網膜神経網膜炎 乳頭腫脹 黄斑星芒状白斑 診断 治療

網膜神経網膜炎 の 診断 と 治療

網膜神経網膜炎:押さえるべき要点
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所見の核は「乳頭腫脹+黄斑星芒状白斑」

黄斑星芒状白斑は発症時に必ずしも揃わず、黄斑浮腫の吸収過程で“遅れて”出現し得るため、初診眼底だけで否定しない。

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問診で原因(感染)に近づく

ペット飼育・ひっかき傷、海外渡航、生食(例:レバ刺し)などを具体的に確認し、原因検索と治療の初動を早める。

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治療は「病原体治療+炎症制御」を分けて考える

感染が疑わしい場合は抗菌薬・抗寄生虫薬などを軸にし、ステロイドは単独で走らず適応とタイミングを慎重に判断する。


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網膜神経網膜炎 の 乳頭腫脹 と 黄斑星芒状白斑 の 典型所見

網膜神経網膜炎(neuroretinitis)は、視神経乳頭の炎症(乳頭腫脹)に加えて、黄斑部に星芒状(スター状)の硬性白斑(黄斑星芒状白斑)を形成し得る病態として理解されます。特に臨床で重要なのは「星芒状白斑が最初から揃わないことがある」点で、黄斑浮腫の吸収過程で時間差をもって出現し得ます。

この“時間差”を知らないと、初診時に乳頭腫脹主体の症例を「視神経炎」や「うっ血乳頭」などへ短絡し、感染性の拾い上げが遅れます。視神経炎の典型像(若年女性、眼球運動時痛、乳頭はびまん性に腫脹するが出血・白斑は乏しい、など)と比べ、視神経網膜炎では乳頭腫脹が強く、白斑・結節・出血を伴い得る点が鑑別の糸口になります。

また、眼底で“乳頭所見が強いわりに視機能が保たれる/訴えが限定的”なケースもあり、視力・色覚・対光反射(RAPD)・視野をセットで取り、所見の非対称を丁寧に拾う姿勢が安全です。以下は現場での見落としを減らすチェックです。

  • 乳頭腫脹:境界不鮮明、発赤、時に出血や白斑を伴う。
  • 黄斑:初期は浮腫が主体で、後から星芒状白斑が揃ってくることがある。
  • 機能:視力だけでなく、色覚低下やRAPDの有無も併せて評価する。

網膜神経網膜炎 の 原因 と 感染(ネコ ひっかき病)

視神経網膜炎は感染性の背景を取り得て、臨床ではネコひっかき病(Bartonella henselae)が代表的原因として頻出です。視神経網膜炎の鑑別では、結核、梅毒、トキソプラズマなども除外対象になり得るため、「眼底所見→問診→必要な採血・画像」という順で現実的に詰めていきます。

問診は“広く浅く”ではなく、陽性が出た瞬間に検査と治療方針が動く聞き方が有効です。例えばネコひっかき病では、猫との接触歴に加えて、発熱・倦怠感など全身症状が前景に出ることがあります。さらに、視神経網膜炎ではペット飼育歴だけでなく、海外渡航歴や生食嗜好も重要で、実際に生食(例:レバ刺し)を手がかりに寄生虫(例:イヌ蛔虫)を疑う、という臨床の流れが示されています。

治療に関しては、Bartonella henselae関連の視神経網膜炎で、ドキシサイクリンとリファンピンの併用(一定期間)が経過短縮や視力回復を早めた可能性が報告され、長期予後は概ね良好でも軽い視神経障害が残ることがある、とされています。つまり「自然軽快することがあるから様子見」ではなく、感染の手がかりがある場合は、病原体治療を含めた初動を早める価値があります。

  • 問診の要点:猫接触・ひっかき傷、発熱、リンパ節腫脹の有無。
  • 鑑別で外すべき感染:結核、梅毒、トキソプラズマなど(施設方針に合わせて)。
  • 治療像:抗菌薬が経過短縮に寄与し得る/一部は軽い後遺症が残り得る。

参考:視神経網膜炎の原因(ネコひっかき病、イヌ蛔虫症など)と問診ポイント、眼底所見の特徴がまとまっている

https://www.cosmic-jpn.co.jp/media/lecture/1565141123-495045.pdf

網膜神経網膜炎 の 検査(眼底検査 と 蛍光眼底造影)

