黄斑部術後浮腫と硝子体手術とOCT治療

黄斑部術後浮腫と治療

黄斑部術後浮腫の要点
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まずOCTで層別化

中心窩網膜厚、囊胞様変化、牽引所見を確認し、炎症優位か牽引優位かを切り分けます。

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薬物治療の軸

術後炎症が関与する場合はNSAIDs/ステロイド、VEGF関与が強い疾患背景では抗VEGFを検討します。

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「時間」の扱いが難しい

自然軽快し得る一方、遷延化は視機能の質を落とします。経過観察の間隔と介入の閾値を事前に設計します。


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黄斑部術後浮腫のOCTと所見

 

黄斑部術後浮腫は、患者の訴え(中心のかすみ・ゆがみ・視力低下)と眼底所見だけでは過小評価されることがあり、OCTでの定量評価が臨床判断の中心になります。

OCTでは、中心窩網膜厚の増加、囊胞様スペース(cystoid space)、びまん性肥厚、場合によっては網膜表面の牽引(硝子体黄斑牽引や残存膜)を確認し、病態が「炎症主体」か「牽引主体」かを言語化します。

医療従事者向けの実務としては、初回OCTを“基準点”にして、同一プロトコル(スキャン範囲・中心合わせ)で追跡し、改善が「厚みの減少」なのか「囊胞のつぶれ」なのか「外網膜の整復」なのかを分けて記録すると、治療反応の説明が明確になります。

また、術後に起こる黄斑浮腫は、背景疾患(糖尿病網膜静脈閉塞症加齢黄斑変性など)によってVEGFの寄与が変わるため、OCT所見と病歴から“浮腫の燃料”を推定する視点が重要です。

黄斑部術後浮腫と原因

黄斑部術後浮腫は、術後炎症(血液網膜柵・房水柵の破綻、炎症性メディエーター)と、硝子体・膜による牽引、さらに硝子体が炎症性物質の“貯留(reservoir)”として作用する点など、複数要因の合算で生じ得ます。

特に白内障術後の囊胞様黄斑浮腫(Irvine-Gass症候群に含まれる概念)は、薬物療法で改善する例が多い一方、視力低下を伴い遷延する例が一定数あり、術後管理の盲点になりやすいとされています。

また、網膜静脈閉塞症や糖尿病網膜症など、もともと黄斑浮腫を起こしやすい疾患がある眼では、術後の炎症が“上乗せ”され、同じ程度の手術侵襲でも黄斑部術後浮腫が顕在化しやすい、という発想で説明すると患者理解が進みます。

医療者側の落とし穴は「術後の視力低下=屈折やドライアイ」と短絡し、OCT実施が遅れることです。

黄斑部術後浮腫と抗VEGF治療

黄斑浮腫の背景にVEGFの関与が強い疾患(加齢黄斑変性、網膜静脈閉塞症、糖尿病網膜症など)では、抗VEGF治療はVEGFの作用を抑える薬剤を硝子体内注射で投与し、黄斑浮腫の改善と疾患進行の抑制を目指す治療として位置づけられています。

抗VEGFは「術後浮腫だから全例に」というより、「術後を契機に再燃した基礎疾患の黄斑浮腫」や「VEGF優位が疑われるOCT/病歴」に対して、治療アルゴリズムに組み込むと整理しやすいです。

硝子体注射は外来で実施される一方、注射創からの感染(眼内炎)が極めて稀ながら重篤な視力障害を起こし得るため、消毒や抗菌薬点眼などの感染予防策をセットで説明・運用する必要があります。

“意外に効かない”ケースを作らないために、注射前の段階で牽引成分(硝子体黄斑牽引、膜)を見落とさないことが、OCT運用の実務ポイントになります。

黄斑部術後浮腫と硝子体手術

薬物療法が無効、または遷延して視力低下が問題となる囊胞様黄斑浮腫に対して、硝子体手術が有効となり得る報告があり、術後に囊胞様黄斑浮腫が全例で消失し視力が改善したケースシリーズも提示されています。

その報告では、硝子体手術後の囊胞様黄斑浮腫消失までの期間は1~12か月(平均2.6か月)で、2か月以内に消失した眼が多いことが示されており、治療計画を立てる際の現実的な目安になります。

また、硝子体手術の奏功機序として、硝子体(化学物質のreservoir)の除去、網膜酸素濃度の上昇、後部硝子体未剥離眼での牽引解除など、単一ではない説明がされています。

臨床での“意外な示唆”は、手術適応を「前眼部硝子体牽引があるか」に限定し過ぎると、難治例の選択肢を狭める点で、牽引が明瞭でない症例でも硝子体手術が検討され得る、というところです。

黄斑部術後浮腫の独自視点と説明

検索上位の解説は「原因→治療」に収束しがちですが、医療従事者の現場では“視力(小数視力)だけで良否を判断しない”運用が再発防止に効きます。

具体的には、黄斑部術後浮腫が軽快しても、患者が「文字が読みにくい」「コントラストが落ちた」と訴えることがあり、OCTで構造が戻るスピードと、視機能(読書・PC作業)の回復が一致しないことを前提に、説明テンプレートを作るとクレームが減ります。

また、点眼・注射・手術のどれを選んでも、患者の行動(点眼アドヒアランス、受診間隔、自己判断の中断)で転帰が変わるため、「次回OCTで何が改善していれば継続、何が残れば方針変更」という“条件付きの見通し”を言語化するのが実務的です。

黄斑部術後浮腫は“治療の正解”が一つではない分、OCT所見の共有と、病態仮説(炎症/牽引/VEGF)の更新をチームで回すこと自体が治療になります。

術後黄斑浮腫(VEGF関与が強い疾患での治療の位置づけ、注射手技と感染対策の説明)

日本眼科学会:抗VEGF治療(黄斑浮腫の症状・適応疾患・硝子体注射の流れと眼内炎リスク)

囊胞様黄斑浮腫に対する硝子体手術の効果(消失期間・視力推移・奏功機序の考え方)

日眼会誌PDF:眼内レンズ眼の囊胞様黄斑浮腫に対する硝子体手術(成績・関連因子・考察)

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