要指導医薬品とは 例と一覧と販売方法

要指導医薬品とは 例

要指導医薬品とは 例:医療従事者向け要点
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定義の核

要指導医薬品は、OTCのうち「薬剤師の対面による情報提供・指導が必要」とされ、原則として対面でのみ販売される区分です。

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例の押さえ方

厚労省の要指導医薬品一覧に載る成分・販売名を「なぜ要指導なのか(スイッチ直後、再審査、製造販売後調査、劇薬等)」とセットで説明すると伝わります。

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現場の実務

本人使用か、症状、併用薬、禁忌、理解度確認、受診勧奨の要否までを短時間で組み立てるのがポイントです。

要指導医薬品とは 例:定義と対象

 

要指導医薬品は、薬機法上、需要者が情報に基づき選択して使用することを前提としつつ、適正使用のために「薬剤師の対面による情報提供と薬学的知見に基づく指導」が必要とされる医薬品です。

制度の背景として、一般用医薬品(OTC)のインターネット販売が可能になった一方で、スイッチ直後品目や劇薬等は性質が異なるため、要指導医薬品として対面販売を求める整理が行われた、とされています。

要指導医薬品に該当する範囲は大きく分けて、(1)再審査期間中の新医薬品(ダイレクトOTC)、(2)医療用から転用され製造販売後調査期間中のスイッチ直後品目、(3)薬機法第44条の毒薬・劇薬(※資料内では毒薬は該当なし、劇薬あり)です。

医療従事者向けに重要なのは、「要指導=第1類の上位」ではなく、一般用医薬品とは別枠として扱われ、販売時の関与がより強く設計されている点です。

参考)「セルフメディケーション」について 薬剤師向け

また、スイッチ直後品目は原則3年で一般用医薬品へ移行する流れが示されており、要指導は“永久に固定”ではなく、調査と評価を前提にした暫定的な位置づけであることが特徴です。

この「一定期間の安全性情報を最大限収集しつつ、適切な指導を行う必要がある」という設計思想が、現場での説明内容(なぜ確認が必要か)に直結します。

要指導医薬品とは 例:一覧から学ぶ代表例

「例」を挙げるなら、まず根拠として最も強いのは厚生労働省が公開する「要指導医薬品一覧」に載っている販売名・有効成分です。

同一覧(令和7年10月30日更新)には、レボノルゲストレル(販売名:ノルレボ)や、ランソプラゾール(タケプロンs)、ラベプラゾールナトリウム(パリエットS)などが掲載されています。

また、OTCで馴染みのある領域でも、フェキソフェナジン塩酸塩/塩酸プソイドエフェドリン(アレグラFXプレミアム)や、オキシコナゾール硝酸塩(オキナゾールL600)といった“スイッチ直後”に該当しうる薬が要指導として並ぶことがあります。

さらに近年話題になりやすい例として、オルリスタット(販売名:アライ)が要指導医薬品として掲載され、再審査期間(8年)が示されています。

同様に、ポリカルボフィルカルシウム(ギュラック)や、ヨウ素/ポリビニルアルコール(部分けん化物)(サンヨード)なども一覧に掲載されています。

この「一覧に載っているかどうか」を、院内の問い合わせ対応や患者説明の“最終確認ルート”として持っておくと、説明のブレが減ります。

要指導医薬品(劇薬)としては、ガラナポーン、ハンビロン、ストルピンMカプセル、エフゲンなどが別枠で掲載されています。

ここは意外と盲点で、「スイッチ直後=要指導」という理解だけだと、劇薬由来の要指導を落としやすいので注意点として押さえる価値があります。

現場では「どういう薬が要指導になりやすいか」を聞かれることが多いため、(A)新規性(再審査・調査期間中)、(B)リスク管理(劇薬等)という2軸で例を説明すると短時間で通じます。

要指導医薬品とは 例:販売方法と薬剤師の確認事項

要指導医薬品は「薬局又は店舗販売業において対面でのみ販売される」と資料に明記されており、販売方法そのものが制度の中心です。

この“対面”は単なる形式ではなく、購入者の状態把握、適否判断、理解確認、受診勧奨まで含めて、リスクが確定していない期間に安全性情報を最大化するための枠組みとして説明されています。

スイッチOTCが要指導から一般用へ移行する過程では、企業が年次報告書を提出し、目標症例数が集まれば中間報告を出し、その時点で第1類医薬品への移行可否を評価する流れが示されています。

実務で役立つのは、「何を確認すべきか」を項目化しておくことです。資料では、購入者本人確認、症状・製品聞き取り、販売可否判断、書面を用いた情報提供、薬学的指導、理解確認、製品決定、販売後フォローアップなどが整理されています。

特に、対面販売で問題が生じたケースとして「使用者本人以外による購入」「10個以上など大量購入」「禁忌に該当」「改善がないのに再購入し受診勧奨を拒否」などが挙げられており、現場の注意点としてそのまま使えます。

