48薬効群 一覧と一般用医薬品
48薬効群 一覧(要指導医薬品・一般用医薬品)
医療従事者向けに「まず全体を一望したい」というニーズが最も強いのが、この“48薬効群 一覧”です。
48薬効群は、要指導医薬品・一般用医薬品の製品群(薬効群)を1〜48に整理した枠組みとして公開されており、代表的な一覧として以下のように提示されています。
【48薬効群(1〜48)】(要指導医薬品・一般用医薬品)
- かぜ薬(内用)
- 解熱鎮痛薬
- 催眠鎮静薬
- 眠気防止薬
- 鎮うん薬(乗物酔防止薬、つわり用薬を含む。)
- 小児鎮静薬(小児五疳薬等)
- その他の精神神経用薬
- ヒスタミンH2受容体拮抗剤含有薬
- 制酸薬
- 健胃薬
- 整腸薬
- 制酸・健胃・消化・整腸を2以上標榜するもの
- 胃腸鎮痛鎮けい薬
- 止瀉薬
- 瀉下薬(下剤)
- 浣腸薬
- 強心薬(センソ含有製剤等)
- 動脈硬化用薬(リノール酸、レシチン主薬製剤等)
- その他の循環器・血液用薬
- 鎮咳去痰薬
- 含嗽薬
- 内用痔疾用剤、外用痔疾用剤
- その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬
- ビタミン主薬製剤(各種ビタミン主薬製剤等)、カルシウム主薬製剤、タンパク・アミノ酸主薬製剤
- その他の滋養強壮保健薬
- 婦人薬
- その他の女性用薬
- 抗ヒスタミン薬主薬製剤
- その他のアレルギー用薬
- 殺菌消毒薬(特殊絆創膏を含む)
- しもやけ・あかぎれ用薬
- 化膿性疾患用薬
- 鎮痛・鎮痒・収れん・消炎薬(パップ剤を含む)
- みずむし・たむし用薬
- 皮膚軟化薬(吸出しを含む)
- 毛髪用薬(発毛、養毛、ふけ、かゆみ止め用薬等)
- その他の外皮用薬
- 一般点眼薬、人工涙液、洗眼薬
- 抗菌性点眼薬
- アレルギー用点眼薬
- 鼻炎用内服薬、鼻炎用点鼻薬
- 口腔咽喉薬(せき、たんを標榜しないトローチ剤を含む)
- 口内炎用薬
- 歯痛・歯槽膿漏薬
- 禁煙補助剤
- 漢方製剤、生薬製剤(他の薬効群に属さない製剤)、生薬主薬製剤
- 消毒薬
- 殺虫薬
このリストは、OTCの棚割り・備蓄の“チェックリスト”として使えるのが強みです。
一方で、同じ医薬品でも「医療用医薬品の薬効分類(いわゆる薬効分類コード)」とは目的と粒度が異なるため、分類の混同を避けることが安全対策上も重要です。
参考(このH3の根拠リンク:48薬効群の正式な一覧そのもの)
48薬効群の一覧(要指導医薬品・一般用医薬品)がそのまま掲載:(48薬効群)要指導医薬品・一般用医薬品(PDF)
48薬効群 一覧と製品群(小分類)の違い(意外にズレるポイント)
検索上位では「48薬効群=この表で覚える」で終わりがちですが、現場では“どの資料の48を見ているか”で内容がズレることがあります。
代表例として、厚生労働省の「一般用医薬品の製品群と主な製品」では、大分類・小分類が拡張され、Noが48を超えて続きます(禁煙補助剤、漢方製剤、公衆衛生用薬、一般用検査薬、その他…まで含めて整理されている)。これは「48薬効群」という呼び方に引っ張られて、同じものだと誤認しやすい落とし穴です。
つまり、
- 48薬効群:要指導医薬品・一般用医薬品を“48枠”で見やすく整理した一覧(OTCの備蓄・体制の話題で参照されやすい)
