ビタミンC効果とコラーゲン合成から免疫力まで

ビタミンC効果

ビタミンCの主要な効果
🛡️

抗酸化作用

活性酸素を除去し、細胞の老化を防ぐ

コラーゲン合成促進

肌のハリと弾力を保つコラーゲン生成をサポート

💪

免疫機能向上

ウイルスや細菌から体を守る免疫力を強化

ビタミンCコラーゲン合成促進効果

ビタミンCはコラーゲンの生成において中心的な役割を担う必須栄養素です。コラーゲンを構成するアミノ酸であるヒドロキシプロリンの生成にビタミンCが不可欠で、不足すると皮膚の弾力低下や血管の脆弱化を招きます。

参考)https://www.ci-labo.com/skininstitute/collagen_and_vitamin_c.html

臨床試験では、高浸透ビタミンC誘導体(APPS)配合化粧水を8週間使用した結果、5種すべてのコラーゲンが有意に増加し、コラーゲン線維量は141.46%、コラーゲン密度は35.42%の改善率を示しました。この高い経皮浸透性が顕著なコラーゲン合成促進効果をもたらしています。

参考)https://www.ci-labo.com/skininstitute/imcas_tohmeikan_and_vitamin_c.html

さらに、ビタミンCは線維芽細胞を増やす働きもあり、この細胞はコラーゲンだけでなく保湿成分のヒアルロン酸も産生するため、総合的な美肌効果を発揮します。

参考)たるみにも効く ビタミンCのマルチな美容効果 – 日本経済新…

ビタミンC抗酸化作用と老化防止効果

ビタミンCは強力な抗酸化作用により、活性酸素から細胞を保護し、生活習慣病および動脈硬化、心疾患、がんなどのリスクを軽減します。特に紫外線によって生成される活性酸素を中和し、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑制する効果があります。

参考)高濃度ビタミンC点滴の効果やデメリット

高濃度ビタミンCの抗酸化作用は、がん細胞の発生を抑制し、ニトロソアミンの生成抑制、インターフェロンの生成促進といった多角的な機序でがん予防効果を発揮します。また、LDLコレステロールの酸化を抑えることで動脈硬化の進行を防ぎ、心筋梗塞脳卒中のリスクも低下させます。
ビタミンEとの相乗効果により、細胞膜の酸化を防ぎ、全身の老化プロセスを遅らせる効果も確認されています。

参考)コラーゲンの合成に欠かせない、ビタミンCの基本を知る。|VI…

ビタミンC鉄分吸収促進効果

ビタミンCは非ヘム鉄の吸収率を大幅に向上させる重要な働きがあります。植物性食品に含まれる非ヘム鉄は通常吸収率が低いですが、ビタミンCと同時摂取することで体内に吸収されやすい形に変化します。

参考)https://www.saitama-med.ac.jp/hospital/albums/abm.php?d=34amp;f=abm00002276.pdfamp;n=%E4%BA%88%E9%98%B2%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%A0%E3%82%88%E3%82%8ANo.24.pdf

貧血予防のためには、鉄分を多く含む食品(レバー、かつお、あさり、ほうれん草など)と、ビタミンCが豊富な食品(アセロラ、オレンジ、キウイ、レモン)を組み合わせて摂取することが効果的です。
一方で、緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒーに含まれるタンニンは鉄の吸収を阻害するため、食事中や食直後の摂取は避け、麦茶や薄めの緑茶を選ぶことが推奨されます。

ビタミンC免疫力向上と感染症予防効果

ビタミンCは白血球やリンパ球に高濃度で含まれ、免疫機能の維持に重要な役割を果たします。体内にウイルスが侵入すると生成されるインターフェロンの産生にビタミンCが不可欠で、このインターフェロンがウイルスの増殖抑制を指令します。

参考)ビタミンC|栄養素カレッジ|大塚製薬

ビタミンCの抗ウイルス作用は、リンパ球の働きを活性化し、インターフェロンの分泌を促進することで発揮されます。また、白血球がウイルスや細菌と戦う際に発生する活性酸素を中和し、正常な細胞への攻撃を防ぎます。

参考)新型コロナ感染症とビタミンC

ストレス状況下では体内のビタミンC消費が急速に増加するため、風邪などの感染症時や不安、疲労、極端な温度変化時には意識的な摂取が必要です。

ビタミンC高用量摂取による特殊効果と注意点

高用量のビタミンC摂取(2000mg/日まで)は通常健康な成人には毒性がありませんが、過剰摂取により下痢、吐き気、胃痙攣を起こす可能性があります。ビタミンCは水溶性のため過剰分は尿として排出されますが、一度に大量摂取すると腸管耐容量を超えて消化器症状が現れます。
興味深いことに、高濃度のビタミンCは酸素濃度が低下した虚血状態では活性酸素を産生し、がん細胞に対して選択的な細胞死を引き起こすプロ酸化作用を示すことが明らかになっています。この二面性により、正常細胞には抗酸化作用を、がん細胞には酸化ストレスによる攻撃を行う可能性があります。

参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4563566/

鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)の患者では、ビタミンCの大量摂取が鉄の蓄積を促進し、だるさや関節痛などの症状を悪化させる恐れがあるため注意が必要です。

参考)【薬剤師監修】ビタミンCを過剰摂取するとどうなる?主な症状や…

健康長寿ネットによる栄養素情報

ビタミンCの働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット
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大塚製薬の栄養素カレッジ

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