顎を触ると痛い原因と対処法
顎の痛みの原因は顎関節症?症状セルフチェックと進行ステージ
顎を触ると痛い場合、まず考えられるのが「顎関節症(がくかんせつしょう)」です 。顎関節症は、顎の関節やその周りの筋肉(咀嚼筋)に問題が起こる病気の総称で、日本人の2人に1人が経験するとも言われています 。
顎関節症の主な症状は以下の3つです。
- 顎の痛み(顎関節痛・咀嚼筋痛):口を開けたり閉じたり、食べ物を噛んだりするときに顎が痛む 。
- 口が開きにくい(開口障害):正常な人は指3本分(約4cm)ほど口が開きますが、それ以下しか開かなくなる 。
- 顎を動かすと音がする(関節雑音):「カクカク」「ジャリジャリ」といった音がする 。
これらの症状のほかにも、頭痛、肩こり、めまい、耳鳴りなど、全身に症状が及ぶこともあります 。「たかが顎の痛み」と軽視していると、食事が困難になったり、全身の不調につながったりする可能性があるため、注意が必要です。
自分でできる!顎関節症セルフチェック
鏡の前で、以下の項目をチェックしてみましょう。当てはまるものが多いほど、顎関節症の可能性が高まります。
- 口をまっすぐ開けられますか?開けるときに顎が左右に揺れたり、曲がったりしていませんか?
- 人差し指・中指・薬指の3本を縦にそろえて口に入りますか?
- 口を開け閉めするときに、耳の前あたりで「カクカク」「ミシミシ」といった音がしますか?
- 硬いものを食べると顎が疲れたり、痛くなったりしますか?
- 頬やこめかみの筋肉を押すと、痛みを感じますか?
顎関節症は、進行度によっていくつかのステージに分けられます。初期段階であればセルフケアで改善することもありますが、症状が進行すると専門的な治療が必要になります 。
顎関節症の進行ステージについて、さらに詳しく解説している歯科医院のページです。
歯科医師が教える、顎関節症のセルフチェック方法 | 奥田歯科医院
顎の痛みはストレスや歯ぎしりが原因?無意識の癖が引き起こす危険性
顎の痛みの原因として、顎関節症と並んで多いのが「ストレス」や「歯ぎしり・食いしばり」です 。現代社会はストレスが多く、無意識のうちに歯を食いしばったり、就寝中に歯ぎしりをしたりしている人は少なくありません 。
本来、上下の歯が接触しているのは会話や食事のときだけで、1日のうち20分程度と言われています。しかし、ストレスを感じると、体を緊張させる交感神経が優位になり、無意識に歯を食いしばってしまいます 。この状態が長時間続くと、顎の関節や筋肉に過度な負担がかかり、痛みやだるさを引き起こすのです。
こんなサインに要注意!
- 朝起きたときに、顎やこめかみに痛みやだるさを感じる。
- 歯の詰め物がよく取れたり、歯が欠けたりする。
- 舌の縁に歯の跡がついている(歯圧痕)。
- 頬の内側に白い線がある(頬圧痕)。
これらのサインは、無意識に歯ぎしりや食いしばりをしている可能性を示唆しています。特に、睡眠中の歯ぎしりは自分の体重の2倍以上の力がかかるとも言われ、歯や顎だけでなく、全身に悪影響を及ぼす可能性があります。
ストレスを完全になくすことは難しいかもしれませんが、自分なりのストレス解消法を見つけることが重要です。例えば、以下のような方法が挙げられます。
- リラクゼーション:深呼吸、ヨガ、瞑想などで心身をリラックスさせる 。
- 適度な運動:ウォーキングやストレッチなど、軽い運動を習慣にする。
- 趣味に没頭する時間を作る:好きな音楽を聴いたり、映画を観たりする。
また、日中は「歯を離す」「力を抜く」と書いた付箋をパソコンや目につく場所に貼り、意識的に食いしばりをやめるように心がける「TCH(Tooth Contacting Habit)是正法」も有効です。
顎の痛みとリンパの腫れ、熱がある場合は注意!考えられる病気とは
顎の痛みに加えて、リンパ節の腫れや発熱などの症状がある場合は、他の病気が隠れている可能性があります 。顎の周辺には、耳下腺や顎下腺といった大きな唾液腺や、多くのリンパ節が存在します。これらの組織が細菌やウイルスに感染すると、炎症を起こして痛みや腫れを引き起こすことがあります。
考えられる主な病気
1. リンパ節炎
風邪や虫歯、歯周病などが原因で、首や顎の下のリンパ節が腫れて痛むことがあります 。通常は原因となる病気の治療とともに症状は改善しますが、まれに悪性リンパ腫などの重篤な病気のサインである可能性もあります 。痛みを伴わないしこりが長く続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
2. 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
ムンプスウイルスへの感染が原因で、耳の下にある耳下腺が腫れて痛みます。片側から腫れ始め、数日で両側が腫れてくるのが特徴です。発熱や食欲不振を伴うこともあります。
