鼻性視神経症 症状
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鼻性視神経症 症状の視力低下と視野障害
鼻性視神経症は、副鼻腔病変を原因とする視神経症で、視力低下が診断・治療の遅れにより不可逆となり得るため、迅速で正確な診断と治療が重要です。
臨床的には「視力低下のみ」の訴えで始まりやすく、眼科を初診とする比率が高いことが報告されています。
その背景として、嚢胞性病変は視力低下以外が無症状のことが多く、耳鼻咽喉科受診までに時間が経過しやすい点が、診療導線上のリスクになります。
視野に関しては、鼻性視神経症は球後視神経炎の形をとることが多いとされ、眼底が正常に見えても視機能が落ちる状況を想定しておく必要があります。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/80208924a60b19a0c1c2d33e50e699a5fdaf87f6
症例集積では、視力低下が主訴の大半を占める一方、複視や眼球突出を主訴に受診し、精査で視力低下が判明するケースも提示されています。
つまり「視力」だけでなく、視野・眼球運動・眼窩症状まで含めて“副鼻腔由来の視器障害”として拾い上げる設計が安全です。
鼻性視神経症 症状の眼痛と頭痛と蝶形骨洞
病巣は後部篩骨洞・蝶形骨洞に多いとされ、ここは視神経管などの視器に隣接するため、炎症や嚢胞性疾患で視力障害を来しやすい解剖学的条件を持ちます。
実際の症例報告では、蝶形骨洞嚢胞がCTで確認され、視神経を圧迫していた所見が示され、内視鏡下で開放・排膿後に視力が回復しています。
このタイプは鼻症状が目立たないことがあり、「眼痛や頭痛が乏しい=否定」と短絡しない姿勢が重要です。
一方、炎症性副鼻腔疾患では、眼窩内膿瘍など眼窩合併症を伴う症例もあり、複視・眼球突出をきっかけに診断へ至ることがあります。
後部篩骨洞~蝶形骨洞の病変は、視力低下が急速に進む可能性があるため、症状が軽く見える初期でも“画像で否定するまで安心しない”のが実務的です。
耳鼻咽喉科・眼科・脳神経領域をまたぐため、初診科のどこに入っても同じ速度でCTへ到達できる導線づくりが、施設内安全文化として効きます。
鼻性視神経症 症状の診断とCTとMRI
鼻性視神経症の診断には、視力・眼底検査などの眼科的評価に加えて、副鼻腔条件のCTが必要であり、疑った場合は緊急CTを施行すべきとされています。
CTでは、蝶形骨洞や後部篩骨洞の副鼻腔炎・嚢胞性疾患の有無を確認し、さらに副鼻腔陰影の性状、眼窩内膿瘍、視神経管の骨破壊(欠損)の有無などを確認します。
必要に応じてMRIを追加し、原因疾患(炎症性・嚢胞性・真菌性など)に応じた治療方針の検討材料を増やします。
鑑別の落とし穴として「眼底が正常だから経過観察」になりやすい点が挙げられ、実際に視力低下を自覚して眼科受診時は視力が保たれ眼底も異常なしで、その後急速に悪化してから診断に至った症例が報告されています。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/c809132d0433064efc397dde136ca15ecc89b5a9
問診では、外傷や副鼻腔炎手術の既往がキーワードになり得るとされ、視力低下の文脈で耳鼻科的既往を取り直す価値があります。
また、腫瘍が原因となる頻度は低いものの、鼻性の視力低下の原因として腫瘍もあり得るため、画像読影では“炎症・嚢胞だけ見て満足しない”ことが注意点になります。
鼻性視神経症 症状の治療と手術とステロイド
鼻性視神経症は視力障害が不可逆になる前に早急に外科治療を開始する必要があるとされ、治療の主軸は内視鏡下で罹患副鼻腔を開放し、鼻腔との交通をつけるドレナージ手術です。
嚢胞による鼻性視神経症では、保存的治療は効果が一時的で強力な減圧が期待しにくいため、原則として手術による開放が適応とされています。
炎症性副鼻腔疾患でも、視力障害が著しい、骨壁が薄く炎症が強い、保存的加療に反応しない、保存的加療中止で悪化するなどが手術適応として挙げられ、視力障害を呈した副鼻腔疾患は手術が第一選択とする報告も紹介されています。
手術操作上は、視神経管隆起、内頸動脈隆起、天蓋などの重要構造に注意し副損傷を回避する必要があると明記されています。
術後ステロイドについては、視神経炎に対するステロイドパルス療法で最終予後に有意差がないとする報告もあれば、良好な結果を得たとする報告もあり、一定の見解が得られていないと整理されています。
実臨床では、真菌性副鼻腔炎の除外や糖尿病など背景を踏まえ、個々の病態を把握した上でステロイド投与を判断する、という立て付けが現実的です。
鼻性視神経症 症状の予後とgolden timeの独自視点:院内導線
予後因子として、治療前視力、視神経乳頭所見(蒼白・萎縮)、発症から手術までの期間、嚢胞内容液の性状(膿性は不良)、視神経管骨破壊(欠損)の有無、などが挙げられています。
特に時間要素は強調されており、文献整理として「24時間以内がgolden time」「2カ月以内は回復の余地あり」という記載が示されています。
また、症例検討では、視力改善例の発症から手術までの期間は平均3.2日、非改善例は平均32.5日で、早期手術が重要と結論づけられています。
ここから“検索上位にありがちな一般論”を一歩進めた独自視点として、鼻性視神経症の成否は「診断学」だけでなく「院内導線(ワークフロー)」が半分を占めます。
実際、初診科は眼科が多く、眼科→脳神経科→耳鼻咽喉科と紹介が多段化して時間を失うケースが報告されており、施設としては“視力低下+副鼻腔既往/鼻閉/頭痛”の時点で副鼻腔条件CTに直結する取り決めがあるかどうかが、結果を左右し得ます。semanticscholar+1
さらに、受診後すぐに手術同意が得られないことで遅延した症例が含まれており、説明用の画像提示テンプレート(視神経管近傍、圧迫所見、放置リスク)を整備するだけでも、実務的には“時間”を短縮できます。
参考:鼻性視神経症の定義、分類、症例(7例)の内訳、手術までの期間と視力予後の関係(平均3.2日 vs 32.5日)
https://www.tokushima-med.jrc.or.jp/file/attachment/3232.pdf
参考:蝶形骨洞嚢胞による鼻性視神経症の具体例、CTの有用性、手術(内視鏡下開放)と予後因子(golden time等)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibi/55/6/55_6_274/_pdf