抗がん剤種類一覧
抗がん剤種類一覧:殺細胞性抗がん剤の分類と作用機序
抗がん剤を「種類一覧」で整理する際、医療者が最初に共有したいのは“狭義の抗がん剤=殺細胞性抗がん剤”が、がん細胞の増殖(DNA/RNA合成や細胞分裂)を止める設計になっている点です。横浜市立大学附属病院の解説でも、殺細胞性抗がん剤はDNA/RNA合成の妨害や細胞分裂阻害などで効果を示す一方、正常細胞にも影響しうるため副作用が起こる、と整理されています。 https://www.yokohama-cu.ac.jp/fukuhp/section/central_section/chemotherapy/anti-cancer_agent.html
以下は、臨床で遭遇頻度が高い「殺細胞性抗がん剤」を作用機序でまとめた一覧です(“分類の軸”がぶれないよう、作用点で統一します)。
✅ 殺細胞性抗がん剤(例示)の種類一覧(作用機序ベース)
・アルキル化剤:DNAに化学修飾を起こし複製を阻害(例:シクロホスファミド)
・白金製剤:DNA架橋形成で複製・転写を阻害(例:シスプラチン、カルボプラチン)
・代謝拮抗薬:核酸合成の素材・酵素を阻害(例:5-FU、ゲムシタビン)
・抗腫瘍性抗生物質:DNAへの結合やフリーラジカルなどで障害(例:アントラサイクリン系)
・トポイソメラーゼ阻害薬:DNA切断/再結合の制御を破綻させる(例:イリノテカン等)
・微小管作用薬:紡錘体形成を阻害し分裂停止(例:タキサン、ビンカアルカロイド)
※これらの枠組み自体は、細胞障害性抗癌薬の主要カテゴリとして「白金製剤、抗腫瘍性抗生物質、アルキル化薬、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害薬、微小管作用薬」などに整理される、という学術資料でも同様に示されています。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/haigan/59/Supplement/59_1111/_pdf
💡意外と見落とされがちな“実務上のポイント”
殺細胞性抗がん剤は「薬剤名」より「骨髄抑制の谷」「粘膜障害」「末梢神経障害」「腎毒性」など“毒性の形”を先に押さえると、夜間対応・救急受診のトリアージが速くなります。上記の分類は、毒性の形が似ることが多い(例:白金製剤→腎毒性/悪心嘔吐、微小管作用薬→末梢神経障害)ため、教育・申し送りにも向きます。
抗がん剤種類一覧:分子標的薬の特徴と代表的ターゲット
抗がん剤の「種類一覧」に分子標的薬を加えるときは、殺細胞性とは発想が逆で、“がんの増殖に関わる特定分子(蛋白・酵素など)を狙う”薬である点を核にします。横浜市立大学附属病院のページでも、分子標的薬はがん細胞の分子標的に高い選択性を持ち、殺細胞性より副作用が少ないとされる一方、皮疹・消化器症状・高血圧・肝機能障害・間質性肺炎などが起こり得ると説明されています。 https://www.yokohama-cu.ac.jp/fukuhp/section/central_section/chemotherapy/anti-cancer_agent.html
✅ 分子標的薬(概念)の種類一覧:医療者向けの整理法
・ドライバー変異(EGFR、ALK、ROS1、BRAFなど)阻害:腫瘍増殖のエンジンを止める
・血管新生阻害(VEGF/VEGFR系):腫瘍血流を断つ
・抗体薬/ADC:標的分子に結合し、免疫介在や薬物送達で効果
・がん種横断(腫瘍横断)標的:NTRK融合など“臓器ではなく遺伝子”で選ぶ
たとえば肺がん領域では、RET阻害薬、TRK阻害薬、KRAS G12C阻害薬、抗HER2薬など“標的の種類”として整理でき、変異があるとき効果が高い薬として説明されています。 https://www.haigan-tomoni.jp/know/treatment/molecular_targeted_therapy01.html
💡臨床での“意外な落とし穴”
分子標的薬は「副作用が軽い」と短絡されやすい一方で、間質性肺炎や重度皮疹など“頻度は高くないが致命的になり得る毒性”が混ざるのが難点です。したがって「開始前のベースライン(SpO2、胸部画像、肝腎機能、血圧)」「患者教育(皮疹・息切れの早期申告)」「疑ったら休薬・精査」という運用を一覧の横に併記すると、現場の安全性が上がります。
抗がん剤種類一覧:免疫チェックポイント阻害薬とirAEの考え方
抗がん剤の種類一覧で免疫チェックポイント阻害薬を扱うときは、“がん細胞を直接攻撃するのではなく、免疫が攻撃できる状態に戻す”という構造を中心に書くのが分かりやすいです。横浜市立大学附属病院の説明でも、免疫チェックポイント阻害薬はチェックポイントを利用して免疫から逃れるがんに対し、そのプロセスを妨害して免疫の攻撃能力回復を目指す、とされています。 https://www.yokohama-cu.ac.jp/fukuhp/section/central_section/chemotherapy/anti-cancer_agent.html
免疫療法の副作用は“免疫関連有害事象(irAE)”として一括され、ホルモン異常、皮疹、消化器症状、糖尿病などが頻度の高い事象として挙げられています。 https://www.yokohama-cu.ac.jp/fukuhp/section/central_section/chemotherapy/anti-cancer_agent.html
