急性結膜炎 うつる 原因と感染対策
急性結膜炎 うつる結膜炎とうつらない結膜炎
急性結膜炎が「うつるかどうか」は原因病原体によって大きく異なり、ウイルス性結膜炎はアレルギー性・多くの細菌性結膜炎に比べて極めて感染力が強いことが特徴です。
人にうつりやすい急性結膜炎としては、アデノウイルスによる流行性角結膜炎・咽頭結膜熱(プール熱)やエンテロウイルス・コクサッキーウイルスによる急性出血性結膜炎などが代表的で、いずれも接触感染で広がります。
一般に「感染する結膜炎」として扱うべきなのは、流行性角結膜炎・咽頭結膜熱・急性出血性結膜炎といったウイルス性結膜炎であり、細菌性結膜炎はうつることはあるものの感染力は比較的弱く、標準予防策と適切な抗菌薬治療によりコントロールしやすいとされています。
参考)結膜炎はうつる?種類ごとの原因・症状と治療|六甲なのはな眼科
一方、アレルギー性結膜炎はアレルゲンに対する過敏反応であり、人から人へ「うつる」ことはなく、患者や家族が混同しやすいポイントとして外来での説明が重要です。
参考)結膜炎はうつる?症状や原因・治療方法|よし眼科クリニック
うつる急性結膜炎の臨床像として、両眼性になることが多いものの多くは片眼発症で数日遅れて対側に波及し、耳前リンパ節腫脹を伴う例ではウイルス性の可能性が高くなります。
また、急性出血性結膜炎では1日程度の短い潜伏期間ののちに白目のびまん性出血を認めることが特徴で、患者・家族ともに視覚的インパクトが大きいため、適切な説明と感染対策の動機付けに活用しやすい所見です。
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急性結膜炎 うつる経路と家庭・院内での感染場面
急性結膜炎の主な感染経路は接触感染であり、患者の結膜や涙・目やにに触れた手指を介して、ドアノブ・タオル・洗面台・検査機器など環境表面を経由して拡散します。
空気感染のようにエアロゾルだけで広がるわけではないものの、患者が頻回に目をこする・涙をぬぐう行動をとるため環境汚染が起こりやすく、接触機会の多い家族や医療従事者は高リスク群といえます。
家庭内では共用タオル・枕カバー・洗面所周辺の手すりなどから家族内感染が起こりやすく、感染者の入浴を最後にする、タオルや枕カバーを個別にして頻回に洗濯する、といった対策が推奨されています。
医療機関では点眼瓶や洗眼用カップ、視力検査機器・スリットランプ周囲など、患者の顔面に近い部位や接触頻度の高い器具の消毒・器具共有の回避が重要であり、「1処置1手洗い」と環境清拭の徹底が院内流行防止の基本となります。
参考)https://www.kansensho.or.jp/sisetunai/2005_10_pdf/25.pdf
外来でありがちな見落としとして、診察室の机やカルテ端末のキーボード・マウス、検査伝票などが二次的な伝播媒体となる点が挙げられ、診察者だけでなくスタッフ全体で「患者の顔まわりに触れた後はそのまま共用物に触らない」というルールを共有する必要があります。
また、患者自身がスマートフォンやコンタクトレンズケースに病原体を付着させ持ち歩くケースもあり、使用中止やこまめな拭き取り清掃・レンズ装用の一時中止といった指導が、家庭内・職場での拡散リスク低減に寄与します。
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急性結膜炎 うつる潜伏期間と感染力ピーク
急性結膜炎の潜伏期間は病型により異なり、流行性角結膜炎ではおおむね7〜14日、咽頭結膜熱では5〜7日、急性出血性結膜炎では1〜3日とされ、症状出現前から伝播が起こりうる点が重要です。
流行性角結膜炎では感染後1〜2週間の潜伏期間を経て充血・眼痛・強い目やにが出現し、この潜伏期間中や症状の初期段階でも他者にうつす可能性があり、感染機会となるイベント歴の聴取と患者教育が不可欠です。
感染力がとくに強い期間は、流行性角結膜炎や咽頭結膜熱で発症後1〜2週間、急性出血性結膜炎では発症後3〜4日程度とされ、この時期は家族内でもタオル・洗面器の共用を避けるなど厳重な感染対策が求められます。
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臨床的には、発症直後から1週間程度は結膜分泌物中のウイルス量が多く、「目やにが多く、こすりたくなる時期」こそが患者を中心に二次感染が広がるフェーズであると説明することで、患者・家族の行動変容を促しやすくなります。
