目の充血が片目だけで痛くない原因
目の充血における結膜下出血の特徴
結膜下出血は、白目の血管が破れて血液が結膜の下にたまり、白目が真っ赤になる状態です 。この症状の最大の特徴は、見た目は派手ですが痛みやかゆみなどの自覚症状がほとんどないことです 。多くの場合、鏡を見て初めて気づいたり、周りの人に指摘されて発見されます 。
参考）疾患から診療科を探す（当院で診療可能な疾患か否かは、事前にお…
結膜下出血の原因は多岐にわたります。物理的な刺激として、強く目をこすったり、咳やくしゃみ、重いものを持ち上げたときの力みが挙げられます 。また、血圧の急激な変動、特に高血圧や激しい運動による血圧上昇も血管破綻の要因となります 。その他、血液疾患による凝固異常や抗凝固薬の服用も出血リスクを高めます 。
参考）結膜下出血
治療については、結膜下出血は基本的に自然治癒が期待できる疾患です 。出血は1〜2週間程度で自然に吸収されて治ります 。特別な治療は必要ありませんが、異物感がある場合は点眼薬が処方されることがあります 。
参考）http://www.tdc-eye.com/disease/disease03.html
目の充血を引き起こすぶどう膜炎の症状
ぶどう膜炎は、虹彩・毛様体・脈絡膜から構成されるぶどう膜で炎症を起こす疾患です 。この疾患は片目だけに発症することが多く、痛みを伴わない充血が特徴的な症状として現れます 。ぶどう膜炎による充血は「毛様充血」と呼ばれ、黒目の周りに青紫色を帯びた充血がみられるのが特徴です 。
参考）目の充血（目が赤い）片目だけ｜あだち眼科の専門医が詳しく解説
ぶどう膜炎の原因は多様で、細菌やウイルスの感染、自己免疫異常などが考えられます 。急性前部ぶどう膜炎では、角膜に隣接する結膜の充血（毛様充血または輪部充血）、角膜後面沈着物、前房内の細胞およびフレアなどの所見が認められます 。
参考）急性前部ぶどう膜炎
症状としては、目の充血に加えて羞明（光をまぶしく感じる）、視力低下、飛蚊症、物が歪んで見えるなどの症状を伴うことがあります 。ぶどう膜炎は再発しやすい疾患のため、症状に気づいたら早めに眼科医を受診することが重要です 。
参考）ぶどう膜炎 – 20. 眼の病気 – MSDマニュアル家庭版
アレルギー性結膜炎による目の充血パターン
アレルギー性結膜炎は、花粉やハウスダストなどのアレルゲンが原因で起こる結膜の炎症です 。この疾患では、結膜の血管が拡張するため目が赤く充血します 。重症の場合は結膜下の小さな血管が破れて出血し、白目が赤くなることもあります 。
アレルギー性結膜炎の特徴的な症状として、強いかゆみが挙げられますが、片目だけに起こる場合もあります 。これは、ペットの毛など特定の異物が片方の目にだけ入った場合に生じることがあります 。症状としては、目の充血、かゆみ、目やに、涙目、異物感などが現れます 。
参考）https://machida-eyehp.com/2024/09/24/eye-redness-what-are-the-causes-and-remedies/
診断は、充血やかゆみなどの症状や結膜の状態から行われます 。客観的な確定診断には、結膜上皮細胞を採取して好酸球の有無を観察したり、血清中のIgE抗体濃度を測定することで原因アレルゲンを特定できます 。治療には抗アレルギー薬の点眼や内服薬が用いられます。
参考）アレルギー性結膜炎
感染性結膜炎による目の充血メカニズム
感染性結膜炎は、ウイルスや細菌の感染により結膜に炎症が起こる疾患です 。細菌性結膜炎では、片目だけに症状が出ることが多いとされていますが、実際には両目に症状が現れることも少なくありません 。主な原因菌は黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、インフルエンザ桿菌などです 。
細菌性結膜炎の特徴として、白目の部分が赤く充血し、粘り気のある目やにが出てきます 。潜伏期間は数日程度で、主な症状は膿性の目やにと眼球結膜の充血です 。診断上の特徴として「耳の前のリンパ節が腫れないこと」と「通常は片方の目から症状が始まること」が挙げられます 。
参考）結膜炎とは？原因や症状、感染予防のためにできることを解説｜ア…
ウイルス性結膜炎では、アデノウイルスが原因となることが多く、感染力が非常に強いのが特徴です 。最初は片目だけに発症しても、数日中にもう片目に症状が出現することがあります 。症状のピークは発症から約1週間後にあり、その後徐々に改善してきます 。
参考）https://www.mdpi.com/1999-4915/15/3/676/pdf?version=1677915469
目の充血における病院受診の判断基準
目の充血で病院を受診すべき判断基準には、いくつかの重要なポイントがあります。まず、1日経っても充血が治まらない場合は受診が必要です 。一時的な疲れ目による充血であれば、その日のうちに治まることが多いためです 。
白目が真っ赤になっている、出血しているような状態も受診の目安となります 。また、痛み、かゆみ、目やに、涙目などの症状が伴う場合は、感染性結膜炎やアレルギー性結膜炎の可能性があるため、早めの受診が推奨されます 。
視力に関する症状も重要な判断基準です。目が見えづらい、視野が欠けている、視野が狭くなっているなどの症状がある場合は、緑内障やぶどう膜炎などの重篤な疾患の可能性があります 。視野の状態については、片目ずつチェックすることが重要で、反対側の目で視野が補われ、両目で見た時には視野障害に気づけないことがあります 。
毛様充血が認められる場合、特に目に強い痛みがある場合は、角膜に傷がついていたり、重篤な疾患が隠れていることもあります 。悪化すると失明する可能性もあるため、早めの受診が必要です 。
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