- 製品群(小分類)表:OTCの製品群をさらに広く(48を超えて)提示し、成分例・効能例・主な品目例まで載せる実務資料
という関係になり得ます。
このズレを理解しておくと、「資料ではNo.83の一般用検査薬があるのに、48薬効群に無いのはなぜ?」という新人の疑問にも即答でき、監査・点検の場でも説明が破綻しにくくなります。
参考(このH3の根拠リンク:製品群(小分類)が48を超えて掲載されている点の確認)
一般用医薬品の製品群(大分類・小分類)と製品例:厚生労働省:一般用医薬品の製品群と主な製品
48薬効群 一覧の使い方(薬局・病棟・外来での運用のコツ)
48薬効群 一覧は、単なる暗記対象ではなく「運用の型」を作ると価値が跳ね上がります。医療従事者が使う場面に寄せて、実践しやすいコツを整理します。
【コツ1:患者訴え→薬効群→リスク聴取の順にする】
OTC相談でありがちなのが、最初から製品名(ブランド名)に飛びついてしまうことです。
- 例:発熱・頭痛 → まず「解熱鎮痛薬」
- 例:咳・痰 → まず「鎮咳去痰薬」
- 例:胸やけ → まず「制酸薬」または「ヒスタミンH2受容体拮抗剤含有薬」
このように薬効群で“棚”を決めてから、妊娠授乳、腎機能、抗凝固薬内服、緑内障、前立腺肥大などの禁忌・注意に関わる聴取へ進むと、見落としを減らしやすいです。
【コツ2:「似ているが別枠」をセットで覚える】
48薬効群には、名前が近くて混同しやすい枠が存在します。
- 「殺菌消毒薬(特殊絆創膏を含む)」と「消毒薬」
- 「含嗽薬」と「口腔咽喉薬」
- 「一般点眼薬、人工涙液、洗眼薬」と「抗菌性点眼薬」「アレルギー用点眼薬」
ここをセットで覚えると、売場導線(どこに置くか)や説明の粒度(感染兆候なら受診勧奨、乾燥ならセルフケア)を切り替えやすくなります。
【コツ3:棚卸しは“48枠を埋める”発想でやる】
品目数で数えると、どうしても特定カテゴリ(かぜ薬、解熱鎮痛薬、外皮用薬)に偏って「多い=安心」になりがちです。
48薬効群をチェックリスト化し、各枠に最低1品以上(または推奨品目数)を置くようにすると、抜けが視覚化されます。特に「禁煙補助剤」「婦人薬」「口内炎用薬」「歯痛・歯槽膿漏薬」などは、店舗によって穴が空きやすいので要注意です。
【コツ4:教育は“上位概念→具体例”が速い】
新人教育は、いきなり成分や禁忌から入るより、
48薬効群(枠)→代表的な効能(目的)→代表成分→禁忌・受診勧奨
の順の方が定着しやすいことが多いです。厚労省資料には有効成分例・効能例・主な品目例が並んでおり、研修用の題材として使いやすいのも利点です。
48薬効群 一覧で押さえる「薬効群名」読解(ラベルの日本語が実はヒント)
意外と見落とされがちですが、48薬効群は“薬効群名そのもの”が注意喚起の文章になっていることがあります。薬効群名を丁寧に読むと、製品選択や説明のリスクを減らすヒントが埋まっています。
【例1:「鎮うん薬(乗物酔防止薬、つわり用薬を含む。)」】
括弧書きが示す通り、この枠は単に「乗り物酔い」だけでなく「つわり」を含む設計です。
ここから導ける実務ポイントは、妊娠可能年齢の女性が「吐き気止め」を求めたとき、症状だけでなく妊娠の可能性や服薬中薬の確認が必須になるということです(OTCの範囲でも、説明の質が安全性に直結します)。
【例2:「鎮痛・鎮痒・収れん・消炎薬(パップ剤を含む)」】
