過敏性血管炎 症状と紫斑と関節痛と腹痛

過敏性血管炎 症状

過敏性血管炎の症状を短時間で整理
🟣

まず紫斑

触れる紫斑(palpable purpura)が中核で、皮膚限局か全身性かを最初に切り分けます。

🧪

尿検査が鍵

腎炎は自覚症状が乏しいため、尿潜血・尿蛋白の拾い上げが安全管理の中心になります。

🚨

腹痛は重症度サイン

腹痛・血便・嘔吐などは腸管病変を示し、入院やステロイドを要することがあります。

過敏性血管炎 症状の紫斑と皮膚所見(触れる紫斑)

過敏性血管炎の症状で最も臨床的に重要なのは、皮膚の「触れる紫斑(palpable purpura)」です。

単なる点状出血や紫斑と異なり、皮膚表面にわずかな隆起や硬さ(しこり感)を伴うことがあり、これが小血管炎(主に細静脈)を疑う入口になります。

好発部位は下腿や殿部で、左右対称に出現しやすく、数日単位で増減しながら拡大・新生する経過を取ることがあります。

また、掻破などの刺激に沿って病変が線状に並ぶケブネル現象がみられることがあり、皮膚科的な観察所見として鑑別の助けになります。

医療従事者向けの注意点として、紫斑が「押して消えない」こと(紅斑との違い)をベッドサイドで必ず確認します。

参考)IgA血管炎(アレルギー性紫斑病)

一方で、皮膚限局型の過敏性血管炎では内臓症状が乏しく、原因が除かれると自然軽快することも多いとされます。

参考)患者向け説明資料

この“皮膚だけで終わるタイプ”と、腸・腎まで巻き込むタイプ(IgA血管炎/アレルギー紫斑病)を早期に分けることが、実務上のリスク管理になります。clinicalsup+1​

過敏性血管炎 症状の関節痛と筋肉痛(歩行困難の評価)

過敏性血管炎(特にIgA血管炎の文脈)では、関節痛が高頻度にみられ、膝関節・足関節など下肢の大関節に疼痛が出やすいとされています。

関節リウマチと異なり、変形を残しにくい点は患者説明で重要ですが、痛みのために歩行困難となる場合は“軽症の皮膚限局”とは扱わず、全身病変の可能性を上げて評価します。

症状としては関節痛に加え、筋肉痛、全身倦怠感、発熱などが伴うことがあり、感染後や薬剤投与後のタイミングと合わせて問診を組み立てます。

実地では「痛みが強くて歩けない」「腫れて荷重できない」といった訴えは、単なる疼痛コントロールの問題ではなく、活動性の指標になり得ます。ksf-clinic+1​

特に小児では、鎮痛薬で経過を見るのか、ステロイドを考慮する腹部症状や全身状態の変化がないかを同時にチェックするのが安全です。fukuoka-med.jrc+1​

関節症状が皮疹より遅れて出る例もあるため、「皮膚が落ち着いた=終わり」と判断しない姿勢が求められます。

参考)IgA血管炎(IgA vasculitis: IgAV)、ヘ…

過敏性血管炎 症状の腹痛と下血(腸管アンギーナ)

過敏性血管炎が皮膚にとどまらず全身性となった場合、腹痛は“見逃すと危険な症状”の代表です。

IgA血管炎では、腸管壁の血管炎により悪心・嘔吐・腹痛・下痢・血便などが起こり得て、突然の腹痛(腸管アンギーナ)として受診することもあります。

さらに、皮膚症状とほぼ同時期に起きることもあれば、腹部症状が先行して診断に難渋することがあるため、紫斑がまだ目立たない段階でも鑑別に入れる価値があります。

腹痛がひどく食事がとれない、全身状態が悪いといった状況は、内臓病変が重い可能性を示し、入院管理や大量ステロイド治療が検討されることがあります。

医療者側は腹部症状を「胃腸炎」や「便秘」と短絡せず、皮膚所見・関節症状・尿所見とセットで“血管炎としての腹痛”を評価する必要があります。clinicalsup+1​

