非磁性眼内異物とCTとMRI
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非磁性眼内異物の定義と金属非金属
非磁性眼内異物は「磁場に強く引かれない素材(例:銅・アルミニウム・真鍮など)」が眼球内に存在する状況を指し、臨床上は“磁性体ではない=安全”と短絡しない姿勢が重要です。
実際の外傷現場では、患者の申告(例:「石が跳ねた」「木くずが入った」)と、異物の実体(微小金属粉・複合材・汚染)が一致しないことがあるため、素材特定までの時間がリスクになります。
また、非磁性であっても「導電性金属」はRFによる発熱など別系統の危険が議論されており、MRIの可否判断は“磁性”だけで完結しません。
非磁性眼内異物の症状と外傷機転
高速で飛入した異物は、角膜・強膜を穿孔して眼内へ到達し得るため、痛み・充血・羞明が強い場合や機転がハイリスク(研磨・金属打撃など)なら穿通性外傷を前提に動きます。
穿孔が疑わしいときは、フルオレセインでSeidel試験陽性(創部から色素が流出)になり得て、これは至急の眼科紹介を要する所見です。
「異物感だけ」で来る結膜異物もある一方、痛みが強いと角膜障害合併の可能性が上がるため、点眼麻酔で開瞼を確保しつつ診察精度を上げるのが実務的です。
非磁性眼内異物の診断とCTと超音波
眼内異物が少しでも疑われる場合、位置確認には眼窩部CTが推奨され、救急初期対応としても「貫通疑い→CT」が明確に提示されています。
眼底が出血などで透見できないケースでは、超音波検査で網膜剥離の有無を確認することがあり、眼内異物診療では合併症評価が診断の一部になります。
見えにくい素材(例:木片)は画像で紛れやすいことが報告されており、CTで明瞭でない場合があり得るため、“CTが陰性でも臨床的疑いが強い”状況を想定して動線(眼科コンサルト、経過、再評価)を組み立てます。
非磁性眼内異物とMRI禁忌と安全管理
眼内・眼窩内に鉄片など強磁性体が迷入している可能性が高い場合、X線単純撮影やCTで確認すべきで、失明例がある旨も明記されています。
救急外来向けの実践記事でも、金属異物の飛入が疑われる場合はMRI禁忌として注意喚起され、貫通疑いでは眼窩部CTで位置確認する流れが示されています。
さらに、強磁性でない金属(銅・アルミニウム・真鍮など)でも可能な限り脱着し、異常時に即時対処できる体制が必要で、導電性金属ではRF吸収による熱傷リスクに特に注意する、といった“非磁性でも油断しない”安全管理が整理されています。
非磁性眼内異物の独自視点:問診と職業歴とMRI前スクリーニング
検索上位で語られがちな「MRIは禁忌/CTを撮る」だけでは、現場で一番起こりやすい落とし穴(=金属かどうか確信できないまま検査予定が進む)を防ぎきれません。
そこで実務として効くのが、受傷機転の“作業工程”まで掘る問診です(例:グラインダー、金属研磨、建築、草刈機、爆傷など)。金属加工の粉じんや微小破片は本人が「石」「砂」と認識していても混在し得るため、眼内異物の可能性が残る限りMRI判断は先送りにする、という運用が安全です。
また、MRI安全文書でも金属探知器は小さな金属・深部金属を検知できない場合があるとされ、“機械で陰性なら安心”という認知のズレが事故要因になり得ます。
この視点は非磁性眼内異物にも波及します。仮に非磁性素材だったとしても、汚染(鉄粉付着)や複合材(外装は非磁性でも内部に磁性体)などで「実際のMRIリスクが上振れ」する余地をゼロにできないためです。
結果として、①眼外傷歴+②工程レベルの問診+③CT等で金属可能性をできるだけ潰す、の3点セットで、MRIの“うっかり実施”を組織的に減らせます。
MRI禁忌・注意事項(眼・脳の強磁性破片、失明例、RF熱傷、金属探知器の限界など)。
救急外来の初期対応(貫通疑い→眼窩部CT、金属異物疑い→MRI禁忌、Seidel試験など)。