✅ irAEを「種類一覧」で運用に落とすコツ
・頻度が高い:皮膚(発疹/そう痒)、消化管(下痢/大腸炎)、内分泌(甲状腺、下垂体、副腎)
・見逃すと危険:肺(免疫性肺炎)、心筋炎、神経系、重症糖尿病(DKA)
・現場で効く合言葉:発熱+下痢+皮疹+倦怠感は「感染」だけでなくirAEも同時に疑う
💡意外と知られていない臨床的論点
免疫療法は“効くまで時間がかかることがある”一方で、症状悪化が腫瘍進行ではなく炎症(irAE)で起きることがあります。画像だけで判断せず、症状経過・炎症所見・臓器別評価(例:下痢なら便培養やCT、内分泌ならTSH/FT4/コルチゾール等)を先に揃えると、不要な中止や見落としを減らせます。
抗がん剤種類一覧:レジメンと投与経路(経口抗がん薬・点滴・皮下)
抗がん剤は“薬の種類一覧”だけでは実務に落ちにくく、実際の治療は複数薬剤を組み合わせた「レジメン」単位で行う、という前提を明記しておくと記事の実用性が上がります。横浜市立大学附属病院の説明では、抗がん剤は3分類(殺細胞性・分子標的・免疫チェックポイント阻害薬)から1~5つ程度を組み合わせ、副作用軽減薬と合わせて「レジメン」という単位で治療する、とされています。 https://www.yokohama-cu.ac.jp/fukuhp/section/central_section/chemotherapy/anti-cancer_agent.html
また投与経路も、経静脈投与が中心で、CVポートを用いる場合があること、経口抗がん薬の種類が増えて自宅内服が一般化していること、皮下投与や在宅で継続点滴するインヒューザーポンプなどもあることが解説されています。 https://www.yokohama-cu.ac.jp/fukuhp/section/central_section/chemotherapy/anti-cancer_agent.html
✅ 投与経路別:医療安全のチェック項目(現場向け)
・点滴(末梢):血管外漏出リスク、静脈炎、投与速度
・点滴(CVポート):感染、閉塞、血栓、穿刺手技
・経口抗がん薬:アドヒアランス、食事影響、相互作用(胃薬・抗菌薬・サプリ等)
・皮下投与:投与部位反応、自己注射手技の標準化
💡独自視点(検索上位に少ない観点)
経口抗がん薬は“院外で毒性が進む”ため、種類一覧に「患者が自宅で気づける危険サイン(息切れ、持続する下痢、発熱、尿量低下、意識変容など)」を横に並べると、救急受診の適正化と重症化予防に直結します。点滴中心の時代のチェックリストをそのまま流用すると、見えない場所で起きる有害事象(脱水→腎障害、下痢→電解質異常など)を拾いにくいのが現実です。
抗がん剤種類一覧:制吐療法(支持療法)と催吐性リスクの実務
抗がん剤の種類一覧記事でも、支持療法、とくに悪心・嘔吐の管理を外すと“臨床で使える記事”になりにくいです。日本癌治療学会の制吐療法ガイドラインでは、抗がん薬投与後の副作用には個人差があり個別対応が必要で、十分な支持療法により日常生活を守り治療成績向上を図れる、と述べられています。 http://www.jsco-cpg.jp/antiemetic-therapy/guideline/
同ガイドラインでは、悪心・嘔吐は代表的な苦痛であり、制吐療法は治療完遂のため重要で、制吐によりQOL向上・治療維持・最終的に全生存期間延長が期待できる一方、益の明らかでない制吐療法は行うべきでない、というバランスも明確にされています。 http://www.jsco-cpg.jp/antiemetic-therapy/guideline/
✅ 催吐性リスク(ガイドラインの枠組み)
・高度:予防なしで24時間以内の嘔吐が90%超
・中等度:30%超~90%
・軽度:10~30%
・最小度:10%未満
この4分類は、抗がん薬の催吐性リスクを嘔吐発現割合で定義する、とガイドラインに記載されています。 http://www.jsco-cpg.jp/antiemetic-therapy/guideline/
✅ “意外と知られていない”臨床に効くポイント
・多剤併用療法では「最も催吐性が高い薬」に合わせて制吐を設計する、という原則が明記されています。 http://www.jsco-cpg.jp/antiemetic-therapy/guideline/
・悪心・嘔吐は急性期(24時間以内)と遅発期(24~120時間)が分かれ、遅発期の取りこぼしが外来完遂を崩しやすい、という整理がされています。 http://www.jsco-cpg.jp/antiemetic-therapy/guideline/
・さらに“超遅発期(6日目以降)”も注目されているとガイドラインに記載があり、経口抗がん薬や外来レジメンでは特に意識したい論点です。 http://www.jsco-cpg.jp/antiemetic-therapy/guideline/
(参考リンク:制吐療法の総論、急性期/遅発期/突出性/予期性の定義、催吐性リスク分類の根拠がまとまっている)
(参考リンク:抗がん剤の3分類、レジメンという単位、投与経路の要点が臨床向けにまとまっている)
(参考リンク:細胞障害性抗癌薬の主要カテゴリ(白金製剤、代謝拮抗薬、微小管作用薬など)の学術資料PDF)