患者説明では、腹痛や血便が出たら早めの受診が必要であることを、初診時に明確に伝えると再受診の遅れを減らせます。ksf-clinic+1​

過敏性血管炎 症状の腎炎と尿潜血と尿蛋白(検尿の実務)

過敏性血管炎(特にIgA血管炎)で最も長期予後に影響し得るのが腎病変で、症状としては血尿・蛋白尿が中心になります。

重要なのは、腎炎は無症状で進むことが多く、患者が「自覚症状がない」段階で検尿で拾い上げる点にあります。

皮膚症状出現後1か月以内に尿潜血・尿蛋白が見つかることが多いとされる一方、遅れて出現する場合もあるため、一定期間のフォローが必要です。

また、重症例では急性糸球体腎炎やネフローゼ症候群に進行して浮腫を呈することがあるため、体重増加・むくみ・血圧の変化を外来でセットにして確認します。hosp.juntendo+1​

指定難病情報では、IgA血管炎後の腎症発症リスクが高い期間があるため定期的な尿検査が必須と明記されています。

参考)紫斑病性腎炎(指定難病224) – 難病情報セン…

実務上は「皮疹が消えたら終診」ではなく、尿所見のフォロー計画(いつまで・どの頻度で)を先に提示しておくと、見落としを減らせます。nanbyou+1​

腎生検はすべてに行う検査ではなく、尿所見異常がある場合に検討され、病理ではメサンギウム領域へのIgAとC3沈着などが示されます。

この所見はIgA腎症と鑑別が難しいことがあるため、皮膚・腹部症状の病歴や皮膚所見が診断の文脈として重要です。

臨床的には「血尿だけ」でも安心しすぎず、蛋白尿の程度・持続、腎機能、血圧を含めて総合的にリスク評価するのが現実的です。vas-mhlw+1​

腎障害の長期経過に関しては、成人IgA血管炎では再燃(relapse)や持続する尿異常が一定割合でみられることが報告されており、短期での終結を前提にしないフォロー設計が必要です。

参考)https://www.frontiersin.org/journals/medicine/articles/10.3389/fmed.2023.1210307/full

研究報告では、成人IgA血管炎で再燃が約15%というデータが示され、追跡で尿異常が持続する症例がある点も述べられています。


論文リンク(成人の経過・再燃と尿所見の議論):Frontiers in Medicine: Short-term outcome of patients with adult IgA vasculitis

過敏性血管炎 症状の見落とし防止:薬剤と感染と皮膚生検(独自視点)

過敏性血管炎は「感染や薬剤のアレルギーで皮膚血管に炎症が起きる」タイプとして説明されることがあり、原因除去が重要とされます。

この“原因除去が鍵”という特徴は、皮疹の形だけを追うよりも、発症前のイベント(上気道感染、開始・変更した薬、健康食品やサプリ、造影剤NSAIDsなど)の棚卸しが診療の質を左右することを意味します。

薬剤性血管炎について厚労省資料では、ANCAに関連しない薬剤性血管炎は皮膚症状中心で内臓症状が少なく、症状出現が投与2週間以内と比較的短期である点が述べられています。

「紫斑+全身症状」の初期対応では、皮膚生検が診断の支えになり、血管炎を証明する目的で行われます。

IgA血管炎が疑われるときは、紫斑部位の生検で壊死性血管炎所見やIgA沈着が示されることがあり、皮膚症状が乏しい非典型例の支援材料にもなります。

さらに、患者導線の観点では、皮膚科・腎臓内科・消化器内科・膠原病内科のどこが主科になるかでフォローが途切れやすいため、初診時に「尿検査の期限」「腹痛・血便の受診目安」「関節痛の増悪時」を紙で渡す運用が有効です。nanbyou+2​

権威性のある日本語リンク(症状の頻度と診断・治療の整理に有用):慶應義塾大学病院 KOMPAS:IgA血管炎(症状・診断・治療)
権威性のある日本語リンク(過敏性血管炎の症状・検査・治療の全体像に有用):今日の臨床サポート:過敏性血管炎(症状・検査・治療)
権威性のある日本語リンク(腎合併のフォローに有用:検尿の重要性):難病情報センター:紫斑病性腎炎(早期診断に尿検査が必須)