ディナゲストの副作用
ディナゲストの重篤な不正出血と貧血
ディナゲストの最も注意すべき副作用として、重篤な不正出血とそれに伴う重度の貧血があります 。この副作用は月経時以外での性器からの出血として現れ、体のだるさ、めまい、頭痛、耳鳴りなどの症状を伴います 。
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特に注目すべき点は、不正出血の発現頻度が極めて高いことです。1mgでは88.3%、0.5mgでは93.8%という高い確率で発生すると報告されています 。この不正出血により重度の貧血(ヘモグロビン値が正常値から8g/dL未満へ低下)に至った症例も認められています 。
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出血量が多く持続日数が長い場合には、観察を十分に行い、必要に応じて血液検査を実施することが重要です 。一度に大量の不正出血があるときや、大量の不正出血が長く続いたときはすぐに服用を中止し、かかりつけの病院へ相談する必要があります 。
参考)https://med.mochida.co.jp/kaitei/img/dng2101.pdf
ディナゲストの頭痛と神経系副作用
ディナゲストの副作用として、頭痛をはじめとする神経系の症状が報告されています 。これらの症状には、頭痛、めまい、倦怠感、傾眠などが含まれます 。
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頭痛は1mgの使用において頻度の高い副作用の一つとして知られており、ほてり(20.6%)とともに主要な副作用として報告されています 。また、貧血様症状とあわせて体のだるさ、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れといった症状が現れる場合もあります 。
興味深いことに、低用量ピルの休薬期間にはホルモンが変動することにより頭痛やむくみ、倦怠感などがおこることがありますが、ディナゲスト0.5mgは休薬期間がなく、ホルモンを変動させにくいというメリットがあります 。これは、片頭痛患者においても重要な利点となる可能性があります。
ディナゲストのアナフィラキシー反応
ディナゲストの重大な副作用として、アナフィラキシー反応が報告されています 。アナフィラキシーとは、体に入った物質が異物として認識され、アレルギー反応によって全身性に症状が現れる状態です 。
具体的な症状として、全身や喉のかゆみ、蕁麻疹、ふらつき、動悸、息苦しさ(息切れ)などがみられます 。薬を服用してから喉や全身のかゆみ、じんましん、動悸、息苦しさ、ふらつきがみられたときは、すぐに使用を中止する必要があります 。
薬が体に合わない場合は、ジエノゲスト以外の治療方法を検討する必要があります 。その場合も、医師と相談のうえ他の治療方法を選択することが重要です 。アナフィラキシー反応は生命に関わる可能性があるため、初回投与時は特に注意深い観察が必要です。
ディナゲストの長期服用における骨密度への影響
ディナゲストの長期服用における特筆すべき副作用として、骨密度の減少があります 。これは従来あまり注目されていなかった副作用ですが、近年の研究により重要性が明らかになっています 。
参考)http://journal.kyorin.co.jp/journal/jsog-k/detail.php?-DB=jsog-kamp;-recid=5797amp;-action=browse
5年以上のディナゲスト投与例における研究では、投与期間中央値がA群85か月、B群115.5か月の症例において、A群1例が骨粗鬆症、7例が骨量減少、B群2例が骨量減少と診断されました 。特に興味深いことに、骨密度の低下を認めた10例のBMI(kg/m²)は正常11例と比較して有意に低値であったことが報告されています 。
海外の青年期(12~18歳)の子宮内膜症患者を対象とした臨床試験では、ジエノゲストを1日2mg、52週間投与後の骨密度変化率は−1.2%でした 。最大骨塩量に達していない患者への投与については、定期的に骨塩量検査を実施するなど患者の状態に十分注意し、治療上の有益性と骨密度減少のリスクを考慮した上で投与継続の可否を慎重に判断することが推奨されています 。
参考)https://med.mochida.co.jp/tekisei/dng202003.pdf
ディナゲストの消化器系と皮膚系副作用
ディナゲストの副作用として、消化器系と皮膚系の症状も報告されています 。消化器系の副作用には、悪心(吐き気)、嘔吐、胃部不快感、腹痛などがあります 。
参考)ディナゲスト(ジエノゲスト)はどんなお薬?効果・飲み方・注意…
皮膚系の副作用として、外陰部のかぶれやかゆみが特に注目されます 。これは不正出血の持続により引き起こされる二次的な副作用として理解されています 。また、発疹などのディナゲストに対する過敏症(アレルギー)が疑われる症状が現れた場合は、医師に相談する必要があります 。
参考)ジエノゲスト
その他の副作用として、乳房緊満感、乳房痛、ざ瘡(ニキビ)なども報告されています 。これらの症状は個人差があり、すべての人に現れるわけではありませんが、薬を服用したすべての人に副作用が表れるわけではないことも重要な点です 。