“パップ剤を含む”という一文は、湿布をこの枠に含める合図です。
外用NSAIDsやサリチル酸系、局所刺激性成分などが絡むため、皮膚状態(びらん、湿疹)、貼付部位、使用期間、併用薬(ワルファリン等)など、質問が必要になることを示唆しています。
【例3:「一般点眼薬、人工涙液、洗眼薬」】
3つをまとめた薬効群名は、「目がつらい」という訴えの入口が複数あることを示します。
患者が「目薬」と言っても、乾燥(人工涙液)、ゴロゴロ(洗眼)、疲れ(一般点眼)と目的が違い、赤旗(視力低下、強い痛み、片眼の急性発赤、外傷)なら受診勧奨に切り替える必要があります。
このように、薬効群名は“分類ラベル”であると同時に“現場へのメモ”としても読めます。薬効群名の括弧書きや列挙の仕方を手がかりにすると、説明の抜けが減り、問診が組み立てやすくなります。
48薬効群 一覧の独自視点:情報設計(検索・電子カルテ・棚タグ)の作り方
検索上位の解説は「48薬効群のリスト」や「おすすめOTC」で終わることが多いのですが、医療現場で差がつくのは“情報設計”です。48薬効群を「人が覚える表」から「システムが支援する辞書」へ落とし込むと、運用コストが下がり、属人性も減ります。
【1)棚タグ・発注タグの設計】
薬効群名をそのまま棚札・発注メモに埋め込むと、異動者でも理解が速いです。
例。
- 「解熱鎮痛薬」棚:アセトアミノフェン、NSAIDs、配合か単味か、年齢制限、妊娠授乳注意を棚札の小さな注記にする
- 「ヒスタミンH2受容体拮抗剤含有薬」棚:胃痛・胸やけの短期使用、警告症状(黒色便、吐血など)の受診勧奨を棚札に固定文で入れる
薬効群ラベルがあるだけで、棚の説明文(注意喚起テンプレ)を統一しやすくなります。
【2)相談記録(SOAPや対応メモ)の入力補助】
OTC相談の記録で、製品名だけ残すと後から再現できません。
「薬効群→症状→確認項目→判断→提案」という順でテンプレ化すると、監査・引き継ぎで強い記録になります。
- S:咳と痰(鎮咳去痰薬)
- O:発熱なし、喘鳴なし、喀血なし
- A:急性上気道症状が疑われるが、3日以上持続なら受診勧奨
- P:OTCの提案+セルフケア+受診目安
のように、薬効群が“見出し”として働きます。
【3)検索キーワードの揺れ対策(同義語辞書)】
現場の問い合わせは「しもやけ」「あかぎれ」「ひび」「手荒れ」など表現が揺れます。
48薬効群では「しもやけ・あかぎれ用薬」という枠があるため、検索辞書に
- しもやけ・あかぎれ用薬 = ひび・あかぎれ・手荒れ・凍瘡
のような同義語を紐づけると、探す時間が減ります。
【4)“二重にある概念”は必ず分岐させる】
意外な落とし穴が、「消毒」のように似た言葉が複数枠に分かれているケースです(殺菌消毒薬/消毒薬)。
棚・システム・教育資料のすべてで、用途(創傷ケア寄りか、衛生・環境寄りか)で分岐させておくと、誤案内の確率が下がります。
この独自視点の狙いは、48薬効群を“覚える”から“仕組みにする”へ変換することです。忙しい現場ほど、分類の力は人の記憶ではなく設計に投資した方が回収できます。
(補足:本文中の一覧は、要指導医薬品・一般用医薬品の48薬効群として公開されている資料に基づきます)
(48薬効群)要指導医薬品・一般用医薬品(PDF)
厚生労働省の製品群表(成分例・効能例・主な品目例が載っており、教育資料として有用):一般用医薬品の製品群と主な製品