柵状網膜変性と網膜剥離
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柵状網膜変性の原因と所見
柵状網膜変性(いわゆる網膜格子状変性)は、周辺部網膜に帯状(格子状)に網膜が菲薄化する変性病変で、網膜裂孔・網膜剥離の背景として重要視されます。
病態を「裂孔原性網膜剥離の発生要因」に沿って整理すると、①網膜裂孔、②裂孔への牽引、③液化硝子体の網膜下への流入、の3点がそろうと剥離が成立します。
柵状網膜変性はこのうち「裂孔が生じやすい土台」になり、さらに周辺部で硝子体牽引が関与すると弁状裂孔(馬蹄形裂孔)へ進展することがある、という説明が臨床的にわかりやすいです。
「意外と伝わりにくい点」として、柵状網膜変性=即レーザーではなく、病変の上に“孔があるか”“牽引が強い状況か”で対応が分かれる、という構造を先に共有すると患者教育の質が上がります。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11088107/
また、柵状網膜変性は両眼性のことも多く、片眼の情報だけで完結せず、反対眼の既往(過去の網膜剥離など)を含めてリスク層別化する必要があります。
柵状網膜変性の検査と眼底検査
柵状網膜変性の評価は「周辺部網膜」を見る必要があるため、散瞳下での眼底検査が基本になります。
周辺部の観察では、手持ち式検眼鏡よりも倒像眼底検査のほうが立体的に観察でき、網膜剥離が起こりやすい周辺部の視認性が良い、と整理できます。
所見の実務ポイントは、以下の“チェックリスト化”が有効です(カルテ記載にもそのまま流用できます)。
- 📍病変の象限・範囲(時計表現、赤道部近傍か)
- 🕳️網膜円孔(萎縮円孔)/網膜裂孔(馬蹄形など)の有無
- 🧲牽引所見(周辺部での硝子体牽引が疑われる所見、症候性か)
- 🫧後部硝子体剥離(PVD)や硝子体混濁の背景(飛蚊症と整合するか)
- 🧾リスク因子(強度近視、眼内手術既往、他眼網膜剥離、家族歴)
患者説明では「眼底写真で病変が見える=危険」と短絡しやすいので、検査で知りたいのは“穴(裂孔)があるか”と“剥離へ進む条件がそろっているか”だと明確にすると、無用な不安を減らせます。
柵状網膜変性と網膜裂孔とレーザー治療
網膜に孔が開いて、そこから眼内液が網膜の裏へ回り込むと網膜剥離になるため、網膜裂孔の段階(あるいはごく軽微な剥離の段階)で周囲をレーザー光凝固して進行を食い止められる場合があります。
また、日本眼科学会の解説でも、網膜が薄くなって裂孔が開きそうな部分に予防的に光凝固を行うことがある、とされており、予防治療の“存在”自体は標準的な選択肢です。
一方で、柵状網膜変性は一般人口の6~8%にみられ、20~30%に円孔を合併し得る一方、Byerの経過観察データでは網膜剥離既往のない症例で網膜剥離は1%以下だった、という整理もあり、「全例に予防レーザー」ではない意思決定の根拠になります。
さらに、格子状変性を治療すると剥離の危険性が低下(7年で1/4に低下)という資料的言及もあり、“高リスク群に絞って介入する”考え方とも整合します。
臨床で迷いやすい「適応の言語化」は、次のようにすると説明が安定します。
- ✅レーザーを積極検討:症候性の網膜裂孔、裂孔周囲にごく軽い剥離がある、他眼に網膜剥離既往がある、強度近視や眼内手術予定などで剥離進行因子が重なる。
- ⏳経過観察が中心:裂孔がない柵状網膜変性で、症状も乏しく、進行因子が少ない。
レーザー治療そのものは、一般に点眼麻酔下で専用レンズを当てて行い、網膜に点状の凝固斑を作る治療で、1発の照射時間は短く痛みは軽微~軽い刺激感程度、と説明できます。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8377053/
ただし、レーザーは「100%剥離を防ぐ治療」ではなく、治療後に網膜剥離を発症し得ること、剥離に進めば手術治療(強膜バックリングや硝子体手術)が視機能温存の主軸になることは、医療者側の共通認識として重要です。
この部分の参考リンク(網膜裂孔・予防的光凝固の考え方)
日本眼科学会:眼科領域のレーザー治療(網膜裂孔と光凝固の位置づけ)
柵状網膜変性と網膜剥離の症状
網膜剥離の主要症状として、飛蚊症や光視症、視野欠損、視力低下、変視症が挙げられ、失明予防のためには早期受診が大切、というメッセージは患者指導の核になります。
特に「視野欠損」は患者が“見え方の穴”として自覚した時点で進行していることがあり、飛蚊症・光視症の段階から受診の敷居を下げる説明設計が有効です。
医療従事者向けの実務としては、問診のときに症状を二分すると整理しやすいです。
- 🫧飛蚊症:硝子体混濁が網膜上に影を作って生じる症状で、PVDなど背景は多様だが、急増・片眼性・伴う光視症がある場合は網膜裂孔/剥離の除外が必要。
- ⚡光視症:末梢性(片眼性)は網膜牽引と関連しうるため、周辺部の精査につなげる。
さらに“あまり知られていないが役立つ言い回し”として、患者には「飛蚊症は誰にでも起こり得るが、“急に増えた”“光が走る”“カーテンのように欠ける”の3点がそろったら緊急度が上がる」と行動基準で伝えると、夜間受診や休日受診の判断がしやすくなります。
この部分の参考リンク(網膜剥離の発生要因・危険因子・症状の整理)
日本眼科医会資料:網膜剥離の病態(危険因子と症状、格子状変性の位置づけ)
柵状網膜変性の独自視点:説明と同意
柵状網膜変性は、画像で説明しやすい一方で「見つけた以上、何かしないといけない」という認知バイアスが働きやすく、患者の不安が治療選択を過度に押す状況が起こり得ます。
そこで独自視点として、同意説明は“治療の是非”より先に「この病変が網膜剥離の3要素(裂孔・牽引・液化硝子体流入)のどこに当てはまるか」を共有し、現時点で欠けている要素を明確にしてから選択肢を提示すると、納得感が上がります。
具体的には、次のように説明テンプレを作ると、説明の質が施設内で揃いやすくなります。
- 🧩病名の位置づけ:「柵状網膜変性は“周辺部網膜が薄い場所”で、網膜剥離の土台になり得ます」
- 🔎現状評価:「いま“穴(裂孔)”がある/ない、剥離がある/ない、牽引を疑う症状がある/ない」
- 🧭方針:「穴があればレーザーで囲って進行を止めることがある。穴がなければまず経過観察で、症状が出たらすぐ再診」pmc.ncbi.nlm.nih+1
- 📅フォロー:「飛蚊症・光視症・視野欠損などのサインがあれば時間外でも受診」
この組み立ては、治療介入の説明だけでなく、経過観察を選ぶときの“治療しないことの合理性”を担保し、結果的に不要な受診中断や、逆に過剰不安によるドクターショッピングを減らすのに役立ちます。

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