検査設計は、「眼底で“乳頭+黄斑”のセットを押さえ、次に漏出の場(乳頭由来か、黄斑中心か)を確認し、最後に原因検索へ進む」という順が実務的です。眼底検査は当然として、蛍光眼底造影は炎症や漏出の部位・パターンを確認するのに有用で、炎症性疾患の評価で一般的に行われ得る検査として整理されています。

医療従事者向けに強調したいのは、検査を“全部盛り”にしない代わりに、問診と眼底所見で検査の優先順位を明確化することです。感染性が疑わしいのに、炎症だけを見てステロイド先行になると、病原体治療が遅れます。逆に、非感染性ぶどう膜炎など免疫機序が疑わしい場合は、ステロイド(局所〜全身)や免疫抑制治療が主軸になるため、感染除外の作法が重要になります。

現場での具体的な組み立て例を示します。

  • 初診:視力・色覚・RAPD・眼底(乳頭腫脹、黄斑浮腫、出血・白斑の有無)。
  • 追加:OCTで黄斑浮腫と網膜層構造を確認(星芒状白斑が未完成でも“今どこで起きているか”が分かる)。
  • 蛍光眼底造影:漏出パターンの確認(炎症活動性の把握、鑑別の補助)。
  • 採血:猫接触があればBartonella、加えて梅毒や結核など施設プロトコルに沿って。

参考:ぶどう膜炎の検査として眼底検査・蛍光眼底造影、必要に応じた採血・画像などの考え方が整理されている

ぶどう膜炎 なぜ? どうしたらいいの | 目についての健康情報 | 公益社団法人 日本眼科医会

網膜神経網膜炎 の 治療(抗菌薬 と ステロイド)

治療の基本は「原因(病原体)治療」と「炎症制御」を分けて考えることです。視神経網膜炎は感染性が背景にあることがあるため、まず感染の可能性を適切に評価し、疑わしい場合は抗菌薬などの病原体治療を軸に据えます。Bartonella henselae関連では、ドキシサイクリンとリファンピン併用が経過短縮や視力回復を早めた可能性が示されており、治療により炎症の改善と菌血症のクリアランスが得られた、と報告されています。

ステロイドについては、炎症性眼疾患で有効な場面が多い一方、感染が否定できない状態で単独投与を急ぐと不利に働き得ます。臨床では「抗菌薬+ステロイド併用で良好」という報告もあり得るため、単純に“使う/使わない”ではなく、感染評価・重症度・視機能低下の速度を踏まえてタイミングを決める姿勢が重要です。

現場の運用としては次のように整理すると混乱が減ります。

  • 感染疑いが濃い:抗菌薬(例:Bartonella想定)を優先し、ステロイドは併用の適応・時期を慎重に判断する。
  • 鑑別が広い:梅毒・結核など“治療が全く異なる感染”を先に潰す設計にする。
  • 治療後フォロー:視力だけでなく色覚・視野、乳頭の蒼白化など後遺所見を確認する(軽い視神経障害が残り得るため)。

網膜神経網膜炎 の 独自視点:再発予防 の 問診 と 生活指導

検索上位では「所見・原因・治療」の説明で完結しがちですが、医療従事者向けには“再発予防と院内連携”まで含めた設計が実装的です。視神経網膜炎は原因が感染性である場合、治療して終わりではなく、再曝露や同居家族のペット環境など、再発リスクの芽が生活側に残ることがあります。特にネコひっかき病が疑われる文脈では、猫との接触をゼロにする現実性は低いので、患者の生活背景に合わせた落としどころを作る方が継続的です。

例えば以下の指導は、診療の質を落とさず、患者の実行可能性も比較的高い項目です。

  • 🐾 ペット関連:ひっかき傷・咬傷の回避策(爪切り、遊び方の工夫)、傷ができた際の洗浄・受診目安の共有。
  • 🥩 食習慣:生食嗜好がある場合は、眼合併症だけでなく寄生虫・感染症一般のリスクとして具体例を添えて調整する。
  • 🧾 受診導線:視力低下だけでなく「色の見え方が急に変」「中心が見えにくい」など、再燃サインを患者の言葉で説明する。
  • 🏥 連携:感染症内科・小児科・神経内科など、全身症状がある時点で早めに併診できる導線を院内で合意しておく。

意外に効くのは「患者が次に同じ症状を感じたとき、どの科にどう伝えるか」をテンプレ化することです。視神経・網膜・ぶどう膜の用語は患者に難しいため、「片目の見え方が急に落ちて、眼底で視神経の腫れと言われた」など、通じる表現をカルテの指導欄に残すと、夜間救急や地域連携での情報損失が減ります。