8e454c07bbe22339
リウマチ性多発筋痛症 症状 発熱 倦怠感 体重減少
PMRは筋骨格症状だけでなく、38℃台までの発熱、食欲不振、体重減少、全身倦怠感、抑うつ症状など、いわゆる全身炎症の症状を伴いうる点が重要です。
このため、整形外科的な痛みとして受診していても、問診で「微熱が続く」「食欲が落ちた」「最近やせた」などが出てくると、感染症や悪性腫瘍も含めた鑑別が必要な“全身性の痛み”として再整理できます。
意外に見落としやすいのは、患者が「痛みのせいで眠れない」「気分が落ちる」を主訴にするケースで、疼痛の背景に炎症性疾患があると捉え直すと診断につながります。
症状だけでは断定しないための注意
・PMR“らしさ”があっても、CRP/赤沈が上がらない・経過が非典型の場合は、安易にPMRに寄せない(除外診断の発想が必須)。jstage.jst+1
・全身症状が強い場合、PMR単独ではなく合併症(後述の巨細胞性動脈炎など)を同時に疑う。semanticscholar+1
リウマチ性多発筋痛症 症状 検査 CRP 赤沈 CKの読み方
PMRでは血液検査でCRP高値や赤沈亢進など炎症反応の上昇が典型で、筋痛があっても筋酵素(CK)が上がりにくいことが、筋炎との鑑別に役立ちます。
特異的な「陽性なら確定」検査がある疾患ではないため、症状(両側肩痛など)、炎症反応、年齢などの条件を満たすかを出発点にして、関節リウマチ等の類似疾患を除外しながら総合判断します。
また、研究・分類の文脈でよく参照されるACR/EULAR 2012の暫定分類基準は「50歳以上」「両側肩痛」「CRPまたは赤沈上昇」を前提条件にスコア化し、超音波所見(肩・股関節周囲の滑液包炎/腱滑膜炎/滑膜炎など)を加点して判定する枠組みです。
臨床での“検査の落とし穴”
・リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体などはPMRでは一般に陰性が多く、陽性なら関節リウマチ側へ考えを寄せる材料になります(ただし高齢者の偽陽性など臨床文脈の吟味が必要)。
・「痛い=筋肉が壊れている」と患者が理解していることが多いので、「筋肉が壊れる病気(筋炎)とは違い、炎症が主で、筋酵素が上がりにくい」という説明はアドヒアランス改善に直結します。
リウマチ性多発筋痛症 症状 鑑別 診断基準と除外の実務
PMRの診断は「疑うこと」自体が最初のハードルで、類似疾患(関節リウマチ、筋炎、血管炎、感染症、悪性腫瘍など)を十分に除外する必要があります。
Bird(1979)の診断基準は、両側肩の痛み/こわばり、急性発症、赤沈高値、朝のこわばり、年齢などを用いる枠組みとして今も参照され、臨床では“典型像の再確認”に役立ちます。
さらに実務上は、ステロイド(プレドニゾロン)開始後に数日で症状が大幅に軽快することが多いという「反応性」も、総合判断の一部として扱われます(反応が乏しければ別疾患や合併症を再検討)。
除外診断を進めるためのチェック項目(外来で使いやすい)
・関節所見:末梢小関節の持続性腫脹や骨破壊の示唆が強ければRAを優先。
・筋所見:明確な筋力低下、CK上昇、皮疹などがあれば筋炎を疑い、PMRに寄せすぎない。
・疼痛分布:肩・臀部主体で左右対称、朝に強い、炎症反応高値という“セット”が揃うか。semanticscholar+1
リウマチ性多発筋痛症 症状 巨細胞性動脈炎と見逃し予防(独自視点)
PMRは巨細胞性動脈炎(GCA、側頭動脈炎)を合併することがあり、頭痛、側頭部の圧痛、顎跛行、視力低下などがあれば、通常のPMRとして経過観察せずに精査・治療強化が必要になります。
現場での独自視点として有用なのは、「PMRの筋痛・こわばり」という訴えの裏に、“虚血症状のサイン”が混ざっていないかを、毎回の診察で短いスクリーニングとして固定化することです(例:頭痛の新規出現、噛むと顎が疲れる/痛い、見え方が変わった)。
また、ステロイドが著効しやすい疾患であるがゆえに、自己判断での減量・中止が再燃につながりやすく、日本人では再発・再燃が多いとされるため、症状が落ち着いた時期ほど「減量計画の共有」と「再燃サインの教育」が重要です。
治療と安全管理の要点(症状フォローに直結)
・PMRでは中等量までのステロイド(例:プレドニン12.5〜25mg/日)が推奨され、1〜3日で効果が出ることが多い一方、急な減量は再発を起こしやすいため慎重に行います。
・ステロイドの副作用(感染症、糖尿病、高血圧、脂質異常症、骨粗鬆症、緑内障、白内障など)への予防策は、症状が軽快しても“治療継続の障壁”になりやすく、長期管理の質を左右します。jstage.jst+1
必要に応じて、関連論文(分類基準の原典)
権威性のある日本語の参考リンク(症状・診断・治療の要点、合併症)
症状の頻度(肩70-95%、発熱など)と治療(プレドニン12.5〜25mg/日、再発・副作用)を確認。
症状の具体像、Bird基準、ACR/EULAR2012(表)、治療反応性まで臨床的にまとまる。