3. 唾石症(だせきしょう)
唾液腺の中や管に石(唾石)ができる病気です。唾石が唾液の流れを妨げることで、食事のたびに顎の下が腫れて痛む「唾仙痛(だせんつう)」という特徴的な症状が現れます。
これらの病気は、顎関節症と症状が似ている部分もありますが、原因や治療法は全く異なります。特に、急な発熱や強い痛みを伴う場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診することが重要です。
リンパ節の腫れについて、原因や考えられる病気を詳しく解説している耳鼻咽喉科のページです。
リンパ節・唾液腺(首)の腫れ、しこり | えびす耳鼻科いせはら
顎の痛みは何科を受診?歯科?耳鼻咽喉科?症状別の選び方
「顎が痛い」と感じたとき、多くの人が「何科に行けばいいの?」と悩むのではないでしょうか。顎の痛みの原因は多岐にわたるため、症状に合わせて適切な診療科を選ぶことが、早期改善への近道です 。
診療科選びの目安
■ 歯科・口腔外科
以下のような症状がある場合は、まず歯科または口腔外科を受診するのが一般的です 。
- 口を開けたり閉じたりすると顎が痛む、音がする 。
- 口が開きにくい 。
- 歯ぎしりや食いしばりを指摘されたことがある。
- 噛み合わせに違和感がある。
顎関節症の診断や治療は、歯科・口腔外科が専門です 。レントゲンやCT検査で顎関節の状態を確認し、マウスピース(スプリント)治療や、筋肉のマッサージ、生活習慣の指導などを行います。
■ 耳鼻咽喉科
顎の痛みとともに、以下のような症状がある場合は、耳鼻咽喉科の受診を検討しましょう 。
- 耳の痛みや詰まった感じがする 。
- 顎の下や耳の下が腫れている、熱を持っている 。
- 発熱や喉の痛みを伴う 。
これらの症状は、リンパ節炎や唾液腺の病気(唾石症、流行性耳下腺炎など)の可能性があります。耳鼻咽喉科で原因を特定し、適切な治療を受ける必要があります 。
■ 整形外科・ペインクリニック
顎の痛みだけでなく、首や肩のこり、頭痛がひどい場合は、整形外科やペインクリニックで相談することも選択肢の一つです。筋肉の緊張が原因である場合、薬物療法や理学療法などで症状が緩和されることがあります。
どこを受診すればよいか迷う場合は、まずかかりつけの歯科医院に相談するか、総合病院の総合内科を受診して、適切な診療科を紹介してもらうのも良いでしょう。
顎の痛みと関連痛-肩こりや頭痛も顎が原因の可能性
あまり知られていませんが、顎の筋肉の異常が、顎から離れた場所に痛みを引き起こす「関連痛(かんれんつう)」という現象があります 。そのため、「肩こりがひどくてマッサージに行っても治らない」「原因不明の頭痛に悩まされている」といった症状が、実は顎の問題に起因しているケースは少なくありません。
なぜ関連痛が起こるのか?
私たちの脳は、体の様々な場所からの痛みの信号を受け取っています。顎の筋肉と、首や肩、頭の筋肉は、神経によって複雑につながっています。顎の筋肉に過度な負担がかかり続けると、その痛みの信号が脳に伝わる過程で、脳が「痛みの発生源」を勘違いしてしまうことがあります 。これが関連痛のメカニズムです。
特に、咀嚼筋の中でも側頭筋(こめかみから耳の上あたりにある筋肉)や咬筋(頬骨と顎のエラの間にある筋肉)は、関連痛を引き起こしやすい筋肉として知られています 。
- 側頭筋の緊張 → こめかみ周辺の頭痛(片頭痛と間違われやすい)、上の歯の痛み
- 咬筋の緊張 → 頬の痛み、耳の奥の痛み、下の歯の痛み
顎由来の関連痛セルフチェック
以下の項目に心当たりはありませんか?
- マッサージをしても改善しない、慢性的な肩こりがある。
- 特に朝方に頭痛がすることが多い。
- 歯医者で虫歯がないと言われたのに、奥歯が痛むことがある。
- めまいや耳の詰まった感じがするが、耳鼻科では異常なしと言われた。
もしこれらの症状と合わせて顎のだるさや口の開けにくさを感じるなら、それは顎が原因の関連痛かもしれません。この場合、肩や頭をマッサージするだけでは根本的な解決にはなりません。顎関節や咀嚼筋の緊張を和らげる治療を行うことで、長年悩んでいた肩こりや頭痛が劇的に改善する可能性があります。
関連痛は、診断が非常に難しい症状の一つです。複数の医療機関を受診しても原因がわからなかった痛みが、歯科・口腔外科で顎関節症の治療を始めたら改善した、という例も多く報告されています。長引く体の不調に悩んでいる方は、一度「顎」の専門家に相談してみることをお勧めします。
筋・筋膜性歯痛(関連痛の一種)について、専門的に解説している歯科医院のウェブサイトです。
虫歯が原因で顎が痛くなる!?痛みの原因と対処法を解説 | アートデンタルクリニック

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