結膜潰瘍 画像 所見と診断
結膜潰瘍 画像 で押さえるべき基本所見
結膜潰瘍の画像を評価する際には、まず「どこに病変の主座があるか」を整理することが重要で、結膜面のびらんや潰瘍だけでなく、角膜実質まで病変が及んでいないかを必ず確認する必要がある。
白目の結膜面に限局する浅い潰瘍性病変は結膜潰瘍が疑われやすい一方で、角膜側に白濁や浸潤影が及ぶ画像では、感染性角膜炎や角膜潰瘍への進展を念頭に置くことが求められる。
典型的な症状としては結膜充血、異物感、流涙、眼脂、羞明などがあり、画像上も結膜血管の拡張や充血パターンの変化とともに、潰瘍辺縁に白色調の浸潤帯が見える症例が少なくない。
結膜潰瘍 画像での観察ポイントとしては、以下のような項目を系統的にチェックしておくと記載漏れや見逃しを減らすのに役立つ。
- 病変の部位:球結膜か、角膜輪部にかかるか、角膜側へ連続するか。
参考)疾患から診療科を探す(当院で診療可能な疾患か否かは、事前にお…
- 潰瘍の深さと範囲:表層の上皮欠損か実質欠損か、びらん状かパンチアウト状か。
参考)角膜潰瘍 – 20. 眼の病気 – MSDマニュアル家庭版
- 周囲結膜の所見:毛細血管拡張、浮腫、出血斑の有無、瞼結膜の病変の有無。
- 付随所見:眼脂の量と性状(粘液性か膿性か)、瞼の腫脹、角膜混濁や前房蓄膿など。
結膜潰瘍の画像は一見軽症に見えても、原因によっては急速進行性の角膜潰瘍に移行することがあり、特にコンタクトレンズ装用歴や角膜外傷の既往がある場合には、感染性角膜炎ガイドラインに準じた早期対応が推奨される。
参考)https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/infectious_keratitis_3rd.pdf
視力低下が乏しくても、角膜中央に近い病変や、灰白色の浸潤を伴う所見が画像で確認された症例では、単なる結膜炎として経過観察とせず、培養検査や専門医への紹介を検討することが安全である。
意外なポイントとして、結膜潰瘍周囲の軽度な角膜表層混濁や点状上皮障害の画像は、患者が自覚する「ごろごろ感」の主因となっていることがあり、軽視すると疼痛コントロール不良や治癒遅延につながるため、細かい所見の拾い上げが重要となる。
結膜潰瘍 画像 と角膜潰瘍の鑑別ポイント
結膜潰瘍と角膜潰瘍の画像を鑑別するうえでは、「黒目の透明性」と「潰瘍の位置」が最初のチェックポイントであり、角膜潰瘍では通常、角膜の白濁や灰白色の浸潤影が黒目の中に明瞭に現れる。
一方、結膜潰瘍では白目に相当する球結膜に病変の中心があり、角膜自体の透明性は保たれていることが多く、充血は強くても角膜の光反射が比較的クリアに保たれている画像が特徴的である。
病勢が進行した症例では、結膜潰瘍と角膜潰瘍が連続して存在することもあり、その場合は感染性角膜炎としての管理が必要になるため、画像上で輪部をまたぐ病変かどうかを丁寧に観察する姿勢が求められる。
角膜潰瘍の典型画像としては、フルオレセイン染色で潰瘍部が明瞭に染色され、その周囲に灰白色の実質浸潤と角膜浮腫が広がる所見が確認されることが多い。
参考)予防診療|【王禅寺ペットクリニック】川崎市麻生区王禅寺|新百…
重症例では、角膜裏面に膿がたまる前房蓄膿が画像で認められ、角膜下方に白い水平な層として描出されることがあり、この所見は手術や入院治療を含む集中的管理を検討すべき危険サインとなる。
これに対し、限局性の結膜潰瘍画像では、前房や角膜実質の変化は乏しく、主に結膜表面の上皮欠損と軽度の浮腫、周囲の強い充血が目立つことが多く、一般に視力低下も軽度である点が臨床像との整合性を考える手がかりとなる。
実地では、下記のような簡易的チェックリストを頭に置いて画像を確認すると、見逃し防止に有用である。
- 黒目の白濁・灰白色浸潤がある → 角膜潰瘍・角膜炎の可能性が高い。
- 白目主体のびらんで黒目は透明 → 結膜潰瘍や重症結膜炎をまず疑う。
- 前房蓄膿やデスメ膜瘤を伴う → 眼球破裂リスクを含めた重症角膜潰瘍として対応。
参考)角膜潰瘍_結膜皮弁法
- 視力低下が強いのに画像変化が軽い → 角膜以外の病変(眼内炎など)も視野に入れる。
結膜潰瘍 画像診断におけるフルオレセインと細隙灯の活用