意外な点として、潜伏期間中にも周囲へ感染させる可能性があるため、「症状が出ていないから職場・学校に行っても安心」とは言えず、特に医療・介護・保育の現場では、家族内に流行性結膜炎の患者がいる場合に自己の目の症状に敏感であるべきとされています。
また、症状が軽快しても角膜の混濁や微細な炎症が長く残る症例があり、視機能への影響だけでなく「ウイルス排出が完全に終わったか」の判断についても、眼科専門医のフォローアップが望ましいとされています。
急性結膜炎 うつる場合の出勤・登園基準と就業制限
急性結膜炎がうつる場合、学校や職場を休むべきかどうかは病型と感染力で判断され、ウイルス性結膜炎では原則として登校・出勤を控えることが推奨されます。
特に流行性角結膜炎では感染力が非常に強いため、学校保健安全法上も「第二種感染症」として扱われ、医師が感染力がないと認めるまで出席停止扱いとなりうる点を、保護者・学校側に明確に説明する必要があります。
医療従事者が流行性角結膜炎に罹患した場合、発症後2週間の就業制限が望ましいとされ、患者・同僚への感染源とならないよう、職種や業務内容に応じて配置転換や自宅待機を含めた対応が求められます。
参考)流行性角結膜炎(Epidemic Keratoconjunc…
院内での運用としては、診断が確定した時点で所属長が感染対策部門に報告し、接触した患者や職員をリストアップして発症可能期間内の健康観察や必要な検査を行う、という流れをマニュアルとして整備しておくことが推奨されます。
細菌性結膜炎の場合は、適切な抗菌薬治療により数日で症状が改善することが多く、強い充血や多量の目やにが落ち着き、感染リスクが低いと判断されれば就業継続が可能とされていますが、医療現場では手袋着用や手指衛生の徹底といった追加策が望まれます。
患者説明の場面では、「ウイルス性か細菌性かで出勤可否が変わる」「仕事の内容(対患者業務かどうか)によっても判断が異なる」といった点を整理して伝えることで、職場との調整や診断書発行の必要性などを事前にイメージしてもらいやすくなります。
急性結膜炎 うつるリスクを減らすための医療従事者の独自工夫
急性結膜炎がうつるリスクを現場レベルで減らすには、ガイドラインに記載された手指衛生・器具消毒だけでなく、医療従事者自身の「無意識の動作」を制御する工夫が重要です。
具体的には、診察中・処置中に自分の目や顔を触らない、コンタクトレンズ装用中のスタッフは流行期にディスポレンズ使用や眼鏡への切り替えを検討する、といった行動レベルの習慣づけが、自己感染と職場内二次感染の双方を減らす可能性があります。
また、急性結膜炎患者を診るブースや時間帯を限定し、そのブース内の機器・椅子・机・ドアノブなどを1患者ごとに定められた手順で清拭する「結膜炎スロット」を設けることで、他の外来患者への交差感染リスクを低減できます。
眼科以外の診療科でも、原因不明の充血・流涙で受診した患者を一時的に「疑い例」として扱い、トリアージ時点から専用ルートに乗せる仕組みを導入することで、院内での広がりを早期から抑え込むことが可能になります。
参考)https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=14
情報共有の面では、急性結膜炎の院内発生時にタイムライン形式で「初発例」「二次例」「環境調査結果」「対策の強化内容」を記録し、後日ケースレビューとしてスタッフ教育に活用することが、次のアウトブレイク時の初動を早めるうえで有効です。
さらに、電子カルテ内で「はやり目疑い」フラグを立てる運用や、予約システムに注意喚起メッセージを組み込むなどICTを活用した仕組みを整えることで、単施設レベルでも持続可能な急性結膜炎対策モデルを構築できます。
急性結膜炎の原因・感染経路・潜伏期間・就業制限など、うつる結膜炎全般について視覚的に整理された解説ページ(基礎知識と患者説明の参考)。
結膜炎はうつる?種類ごとの原因・症状と治療|六甲なのはな眼科
流行性角結膜炎や急性出血性結膜炎の潜伏期間・感染力の強い期間、家庭内での感染対策について詳細に記載された一般向け解説(潜伏期間と感染力の節の参考)。
医療従事者や臨床実習生が流行性角結膜炎に罹患した場合の就業制限や院内クラスター対応が具体的に示された資料(就業制限と院内感染対策の節の参考)。