この手のケースは、薬剤師が“断る”判断をする根拠として説明しやすく、単なるコンプライアンスではなく、健康被害予防の観点で説得力を持ちます。

医療従事者向けにもう一段踏み込むなら、対面での情報量(表情、迷い、理解度)が臨床的な安全性の一部になっている点です。

資料内の調査では、オンライン実施の可否に関する薬剤師の意見が分かれ、本人確認や理解度判断、不正購入防止などが“対面が必要”とされやすい理由として挙げられています。

この整理を患者向けに翻訳すると、「安全に使うため、いくつか確認してからお渡しする薬」という言い方になり、医療者間では「要指導の趣旨=調査期間中のリスク管理」と位置づけられます。

要指導医薬品とは 例:一般用医薬品との違い

要指導医薬品を説明する際、一般用医薬品(第1類~第3類)との違いを“情報提供の重さ”で語ると誤解が減ります。

要指導は、一般用医薬品のリスク区分とは別の枠で、スイッチ直後など「一般用としてのリスク評価が確定していない」ことが制度の前提として説明されています。

そのため、同じOTCに見えても、要指導では「最大限の情報収集の上で適切な指導が必要」とされ、販売方法として対面が求められてきた、という位置づけになります。

また、スイッチOTCは要指導として販売開始し、製造販売後調査の中間報告で第1類移行の可否が評価され、移行後にリスク区分(第○類)を最終評価するという“段階的な格上げ・格下げ”のプロセスが示されています。

この流れを押さえると、「要指導の例=今だけ要指導の可能性がある」「数年後には第1類等へ移る可能性がある」というタイムラインを含めて説明できます。

患者から「前は買えたのに」「ネットで買えないのはなぜ」と聞かれた場合も、“発売直後は安全性情報の集積段階で、対面での確認が制度上必要”という説明につなげやすくなります。

医療機関側の視点では、要指導の該当品目が増えると「軽症の受診行動」「OTCからの受診勧奨」「医療費抑制」などにも影響し得ますが、制度はまず保健衛生上のリスク評価と安全対策を軸に組まれている点を外さないことが重要です。

一方で、資料にはスイッチ化における課題として、移行後にインターネット販売に移ると受診勧奨をどう効果的に行うか、安易販売の危険性が指摘されたことも示されています。

ここは“制度の弱点”でもあり、薬剤師・医療者が連携してフォローアップ(受診の目安の明確化、紹介状や受診先案内)を設計する余地が残る領域です。

要指導医薬品とは 例:独自視点の説明文書とヒヤリ

検索上位で語られがちな「定義・一覧・販売方法」だけでは、現場の医療従事者は“説明の言葉”に困ることがあります。

そこで独自視点として、「要指導=薬剤師が“聞く”薬」というより「要指導=医療者側が“記録に残す意識”を持ちやすい薬」と捉えると運用が安定します(例:確認した禁忌、受診勧奨の有無、再購入時の対応方針など)。

資料では要指導の販売時に確認すべき項目が列挙されているため、これを院内の標準質問票(ミニ問診)や、OTC相談記録のテンプレに落とすと、属人性が下がります。

また、対面販売で問題が生じたケースに「大量購入」や「本人以外の購入」が挙げられている点は、依存・濫用だけでなく、転売・不適切使用のリスクも意識されていることを示唆します。

たとえば「同居家族の分もまとめて」など一見善意でも、使用者情報が欠落したまま販売されると禁忌確認が崩れますし、重篤化サインの見逃しにもつながります。

この観点を患者説明に落とすなら、「ご本人の体調や持病によって使えない場合があるので、使う方の状況を確認したい」という言い方が、対立を生みにくい運用上のコツになります。

意外と見落とされるのが、「販売後フォローアップは現在でもオンラインで実施可能」という記載です。

つまり、販売は対面を軸にしつつも、服用後の経過確認、受診勧奨の再提示、副作用兆候の拾い上げなどは、電話・オンラインで設計しやすい余地があるということです。

医療機関・薬局の連携としては、要指導の“初回対面”だけで終わらせず、短いフォローアップ動線(いつ症状が改善しなければ受診か、受診先の目安はどこか)をセットにするのが、制度趣旨に合った実装になります。

要指導医薬品の一次情報(一覧・更新日・掲載の根拠条文等)

厚生労働省:要指導医薬品一覧

要指導医薬品の定義・経緯・スイッチOTCから一般用医薬品への移行フロー(調査期間や中間報告の考え方)

厚生労働省(検討会資料):要指導医薬品について(PDF)

上 薬剤師業務の基本[知識・態度]第3版〜薬局管理から服薬指導、リスクマネジメント、薬学的管理、OTC医薬品、病棟業務まで (新ビジュアル薬剤師実務シリーズ)