結膜潰瘍や角膜潰瘍の画像を評価する際、フルオレセイン染色と細隙灯顕微鏡(スリットランプ)は欠かせないツールであり、上皮欠損部を蛍光性のグリーンとして可視化することで、病変の広がりや形状を明瞭に把握できる。
フルオレセインは角膜上皮が欠損した部分に染色されるため、細隙灯でコバルトブルーフィルターを用いて観察すると、潰瘍やびらんの輪郭がくっきりと浮かび上がり、結膜側・角膜側それぞれの病変範囲を定量的に評価しやすくなる。
結膜潰瘍の画像でも、角膜輪部寄りの病変では、染色パターンを観察することで「結膜上皮欠損のみか」「角膜上皮にも連続しているか」を判断でき、治療方針(保存的治療か積極的治療か)の選択に直結する重要な情報となる。
細隙灯顕微鏡を用いた観察では、単なるフロントビューだけでなく、光の幅や角度を変えながら、病変の深さや実質浸潤の程度を評価することがポイントである。
特に角膜潰瘍では、細隙光を斜めから入れることで潰瘍床の陥凹の深さや、周囲実質の混濁の厚みが視覚化され、画像撮影時にも断面に近いイメージを残すことができるため、経過観察時の比較に大きな価値がある。
意外に重要なのが、フルオレセイン染色後に涙液の流れや涙点付近の画像も確認することで、重度ドライアイや涙液うっ滞など、結膜潰瘍の治癒遅延に関与する背景因子を拾い上げられる点であり、これらは教科書的な解説では軽く扱われることが多いが、慢性例では治療成績に直結する。
また、画像撮影の際には、同一症例で「無染色の白色光画像」と「フルオレセイン染色+コバルトブルー画像」をセットで残しておくと、潰瘍の深さや周囲浸潤の変化を定量的に追いやすくなる。
この二種類の画像を比較することで、臨床的には「自覚症状は改善したが、画像上まだ上皮欠損が残存している」「浸潤は消退したが、瘢痕白濁が残っている」といった微妙な変化も把握しやすく、治療中止のタイミング判断の一助となる。
結膜潰瘍や角膜潰瘍の初期症例では、患者自身がスマートフォンで撮影した画像を持参するケースも増えており、医療者側がスリットランプ画像との違いを理解して説明できると、患者教育やアドヒアランス向上にもつながる点は、今後ますます重要になる視点といえる。
結膜潰瘍 画像 で見る重症例と手術例(結膜皮弁術・羊膜移植など)
結膜潰瘍や角膜潰瘍の重症例になると、点眼治療だけでは上皮化が得られず、結膜皮弁術(結膜被覆術)や結膜回転フラップ法、羊膜移植術などの外科的治療が必要になることがあり、その術前後の画像は病態理解に非常に有用である。
長期放置された角膜潰瘍では、白く白濁した角膜と、中心に深い潰瘍を認める画像が典型的で、デスメ膜が露出し今にも破裂しそうな「デスメ膜瘤」の所見が見られるケースでは、眼球破裂の寸前と評価され、早急な手術介入が検討される。
このような症例では、白目の結膜を病変部に被せる結膜皮弁術が行われることがあり、術中画像では切り取られた結膜フラップが角膜潰瘍部を覆う様子が確認されるが、術後経過画像ではフラップが徐々に退縮し薄くなりながら角膜と癒合していく様子が記録されることが多い。
結膜皮弁術の術後画像では、角膜中央部が白色の結膜で覆われるため、一見すると視軸が塞がれ視力喪失のように見えるが、実際には光覚は保たれていることが多く、病的な潰瘍の進行が止まり眼球破裂を回避できたことが画像上からも確認できる。
羊膜移植術では、透明に近い薄い膜が角膜や結膜表面を覆う画像が特徴的で、ガイドラインでは非感染性の角膜潰瘍や遷延性上皮欠損、化学外傷の急性期などが適応として挙げられており、保存的治療に抵抗する症例に対して上皮化と炎症の鎮静化を促す目的で用いられる。
臨床画像では、羊膜が一時的なカバーとして角結膜上に固定され、その下にホスト上皮が伸展していくため、術後1〜2週間の画像では羊膜が残存していても、除去後の画像では滑らかな新生上皮面が確認されることが多く、この変化を知っておくと経過説明に役立つ。
重症度の評価では、以下のような画像所見が特に重要になる。
- デスメ膜露出やデスメ膜瘤を疑う膨隆所見。
- 角膜の全層に及ぶような深い潰瘍と広範な白濁。
- 前房消失や前房蓄膿を伴う像。
- 保存的治療で改善しない上皮欠損が長期間持続する像。
これらの所見を結膜潰瘍や角膜潰瘍の通常症例の画像と比較して理解しておくことで、「どのタイミングで専門施設への紹介や手術加療を検討するか」という判断がスムーズになり、患者の転帰改善にもつながる。
とりわけ、実地診療では「もう少し点眼を続けて様子を見たい」という心理が働きやすいが、画像上デスメ膜瘤に近い膨隆や角膜全層白濁が見られた症例では、ためらわずに外科的選択肢を念頭に置く姿勢が重要である。
このような重症例画像を定期的に見返しておくことは、若手医師だけでなくベテランにとっても「悪化前のサイン」を視覚的に記憶に刻む意味で有用であり、教育目的でのケースカンファレンス素材としても価値が高い。
結膜潰瘍 画像 と医療現場での教育・情報共有(独自視点)
結膜潰瘍や角膜潰瘍の画像は、診断や治療方針決定だけでなく、医療チーム内の教育やカンファレンス、患者への説明ツールとしても大きな役割を果たしており、画像をどう蓄積し、どう共有するかは現場の診療クオリティに直結するテーマになりつつある。
例えば、同一患者の結膜潰瘍画像を時系列で保存しておくことで、「治療開始前」「フルオレセイン染色での上皮欠損」「治療中の浸潤縮小」「瘢痕期における白濁残存」といった各段階を視覚的に振り返ることができ、治療戦略の妥当性や改善の余地をチームで検討しやすくなる。
また、結膜皮弁術や羊膜移植術といった手術例の術前後画像を共有することで、若手医師が「どのような画像所見になった時点で手術適応が検討されるのか」を具体的に学ぶことができ、ガイドラインの文章だけではイメージしづらい判断基準を実感として身につけられる。
最近では、院内での画像データベース構築や、症例ベースの教育セミナーにおいて、結膜潰瘍・角膜潰瘍の画像が活用されるケースが増えており、特にドライアイやコンタクトレンズ関連角膜炎など、背景疾患ごとの典型画像をセットで整理する取り組みが広がりつつある。
こうした画像集を作成する際には、単に美しい症例写真だけを集めるのではなく、「診断に迷ったグレーゾーン症例」や「初診時には軽症に見えたが急速に悪化した例」の画像も含めることで、日常診療で遭遇しやすい落とし穴を共有できるため、教育効果が高まる。
さらに、患者説明においても、自院で蓄積した結膜潰瘍の治癒過程の画像や、結膜皮弁術後に視力は保たれている症例画像を見せることで、「なぜ入院や手術が必要なのか」「治療後はどの程度まで見えるようになるのか」といった不安に対して、視覚的に理解してもらいやすくなる利点がある。
一方で、画像の扱いにはプライバシー保護やインフォームドコンセントが不可欠であり、教育や学会発表に用いる際には、個人が特定されないよう適切な加工や同意取得を行うことが求められる。
また、AIを用いた画像解析の研究も進んでおり、結膜潰瘍や角膜潰瘍の画像から自動的に重症度をスコアリングしたり、手術適応を予測したりする試みも報告され始めているが、現時点ではまだ研究段階であり、実臨床では医師の経験に基づく総合判断を補助する位置づけにとどまると考えられる。
このような技術が将来的に実用化された場合でも、結膜潰瘍 画像の基礎的な読み方や、角膜潰瘍との鑑別ポイントをしっかり理解しておくことが、AIの出した結果を適切に解釈し、患者に還元するための前提条件となるだろう。
結膜潰瘍や角膜潰瘍の画像をきちんと読み解く力は、救急外来から専門外来まで幅広い場面で役立つスキルであり、日々の診療で出会う症例画像を「記録として残すだけ」ではなく、「学びの素材」として活用していく視点を持つことが、現場全体の眼科診療レベルを底上げしていくうえで重要になってくる。
結膜潰瘍・角膜潰瘍の病態一般と画像の背景理解に役立つ総説的な情報(症状・診断・治療の全体像の整理)。
感染性角膜炎診療ガイドラインとして、起炎菌推定や治療方針、重症例の対応を包括的に示した専門的資料(主に治療方針・重症度判定の参考)。
結膜皮弁術を含む角膜潰瘍の手術症例画像が豊富で、術後経過や結膜の退縮過程が視覚的に理解できるページ(重症例・手術適応のイメージ把握に有用)。
羊膜移植術の適応や術式、術後経過についてガイドライン形式で解説しており、難治性潰瘍に対する選択肢を整理するのに役立つ文書(外科的治療セクションの補足)。
羊膜移植術ガイドライン(京都府立医科大学)

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